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アンサンブル・ノマド結成20周年記念コンサート《饗宴》2017.9.23 [音楽]

アンサンブル・ノマド結成20周年記念コンサート《饗宴》
メンバーによる協奏曲集   第一回目(第59回定期演奏会)
            〜 20世紀の華 〜


2017年9月23日(土)16:00  東京オペラシティリサイタルホール

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アンサンブル・ノマドのコンサートを初めて聴きに行ったのは一体いつのことか、はっきり覚えていないほど前のことで(1999年頃?)、多分結成して間もない頃だと思う。
以来毎年、機会があれば聴いてきた。
いつ聴いても活力が溢れる瑞々しい演奏にびっくりさせられ、ノマドの演奏を聴いた後は、いわゆるクラシック音楽というものが、なまぬるい音楽に思えてしまうのだった。

今年は、アンサンブル・ノマドの20周年記念コンサートを「最優先する」と決め、
9月23日、その記念コンサートの第一回目、気合いを入れて聴きに行ってきた。

<プログラム>

P.ヴァスクス:遠い光(1990~97)
        ヴァイオリン:野口千代光

M.フェルドマン: ヴィオラ・イン・マイ・ライフ Ⅲ・Ⅰ・Ⅱ(1970)
        ヴィオラ:花田和加子

I.クセナキス:エオンタ(1963)
        ピアノ:中川賢一

武満 徹:波:ウェイヴス(1976)
        クラリネット:菊池秀夫

1曲目のヴァスクス《遠い光》は本当に美しい曲だった。ヴァイオリンの野口千代光さんの演奏を、こんな風にしみじみ聴いたことがなかったのでとても感動した。風のような、木枯らしのようななんとも言えない音・・ヴァスクスってすごい作曲家だと思った。バックの弦楽器の豊かな深みのある演奏は、クラシック音楽の精緻という気がした。

2曲目のフェルドマン。とても少ない音で独特の世界を創っていた。
林のような静けさ。実際は、静まりかえった林というのは完全な無音で、その中にいると少し居心地が悪い。風でもちょっと吹かないかと思ってしまう。そういう静けさをこわすことなく花田和加子さんのヴィオラと他の楽器が控えめに音を奏でる。
(花田さんは今夜もいつものように受付でチケットを扱っていた。日常からフェルドマンの世界にす〜っと入っていける人なのだ。すごいことだ。)

3曲目は、クセナキスの《エオンタ》。ガラスのような繊細さとものすごい強さを持ったピアノの音を聴いて、ああ中川さんの音だな〜と思った。中川賢一さんのピアノと、トランペット、トロンボーンの掛け合いは、構成がとても面白く演奏も素晴らしかった。これはジャズより面白くて格好良いなあと、浮き浮きしながら楽しめた。

4曲目、武満徹の《ウェイヴ》。どこを聴いても武満徹だとわかる。
武満徹の曲は、緊迫感のある曲でも茫洋とした曲でも、均衡がバチッと取れているのが特徴かと、改めて思った。聴きなじんでいるせいか私にとってはアットホームな感じでゆったり聴けた。菊池秀夫さんのクラリネットの音はたっぷりしていて、いつもながら、聴いているとなにか治療を受けているような(つまり癒されている・?)気がする。

というわけで、
アンサンブル・ノマド結成20周年コンサートの第一回目、本当に良かった。
こういう音楽を田舎の人たちにも聴かせてやりたい、粗野な中高生や、日々過酷な労働をしている人たちにも聴かせてやりたいなあ、と思った。

アンサンブル・ノマドの音楽は「音楽」という一つの世界の壁を壊して、外の世界に目を見開かせるようなところがある。
この特質は、とても意味深いと思っている。


20周年コンサート第二回目は、

2017年10月20日(金曜日)19:00〜 東京オペラシティにて

(聴かないと絶対に損です。)


*今回のプログラムノートはそれぞれの演奏家が曲についての思いを書かれていて豪華版です。
また結成以来の公演記録が立派な冊子になっていてとても嬉しいです。ゆっくり記憶を辿ってみたいと思っています。


*アンサンブル・ノマドの20周年記念のTシャツを買いました。
ヴァイオリンの甲斐史子さんのデザインで、素敵です。白と黒の2色、どちらにしようか考えたけど、次は5年後か10年後になってしまうのかと思い、2枚買いました。すごく気にいっています。

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