地獄谷野猿公苑 [旅行記]
10年ぶりくらいに訪れた地獄谷の野猿公苑(7月中旬)
山ノ内町の上林温泉から徒歩30分。地獄谷に通じる道は、杉林に囲まれほの暗くひんやりしている。これは昔も今も変わりない。真夏でも涼しいので歩くのが苦手な人や小さな子供でもとても歩きやすい。
ちょっと疲れたな〜と思う頃、目的地の地獄谷温泉に到着する。ここには何度も来ているけれど、来るたびに子供の頃の記憶より、狭くなっている感じがする。(もちろん錯覚なのだが)
地獄谷の楽しみは何といっても「ちまき」で、旅館に併設された茶店で、笹にくるまれたたちまきをきなこにつけて食べるのがうれしかった。今回はおみやげに。最近は食べ物の幅がどんどん広がっているので、ちまきなどは、今となってはどうということもない食べ物になってしまった。こうやって物に対する昔の感動がどんどん薄れていくのが寂しい。
猿は茶店付近にはいなかった。向かいの山の野猿公苑で餌付けをしているので他の場所にはあまり来なくなったのだろう。人がいる所に猿がたくさん集まって来るよりは安全かもしれない。私の知っている人で中学生の頃、通りすがりに猿に咬まれ、けっこう深い傷だったのを覚えている。
せっかく来たのだから猿も見ておこうと野猿公苑に行った。
こちらの山には猿がたくさんいて、ぱっちりした目を見たとたん、動物好きの私は「こんにちは〜」と声をかけた。猿はとりつく島がない不思議な表情。
入り口近くに注意書きの看板があり、そこには、
「猿は人の言葉はわかりません。親しげに話しかけたり目をみたりしないで下さい。馴れ馴れしい態度を取ると、猿は『攻撃』と感じてしまうので危険です。」
「食べ物をやらないで下さい。食べ物を与えなければ猿は人間に興味を持たず、人間に無関心になります。」
というようなことが書いてあった。
前に本で、野生の象を見に行き、象に出会って嬉しさのあまり「ハロー」と呼びかけたら、象が怒ってすごい勢いで追いかけて来てもうダメかと思ったという話を読んだ。人間は象を見たいと思っているが、象の方では人間に会ってうれしい、とか思うわけはなく、そういうことに気づかなかった不注意さがまったく愚かだったと書いてあった。
これは自分に当てはまりそう!動物好きは注意しなければ・・。
犬や猫などのペットに対するときと、野生動物に対するときとは、区別をしっかりつけて接しないと危険な目に遭う。
でも、犬や猫でも、いきなり「可愛い〜」などと近づくのは止めた方がいい。中には神経質な犬猫もいるので。(私は動物は好きだけれどそういう点は慎重で、少しずつ動物との距離を縮めていきます)
さて、野猿公苑には猿の写真を撮ろうと大きなカメラを持った人がけっこういた。中にはやはり物好きな人がいて、猿に接近し、目を合わさないようにして猿の横にピッタリ座っていた。
目を合わさず猿と並んでジッとしている姿は、猿が二匹並んでいるように見え、ちょっと可笑しかった。
子猿はとても可愛いです
以前から雪の中で温泉に入って暖まっても、そこから出たらすごく寒いんじゃないかと気になっていたが、「猿の皮膚は保温性がいいので風邪はひきません」と説明書きがあった。
温泉の中で遊ぶ猿は、泳ぎながら追いかけっこをしたり、相手を水の中に引っ張り込んだり、人間の子供そっくり。
動物園は人が檻の中から動物を見るのだけれど、野猿公苑は、猿が住む場所に人が入っていく感じなので、ちょっと緊張した。
* 何年か前、アイルランドに行ったとき、ダブリンの町の公園で、この「温泉に入る猿」の大きな写真を見て、こんなところに地獄谷の猿の写真?とびっくりしました。
世界自然保護基金WWF の看板で、巨大な動物写真のパネルがたくさん設置されていてその中にJIGOKUDANIの写真がありました。(アイルランドは自然保護に力を入れているそうです)
遠く離れた外国で見る故郷の写真には、特別な感慨がありました。
ダブリンの公園で見た巨大なWWFの看板
2012-08-09 17:34
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コメント(3)
地獄谷には、お母さんとお父さんは行ったのですが、私はまだ行ったことがありません・・・・。今度行きたいなぁと思っています。
猿に声をかけちゃいけないことを私は知らなかったです。猿は凶暴な生き物なんでしょうか?
by あさひこ (2012-08-11 10:29)
そういう注意書きがないとみんながやたらと猿に近づいて危ないのかも。猿だけでなく、野生動物には、人間の都合でうかつに近づくのは止めた方が良さそうです。
馬や牛は生まれたときから人のそばにいるのでちょっと安心ですね。
by sachat06 (2012-08-11 22:41)
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書 (2014-08-06 06:46)