動物とのコミュニケーション [雑感]
「悲しみの声が聞こえる」ニッチ・マッケイ著
馬が好きな人なら誰でも、自分もニッチ・マッケイみたいになりたいと思うのじゃないだろうか。
馬と会話ができる、それも普通の人よりずっとずっと深い会話ができる・・それがニッチ・マッケイ。馬だけではなく、どんな動物とも気持ちを集中させると会話ができるニッチは、動物好きにはあこがれの存在だ。
動物の気持ちを読む能力というのは誰もが少しずつは持っている。
愛犬が今何をしたいのか、愛馬が何を要求しているのか、動物と関わっていると自然にいろいろわかるようになる。
ニッチはその理解力が並外れて優れている人なのだ。そういうのを『天賦の才』と呼ぶのだろう。
最近、そういう『天賦の才』のない人間でも、感覚をとぎすまし一生懸命に動物の声に耳を傾けようとすると、今までぼんやりと感じていたことがもっとはっきり感じられるようになるのではないかという気がしている。
「動物の気持ちははっきりとはわからないもの」と、簡単に決めてしまったらそれで終わり。
あきらめずに、もっと良く聞こうとするならば、動物の声も聞こえてきて会話ができるような気がする。
この間、引退した競馬馬とかなり長く話しをした。
「最近はどう?」「ここにはもう慣れた?」という挨拶から始まり、「競馬時代はつらかったね、特に障害競馬は苦しかったね・・」とか、「もうあんなに無理して走らなくてもいいんだよ、ゆっくり楽しく走ればいいんだよ・・」などなど。
しばらくすると、馬は耳を傾けるような仕草、時々あいづちをうつように頭をコクンコクンと下げる。そして、鼻面を伸ばしてきて私の手を触っていた。
なんか話が通じたように感じた。
こういうのは、興味の無い人には「ただの思い込み」と片付けられる。
馬と話をしている気になっているだけ。馬がうなずくように頭を上下させたのは何か食べ物でも欲しかったからだろう・・と。これが一般的な受け止め方。
たまに、自分と同じように、動物とは一生懸命話そうとすればより深い会話ができる、と思う人がいたらそれはすごく嬉しい。
ニッチ・マッケイの本は私が夢見る世界が書かれている。
猫というのは身近にいながらわかりにくい所がある。
猫のジッと見つめる神秘的な目からは、なかなか感情を読み取れない。猫にはどこか超然としたところがある。人のために働いたりしないし、あまり鳴き声も立てない。
一生懸命に話しかけてもはかばかしい返答が返って来ない。
猫でもわりとよく鳴く猫はちょっとはちがう。何かにつけて声を出す猫とは、会話にも張り合いが出る。でもいくら長々と話をしても、何を言っているのかサッパリ伝わってこないと、ちゃんと日本語で話してくれたらな〜、とため息が出る。
小鳥(野鳥)はよくさえずるから、会話しやすい。できるだけ小鳥の鳴き声を真似して話しかけると返事が返ってくる感じ。でたらめに鳴き真似せずに、言いたいことを頭に思いうかべて(「こんにちは」「気持ちのいい日ですね」「「何してるの?」とか)鳴き真似すると、会話が続くようである。
散歩途中に電線に留まったシジュウカラに、感情をこめて一生懸命口笛を吹くと、シジュウカラもどんどんさえずる。何度も何度も繰り返していると他の鳥もやってきて見物している。
だけど5分以上も口笛を吹くとすっかり疲れてしまい(鳥たちはさえずるのが得意なのだからかなうはずない)、すごすごとその場を立ち去った。
犬は目で物を言い、身体全体を使って感情を表す。人間にとてもわかりやすい表現方法を持っている。
馬は犬のようには感情を表さないように見えるが、それは、人が犬に対するように馬に向き合わないということもあると思う。
馬の大きな眼、長い首、息づかい、大きな耳・・はとても雄弁だと思う。ただしこちらが無関心ならば相手から積極的な感情は伝わって来ない。
「馬は道具だ」と人が思っているならば、「道具」としての役割を果たすだけである。そういう存在でいる所が不思議である。
実際、普段から人によく話しかけられている馬とあまり話しかけられていない馬は、顔の表情も微妙に違う。
話しかけられたことがない馬に話しかけると、ちょっとおどろいたような顔をする。人と馬との間にあるベールが一瞬取り払われるのだけれど、すぐに馬はまたベールの向こうに行ってしまう。
毎日根気よく会話を試みているうちにだんだんと人と話す馬になってくる。
雑食である人と動物の関係にはややこしいものがある。
人は、食肉になる家畜と会話をすることを自然に避けるようになる。そうしなければどうして牛や豚や鶏の肉を食べたりできるだろう?
どんなに牛の子供が可愛くても名前をつけないのは、人と牛との間に一線を引くため。
目をつぶらなければならないことはあまりに多い。<何も見えない、何も聞こえない、感じない>ふりをしていなければ、スムーズに生きていけない。
(猫同士のコミュニケーション)
両方とも雄なのでライバル意識が強く、食べ物を前にするとケンカになったりするけれど、寒いときは仲良くくっついて寝ている・・が、実は葛藤がある。茶トラは本当は右側に寝たいのです。
2011-11-10 21:07
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