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シルヴィ・ギエム ファイナル公演 〜ボレロ〜 [芸術]

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12月10日(木)相模女子大学グリーンホール 19:00 〜 21: 00

(プログラム)

《イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド〜東京バレエ団初演〜》

振付;ウィリアム・フォーサイス 
音楽;トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
演出・照明・衣裳;ウィリアム・フォーサイス
振付指導;キャサリン・ベネッツ

上野水香 奈良春夏 柄本 弾
河合眞里 川淵 瞳 入戸野伊織 二瓶加奈子 原田祥博 三雲有里加

《 TWO 》

振付;ラッセル・マリファント
音楽;アンディ・カウトン
照明デザイン;マイケル・ハルズ

シルヴィ・ギエム


《 ドリーム・タイム 》

振付・演出;イリ・キリアン  振付助手;エルク・シェパース
音楽;武満 徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)
装置デザインおよび衣裳デザイン;ジョン・F.マクファーレン
照明デザイン;イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作)
技術監督、装置・照明改訂;ケース・チェッベス

吉川留衣 川島麻美子 政本絵美 松野乃加 岸本秀雄


《 ボレロ 》

振付;モーリス・ベジャール  音楽;モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム

梅澤紘貴 森川茉央 杉山優一 永田雄大



シルヴィ・ギエムが今年で引退と聞き、必死で取ったチケットが神奈川県の相模女子大グリーンホール。
前回見たギエムの『ボレロ』は2005年12月15日、これは千葉市川市で。(もう10年も経ってしまった)
少々遠くてもチケットが取れるならチャンスは逃したくない。

S席で2列目の34番という坐席で、ギエムをものすごく間近に見ることができ本当にラッキーだった。
ホールによってはあまりに前だとステージの縁が視界を遮ることもあるけど、グリーンホールは大丈夫だった。

《イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド》
かなり長い作品でハードなもの。舞台いっぱい使ってダンサーが動くのでやはり近いと目で追うのが大変だった。
でも、東京バレエ団はすごかった。日本のバレエはどんどんレヴェルアップしている。(バレエに限らず、「表現」というものが常に進化し続けているということなのだろう。)

《TWO》
カーテンが開き、暗闇の中にぼんやりと、ギエムの姿が浮かび上がっている。大きい。
照明がまずギエムの手を浮かび上がらせ、そして徐々に徐々に全体像が現れる。
女神としか言いようがない、ギエムの姿。
音楽に合わせて動くギエムの背中や腕の筋肉の一筋一筋が見える。
生命を持った彫像とでも言ったら良いか。
赤味を帯びた照明が、くるくる動くギエムの手がまるで扇がひらひら舞っているような効果を出している。足先も大きな円を描く。
ギエムが創り出す人間の身体の最高の美。

「ブラボー!!」の歓声に応えてカーテンの間からするりと現れたギエムの笑顔は、これまたとびっきりの美しさで、観客からは「キャー!」という悲鳴かため息か・・。
本当に、本当にこんなにステージに近くで見られる幸運を感謝!

《 ドリーム・タイム 》

いつも聴いている馴染みの深い「武満 徹」の音楽なので、とてもリラックスして舞台の雰囲気全体を楽しむことができた。
音楽とバレエ(舞踊)は固く結ばれているので、音楽が自分の好きなものであるということは嬉しい。

《 ボレロ 》

これが見納めだと思い、半分は悲しみながら舞台に見入った。
「ボレロ」はジョルジュ・ドン、そして20世紀最高のプリマと称せられたマイヤ・プリセツカヤが有名だ。マイヤのビデオを持っているが、40代のマイヤ・プリーセツカヤはそれは美しく、ビデオの映像からでさえ最高のオーラを放っている。
ギエムがその二人に並び立つ。

ギエム一人に目を奪われて「ボレロ」は終わった。
何度も何度ものカーテンコール。
みんな総立ち。カーテンの前のシルヴィ・ギエムから私の間はほんの3mほどしかない。
1列目の人たちが花束を持って駆け寄っている。「そうか、この席は花束を渡せる席だったか」と思ったけれどもう遅い。
でも何度もコールに応えて姿を見せてくれるギエムの足元まで駆け寄った。
(一生に一度だからね、もう恥なんか捨てて・・)
そして、なんと握手までしてもらえた。しっかりと・・!
ほっそりとしなやかな手だった。

夢のような夜。わざわざ神奈川まで行って本当に良かった。
すごいものを観たり、聴いたりすると、ふだんの生活のつまらない悩みだの不満だの、すっかり消えて新しく蘇ったような感覚が湧いてくる。

この夜が「幻だった」と、終わらせないために、今週の金曜日12月18日に、再びギエムの公園を観に行く予定になっている。
今度は東京文化会館。2週続けて贅沢すぎるのでは・・?という気もしたけれど、ファイナルは一回では心の中で完結するのは難しい。
今度はステージからは離れた席でギエムの姿をしっかり目に焼き付けて来ようと思っています。

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