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ダニエル・ハーディング/マーラー・チェンバー・オーケストラ [音楽]

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(2013年6月15日  軽井沢大賀ホールにて)

ダニエル・ハーディング指揮 /
クリスティアン・テツラフ  ヴァイオリン
マーラー・チェンバー・オーケストラ

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<プログラム>
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』


プログラムノートから抜粋すると、

<マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)について>

1997年クラウディオ・アバドの援助のもとで、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団の旧メンバー有志によって結成された。今年は16周年。(ちなみに、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団は1986年にクラウディオ・アバドにより設立された。団員資格は26歳以下であり、ヨーロッパの25都市で毎年オーディションを開いている。)
つまり若き演奏家の先鋭たちによるオーケストラであり、世界最高峰のオーケストラの一つと賞賛されている。
特定の年に帰属せず、ツアー型の常設団体。
正団員は45人、ヨーロッパの諸都市に住み、20の国籍からなる多彩な顔ぶれ。日本人としてはオーボエ奏者の吉井瑞穂さんがいる。
年間200日間、世界のコンサートホールや音楽祭で演奏活動を行っているという凄いオーケストラだ。軽井沢に来る直前まで、一週間オーストラリアでのコンサート活動だったそうで・・。


<ダニエル・ハーディングについて>
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1975年イギリス生まれ。音楽高校生の頃からサイモン・ラトルのアシスタントを務め、19才でバーミンガム市交響楽団の指揮でプロデビュー。21才でベルリンフィルでのデビューし、世界の有名なオーケストラの首席指揮者、音楽監督を歴任。(書ききれません)
現在は、スェーデン放送交響楽団の音楽監督、ロンドン交響楽団首席客演指揮者である。
日本では、10、11年シリーズから新日本フィルのmusic Partner of NJP に就任している。日本びいきで、あの2011年3月11日にもコンサートを中止せず、マーラ5番を振ったという話は話題になった。
2012年4月より長野県の軽井沢大賀ホールの芸術監督に就任している。

私がはじめてダニエル・ハーディングの指揮を見たのは、2007年4月ロンドン交響楽団のマーラー5番(このときハーディングは32才)、そのあと2008年2月東京フィルハーモニーのマーラー6番、12月新日本フィルの『新世界より』だった。
あれからもう5,6年になるが、今年が38歳、相変わらずまだ若いのである。
すごい経歴の持ち主のため年令というものを超越している。
素顔のハーディング氏はほっそりと華奢な体型で、一体どこからあんなエネルギーが出てくるかと不思議になる。


<クリスティアン・テツラフについて>
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ドイツ出身。
ソリストとして、スェーデン放送響、バイエルン放送響、ベルリンフィル、パリ管、ニューヨークフィルに客演し、現代を代表するヴァイオリニストの一人である。
CD分野では、代表的なヴァイオリン協奏曲を全て録音し、その多くが批評家賞を受賞している。
6月22日、サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルのヴァルトビューネ・コンサート(野外コンサート)ではメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏予定。


さて、運良くチケットが取れたけれどA席(ダニエル・ハーディングとMCOの組み合わせで1万円とは、破格の安さ!)で、一階の前から3列目の真ん中の席だった。
座ってみて「ちょっと近すぎるんでは・・」と不安になった。
指揮台から3,4メートルしかない。

(一部 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61)
 
演奏が始まると、座席があまりにも間近なため、テツラフの奏でるヴァイオリンの音が耳元を直撃し、ピアニッシモからフォルティッシモまでものすごく生々しかった。
不安的中か、と思ったけれど、人の耳はうまく適応し馴染んでいくようにできていて、途中からは生々しさも気にならなくなった。
巨大なホールでない限り、音は後ろの席の方がまとまってきれいに聞こえるし、2階席の正面なんかだと本当にきれいに聞こえる。

そうは言っても、指揮者というのはもっと演奏者に近いのだから、この近さで私が聴いている音が、ハーディングが聴いている音なのだ、と思った。
テツラフはすごかった。耳元で超一流の演奏を聴くというのはなんとも不思議な体験だったし、疲れた。


(二部『新世界より』)

『新世界』を生のオーケストラで初めて聴いたのは、2002年、横浜のみなとみらいホールでのこと。
イヴァン・フィッシャー指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団だった。
『新世界』は、中学校や高校の教材に使われているし、「家路」のテーマはあまりに頻繁に聞くため、コンサートで聞いてみようとは思わなかった。
ところがこのときのブダペスト祝祭管弦楽団の演奏で目が覚めた。

その後は、CDでたまに聞きたくなる曲の一つになった。
今回は2002年以来の生オケの『新世界』。

ハーディングの「魔法の手」は、ますます磨きがかかったようで、ほとんどリズムというものを刻まず、まるで筆で自由に絵を描いているようだった。真似しようにもどうにもできないのであった。
描かれる『新世界より』は、やはり感動的だった。
聴けて良かった、と思った。



(追記)
6年前の東フィルのマーラー6番のコンサートの翌々日、ダニエル・ハーディングのトークショーがあり、わざわざ池袋まで出向いた。クルーネックの紺のセーターを着たほっそりした熱意にあふれた若き俊英の姿はけっこう印象に残っている。
指揮法を説明するのに「みなさん、乗馬をやるときのことを考えてみてください」と・・。会場のトーンがなんか静まった。(乗馬なんて、日本じゃあまりやらないんもので・・)
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