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フィンランドという国(4・終) [旅行記]

シベリウス公園、夜の9時
ヘルシンキに着いた日、夜の9時だというのに明るいので、シベリウス公
園を訪れてみた。音楽をイメージしたオブジェと巨大なシベリウス像。
シベリウスはフィンランドを代表する作曲家。今年が没後50年だろうか?
フィンランドは長い間、スェーデンやロシアに侵略され支配されてきた歴
史を持つ。私の好きな交響曲2番は、他国の支配下でねばり強く戦った、
無口で控えめなフィンランドの人々を思わせるように、静かな中に力強さ
があり、湖のような透明感を感じる。
またフィンランディアという交響詩はロシアの圧政に苦しみながらの独立
運動の最中で生まれた。この交響詩に歌詞をつけたのがフィンランディア
讃歌で、フィンランドの人々にとっては第二の国歌。当時ロシアはこれを
演奏禁止にしたという。
シベリウス学院という音楽大学があり、学費は無料。学生はグランドピア
ノがおいてある部屋で24時間、自由に練習ができるそうだ。
さすが福祉に手厚い国だ。もちろん税金は高いが、人々の暮らしは質素な
がらも週末はみな自分の別荘に滞在してのんびりするという。普通の庶民
が湖畔に別荘を持っているというのがうらやましい。
豊かな生活というのは、多少経済的にきびしくても、働くだけではなく自
分の時間を持てるということだと思う。キノコ採ったり、魚を釣ったり、
読書したりして、ボーッと楽しむ時間があるのが豊かさというもの。
学校も授業時間は短いけど、少人数でゆったり勉強できるから、学力も世
界トップなのでしょう。日本にも見習ってほしいものです。

シベリウスの像
森のきのこ


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コメント 5

ノマド

シベリウスの曲は爆発するけれど、フィンランドの人たちって爆発しない感じ。喜びも悲しみも沈まぬ太陽、明けぬ夜。本当にそうなのか見届けてみたい気がします。しょっちゅうはじけている日本人の生活に疑問を持ってもいいころかも。
by ノマド (2007-05-23 23:47) 

ゆき

フィンランドについてはまだ沢山書くことがあるような気がしますが、いったん終わります。
沈まない太陽というのは思った以上に疲れるものです。それに冬の長い夜は家に閉じこもっているしかありませんね。寒がりの私には大変そうです。一度冬にも行ってみたい気がしますが。
by ゆき (2007-05-24 10:22) 

jmh

「競争しなくても世界一=フィンランドの教育=」という本を読んでから、この国にとても興味を持っていました。まあ、「世界一」ということが価値があるとは思いませんが・・・。
ともあれ、他のヨーロッパの国にも言える事かもしれませんが、「しあわせ」の基準が日本と全く違うと思うのです。米型の、物量的豊かさで感じる「しあわせ」にはそろそろ限界が見えていると思います。私たちはもう少し進化した方がいいですね。
by jmh (2007-05-24 23:38) 

ゆき

jmhさん、
>「世界一」ということが価値があるとは思いませが・・・。
まったくです。そういう発想からして貧しいですね。日本の子供の学力低下を言い出したのは政府ですが、学力の意味がわかっているのかどうか・・? 学力というものを(何かのテストの平均点)を数字で並べて順位付けしてみて、それに何の意味があるか・・? 
また、自分の時間が持てないようでは「しあわせ」とは言えませんね。長時間労働なんとかなりませんかねえ。労働基準局は何をしているのでしょう。
by ゆき (2007-05-25 12:28) 

herosia

日本人のお祭り好きはもう古来からで、重力よりも重いのかもしれない。でも江戸時代の宵越しの金は持たないっていうのも潔い幸福であったのか。長屋的な高福祉時代だったのか。研究する価値は高いね。
by herosia (2007-05-26 23:11) 

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