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アーサー・ビナードの「もったいない話」 [読書]


「それは、古くなったからと、日本国憲法を捨てて新しいのに取り替えようとい
う動きだ。・・・今まで、『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し』
本気で取り組んだ内閣はあっただろうか。古くて手垢がついたどころか憲法9条
はまだ新品同然だ。・・・」
これはアーサー・ビナード著『日々の非常口』の中に収められている「もったい
ない話」の中に出てきます。『日々の非常口』は身の回りの出来事をビナード氏
の透明感のある眼差しで見たことをまとめた楽しいエッセイ集。

初めてアーサー・ビナードの作品に触れたのは、『菅原克己全詩集』の「小さな
とものり」の英訳でした。その詩の解説を翻訳者としてビナード氏自身が書いて
います。一部紹介すると「難しいことを難しく書くのはわりと簡単な作業だ。・
・・しかし難しいことを、透明度の高い言葉でやさしく表現するのはまさに至難
の業。菅原克己の作品は、その一つの手本だ。」と。
英訳された詩よりも、その解説文の明晰さに驚嘆しました。
日本語をこんなに正確に自由に操るアーサー・ビナードは一体何者か・・と。
アメリカミシガン州生まれのアーサー・ビナードさんは1990年に来日。
詩人でありエッセイスト。

アーサー・ビナード氏がこの「もったいないもの」について日比谷野外音楽堂
4・12集会で話してくれました。
「日本国憲法は古いどころか新品、というか、まだ未使用・・」という言葉に
聴衆がどっと笑いました。
「これは世界的に見ても超一流の憲法です。それに比べると今の日本内閣は三
流。一流のものを三流に合わせようとしているのです。」の話は大受けでした。

わかりやすい話ではありませんか。すこ〜し元気が出ました。
日本人よりも正確に言葉を選んで使えるビナードさん。 全くすごい人です。

* 写真『日々の非常口』 もったいので一日2、3編だけ読みましょう。


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コメント 4

herosia

ブログでの想いが通じたようにアーサービナード氏、現れましたね。こういう超能力、久々に使えました。
by herosia (2007-04-14 22:28) 

和法

ぼくはビナードさんの詩集も著書も読んでいなかったけれど、ステージにブロンドの男性が現れたとき、きっとビナードさんに違いないと感じました。タマラさんとノマドさんのブログの印象もあったと思います。
幸運でしたね。このひどかった一週間を救ってくれた気がします。
集会から出るさなかに楽屋口から出てきたビナードさんに会いました。「素晴らしいお話でした!」とビナードさん伝えることができて、さらに幸運。握手していただきました。笑顔のとても美しいかたでした。
ビナードさんとは同い年と知りました。
by 和法 (2007-04-15 14:34) 

ゆき

ビナードさんのお話は政治家の方々とのいつもの話とちがって新鮮に光っていましたね。
外国の人が日本のことを大切に思っていてくれるのに、あきらめていてはなんだか申し訳なく「やっぱり自分の国のことなんだから何とかがんばらなきゃ」という気持ちになります。
握手できたんですか。うらやましい。私は探したんだけどだめでした。一言お話したかったのですが。こういう人がいる、というだけで元気になれるから不思議です。
by ゆき (2007-04-15 15:45) 

herosia

和法さん、うらやましい。ミーハーなもので、握手したかったなー。詩集にサインも欲しかった。
by herosia (2007-04-16 23:19) 

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