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ツバメの話 [diary]

巣から落ち、馬厩舎の入り口でウロウロしていたツバメ。
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(「ツバメの子、そこのけそこのけお馬が通る」)

思わず拾い上げてしまいましたが、片方の翼が折れていて、巣に戻してもどうにもならない様子。ヒナのうちは親も餌を運びますが、巣立ちの時期になればもう親は餌は運ばず、飛べないツバメは餌を取れずに死んでしまうでしょう。
後で知ったことですが、巣立ちをむかえ自分で餌をとるようになり、成鳥となり、渡りのときをむかえられるツバメは13パーセントくらいだそうです。

ツバメを世話してくれそうな人の顔を思い浮かべながら、とりあえず家に連れて帰ることにしました。
とても賢い子で、歩いているとき私の指に落ちないようにしっかり止まり、車の中では助手席にちゃんと動かずに座り、まるでペットとして飼われていた鳥みたいでした。
(自分の運命を知っていた?)

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うちには猫がいるのでそれが一番の難関。
その日は、果物籠に入れて高い所につるしました。
( 猫にもツバメにもストレスを与えずに少しずつ慣らさないと)

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IMG_3083.JPGIMG_3059.JPGツバメがほしいよ〜


(翌日)この果物籠、気に入ってくれたようです。
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ベランダに出すと、さっそくヤマガラ君が興味津々で近づいて来ました。
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結局、飼ってくれる人が見つからず、埼玉に猫と一緒に連れて帰ることになりました。
4時間半のドライヴは大丈夫だろうか?と心配でしたが、ツバメは途中で餌を食べたりして、まったく平気でした。
考えてみれば、ツバメは平均時速40~50キロで飛んでいて、最高時速は200キロにもなるそうです。小さな身体で時速200キロというのは並外れた飛翔力、平衡感覚はずば抜けているはず。車の揺れなどなんでもないのでしょう。
渡りのときは、あの小さな身体で5000キロも飛ぶわけで・・。

(埼玉)
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ここが今日から暮らす場所。
幸い、ここも樹が多くメジロやカラ類がたくさんいます。蝶やトンボや小さな虫も飛んでいます。目がいいので動くものを追って忙しい。
飛んで捕まえたいだろうね。

さてしばらく元気に過ごしていましたが20日ほど経つと、目がふさがってきてしまいました。始めは片方の目、あっという間に両目ともふさがり、悲惨な姿になってしまいました。
ツバメのような野生の小鳥を育てるのは大変むずかしいそうで、どうしても栄養が偏るため目がつぶれたり、後頭部の毛が抜けてしまったりすると聞いていたけれど、まったくその通りになってしまいました。
大急ぎで近くの病院に連れて行きました。
「小鳥のセンター病院」
院長先生は「日本生態系保護協会」の会長さんです。

体重を測り、聴診器をあてられ、注射をしてもらいました。
ミルワームを食べさせたのが良くなかったそうで、すり餌に変えるように言われました。このすり餌というのがやっかいで、食べさせようと箸でつまんで口元に持っていってもツバメはまったく口を開いてくれません。
ミルワームは箸で食べさせたり餌台に置けば自分で食べてくれたので、ほとんど手がかかりませんでした。
すり餌を見せても口を開けないため、くちばしを指でこじあけて餌を入れるしかありません。
そうやって無理矢理に食べさせ毎日注射に通ったら、3日目あたりから目が開き始め、4日目にはぱっちり開きました。

ツバメの体重は、通院一日目11グラム、二日目12グラム、三日目13グラム。
「確実に増えていますね」と言われたのですが、そのあとはどうしても増えません。
体重計を買い、毎日体重測定をしてため息です。

めざせ14グラム!
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ご馳走がずらっと。


猫とは問題なく良い関係になってくれました。

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始めのうちはツバメを必ず猫の上方においていましたが、だんだん同じ平面にいても平気になりました。
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今では水を分け合う仲に。
(いちいち水を取り替えるのがめんどうですが、猫はどうしてもツバメ用のグラスの水を飲みたがります。)

ツバメは朝8時頃に起き夕方6時にはもうお休みタイム。お休みタイムに入ると、明かりを点けても物音を立てても、おとなしく寝ています。
初めてツバメを連れ帰った日、「ツバメというのは、なんとつましい存在だろう」と感嘆しました。何も要求せず、ただ静かに自分の運命を受け入れている、という感じが、逆にすごい存在感で、
手のひらに乗せると、あまりにも軽くて暖かい。(ハウルの心臓ってこんな感じだったのかな〜と思います。) 
ピーちゃん、と呼んいますが、名前がピーではあまりにも安易な感じ。
立派な名前をつけてやろうといろいろ考え、
「幸福な王子」の作者オスカー・ワイルドにちなんで、オスカー、そこに愛称のピーが入るようにすると、オスカー・ピーターソン。(あ、ピアニストの名前だ〜)、「幸福な王子」だからハッピーでもいいか・・などなど

なかなか決まりません。

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ツバメの環境は25度以上にするように言われました。
この冬をがんばって乗り越えないと。。


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コメント 4

ayu15

よく撮れてますね。燕の子てほんとみないので。
by ayu15 (2015-01-01 21:41) 

sachat06

ツバメと間近にいられるなんて本当に得難い経験でした。
小さいのに大きな存在感は、渡りをする野鳥ならではでしょう。
by sachat06 (2015-01-02 22:34) 

ほいみん

初めまして。
私もツバメを拾いましてもうすぐ2ヶ月になり、特に餌について色々毎日悩みが尽きません。。

ツバメさんは練り餌で飼育したミルワームを与えることで、健康で長く生きられたかどうか、よろしければ知りたいです。
by ほいみん (2018-09-16 00:01) 

sachat06

ほいみんさん、はじめまして。
ツバメさんのお世話大変ですね。家のツバメは11月末に死んでしまい大変ショックを受けました。
市販のミルワームは栄養が偏り目が潰れたりします。うちのツバメもそうなり、直すのに苦労しました。医者には小鳥の餌と子猫用のキャットフードを混ぜて練り餌を作って与えるように言われました。ミルワームはおやつとして少しだけなら与えてよいということでした。完全に手作りの練り餌で育てたミルワームなら大丈夫だそうです。
私は心配なので練り餌中心、ミルワームは手作り餌に変えてしばらく経ったものをおやつとして与えていました。
ツバメの世話はとても大変だと思いますが頑張ってくださいね!
by sachat06 (2018-09-18 23:22) 

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