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松代〜真田十万石祭り2011 [旅行記]

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10月9日、松代の真田十万石祭りを見物に行きました。
松代には親戚がいて子供の頃は毎年松代を訪れ、従兄弟と象山神社でよく遊んだものですが、なぜか真田祭りは見た記憶がありません。
大体が「祭り」には行かない方です。たまたま出くわすとけっこう面白いと思ったりするけれど、人がにぎやかに集まるような所には基本的に近づかない主義(でした?)。

松代は20年ぶりくらい。88歳の叔母が元気なうちにと、今回は思い切って「真田十万石祭り」にぶつけて出かけました。
わざわざ祭りに合わせたのは、大名行列を観るため。飯綱ライディングクラブの馬も毎年参加しているので、いつも見ている馬が着飾って衆目の中を歩く姿を見たかった。

10月8日、9日と二日間の祭り、10日昼頃から松代城趾にて出陣式があり、一時に大名行列が出発。真田幸村という名前はけっこうなじみが深く、真田十勇士というのは子供の頃、小説や漫画でかなり子供に人気があったと思います。
この日は秋晴れで、城跡の松が青空に映え、映画の時代劇そのままに色鮮やかな雰囲気でした。

(出陣前)
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俳優でなくても日本人てこういう格好が似合ってしまうみたい。

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鉄砲隊(火縄銃)

(行列の始まり)
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毛槍を持った奴さん。江戸時代には「奴」は今でいうアイドルみたいな存在だったらしいですが、確かに人を惹きつける何かがあります。

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いよいよ馬の登場。先頭はダイワジニアス。馬を引く二人は飯綱クラブの会員さん。なんだかこのままで本当に戦国時代の人みたい。似合いすぎ・・・

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この方が真田家の14代目の当主(現在東京にお住まい)だそうです。

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木曽馬のユウキは小柄ですが馬飾りはやはり良く似合っていました。

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ブラットンも落ち着いていました。写真を撮っているときに近くにいた方が親切に行列の説明をしてくださったのですが、何しろ私は馬の追っかけなので、乗っている方については記憶がおぼつかないのです。


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芦毛のサン。乗るのは難しいところがある馬だけれど、こういうのは大丈夫なんですねぇ。

楽しい見物でした。でも行列の静々とした進み具合に合わせて馬を歩かせるのは大変だったでしょう。

帰りに文武館に立ち寄り、昔のままの広い座敷や道場を見学しました。
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剣道場の床は見事にすり減っていて磨き上げられ、生きた歴史を感じる空間でした。
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戸隠高原(2)〜紅葉に初雪 [旅行記]

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戸隠キャンプ場から見る戸隠連峰

ほんの一ヶ月ちょっと前、関東ではまだ真夏日だったりしていましたが、山ではあっという間に秋になり冬の気配が近づいて来ました。
10月26日の夕方から長野の山沿いでは初雪が降り始め、翌朝27日はうっすらと雪化粧。
翌日は午前中は曇りでしたが、午後から晴れて紅葉と初雪を同時に楽しむという贅沢を味わうことができました。

戸隠牧場は冬は営業はしていないようですが、牧場の馬たちを見ることができました。雪が残る草原で4頭が昼寝をしていました。

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戸隠牧場

戸隠高原には「鏡池」という風光明媚な池があります。本道から東の方に入っていくと「鏡池」です。紅葉に初雪だというので、カメラを持った人が大勢いました。ここはその名の通り、いつも水面が静かで対岸の戸隠連峰を鏡のように映し出して、とても幻想的な風景です。人気が少ない夕方は特に神秘的ですが、人がいようといまいと、山の威容はたいしたものだといつも感激します。

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戸隠連峰を映す神秘的な鏡池

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9月にカモを見かけましたが。やはり姿がくっきり水面に映っていました。

初雪の後のつかの間の晴れの陽差しが見せてくれた風景でした。雲が山の上にいてなかなかどいてくれない。青空はすぐその上に広がってるので、青空を背景の山も見たいとしばらく待っていましたがなかなか雲が切れずあきらめました。

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戸隠高原(1)〜戸隠牧場 [旅行記]

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戸隠神社は最近CMになったりパワースポットと紹介されたりで、けっこうな賑わいです。パワースポットという意味はよくわからないけど、そういう場所に行くとエネルギーが身体に入ってくるとでもいう意味でしょうか。
パワースポットなどと言われなくても戸隠はとてもいい場所です。
ソバがおいしいし、高原の空気がおいしい。戸隠神社の杉並木、隣接する戸隠自然公園の中をゆったり歩けば、心身がリラックスしないはずはありません。

神社の奥社をちょっと過ぎた所に戸隠キャンプ場があって、ここは野鳥の宝庫です。以前良くキャンプをしたけど、朝、夕と実にさまざまな野鳥のさえずりを聞くことができます。風景はもちろん素晴らしい。

この戸隠キャンプ場の隣に戸隠牧場があります。
今まで何度も牧場近辺に来たことがあるけど、それで十分満足してしまい、牧場の中に入ったことはありませんでした。

9月終わりのある夕方、小雨の合間をぬって戸隠牧場に入ってみました。入場料は大人250円。牧場は天気のせいか時間が遅かったせいかのせいか人影がなく、広々と牧草地が広がり、霧の中に馬が見えました。かたまってたたずむ馬の姿、駆けっこをしている馬の姿・・とても幻想的でした。
そのうち、遠くにいた馬たちがぽっくりぽっくり柵に近づいて来ました。
ここの馬は広々した場所で放牧されているためか、おっとりしていてしかも人なつこい。鼻筋をなでてやるとじっとされるがままで、自分も撫でてもらおうと近寄って来る馬もいました。
ここの馬はポニーですが、こんなにきれいな毛並みの馬はあまり見たことがありません。グレイの毛に銀色のたてがみ。茶色の馬のたてがみは人間が髪染めをしたみたいに、毛元が黒で全体は金髪。いつまでもいつまでも馬の側にいたい感じでした。

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牛も放牧されていましたが、こちらは遠くのほうで近寄っては来ませんでした。
それからヤギ、うさぎなど・・。

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広々した牧場は北海道みたいで、とても気に入りました。
子供から大人までゆったりと楽しめる場所です。
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北海道〜釧路湿原〜 [旅行記]

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一ヶ月遅れの日記。8月の北海道の写真です。

北海道は実に20年ぶり。いつでも行けると思うとかえって行かないまま月日が流れている。行きは釧路空港へ、帰りは新千歳空港からというルートだった。
釧路空港着は午後の2時45分。昼頃出たのにもう北海道なんてうれしい。これが外国なら延々と飛行機のを堪え忍ばなければならないのだから。まず空港近くの釧路湿原展望台へ行った。ここの風景だけでもう日常をはなれたすがすがしい気分。
なんと広々していることか・・日本にもこんな場所があったのか、と思う。ここはスイスに似ている、イングランドに似ている、フィンランドの雰囲気もある、などと、景色の見事さに嬉しくなった。曇り空にハリオアマツバメがまるで歓迎してくれているように何羽も飛んでいて目を楽しませてくれた。

8月下旬の北海道は昼間は20度、夜間は6〜8度という涼さで。関東で暑さに息も絶え絶えだった私には、本当にありがたかった。地元の人が、今年は、夏は3日間だけだったなと言っていた。
高原や湿原ではまず鳥や動物の姿を探す。たくさん見つけられるところが良い場所なのだ。

2日目、鶴居町のどさんこ牧場のあたりで、立派なタンチョウヅルのつがいを見た。牧草地でゆうゆうえさを食べていて、こんな時期に鶴が見られるなんて今回の旅はついているという期待がわく。鶴が飛ぶ姿は本当に雄大で、また靍の舞いもちょっとだけど見る事ができた。
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後ろに馬が見える。ずいぶん長い時間鶴を見て過ごした。

塘路湖では魚を狙っている立派なアオサギを見た。
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また塘路湖周辺の道路沿いでキタキツネに会った。
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前足の1本をけがしていて、おそらく道路脇でえさをもらっているキツネで、車にひかれたのだろう。路肩に車を止めると何かもらえると思ってか近寄ってきた。こういう姿は痛々しい。北海道では車のスピードがすごくて、野生動物の事故も多いのだろう。もっとゆっくり走っていれば車のほうでも動物のほうでもよけられるのじゃないかな、と思う。
エゾシカの群れにも何度か出会ったが、やはり前足をケガしている鹿がいた。

サルボ展望台の山道で林の中に鹿の群れを見た。鹿やキツネは夕方から行動するので、薄暗くなった頃が動物に会えるチャンスだ。まるでもののけ姫の森の中のようだった。そう言えば北海道は日本の最北端だけど、屋久島に似ているところがある。樹木はちがうが、木と動物の気配に共通点がある。人間界とは別の世界が存在する、ということに心を揺さぶられる。

3日目、カヌーで釧路川を下った。釧路湿原は道路から眺めていては「きれいだね」で終わってしまうが、カヌーからは見えるものもやはり違ってくる。
IMG_0632.JPGオジロワシ
釧路川のカヌー下りでは、オジロワシを見た。堂々たる姿には目が釘付けになった。ものすごく大きい。カワセミもかなり多い。川の対岸の木々の間に鹿の姿を見つけるとこれまたうれしい。野生の世界。自然界に一歩足を踏み入れたような気持ちがする。
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川を下って思うのだが、北海道の川や湖には魚があまりいない。鳥の姿もすごく多いとは言えない。たくさん動物を見たけど、本来こんなものではないという気がする。スリランカの川をボートで走ったときなど、数メートルおきに珍しい鳥や猿が次々とにぎやかに現れて、それを思うとちょっと淋しい気がする。釧路川に鮭をのぼらせたら川の様子もぐっと変わるだろう。漁業組合で鮭を管理していてこの辺りには鮭をのぼらせてくれないのだそうだが、1割ぐらい川を上らせるだけで生物の種類も個体数も増え濃密になり、ナチュラルツアーがもっと楽しくなるだろう。

4日目、襟裳岬に行ってみた。荒涼たる風景。ビュービューと吹いている湿った冷たい風。
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「いつもこんなに風が吹いているのですか?」と食堂の人に聞くと、「これが襟裳岬ですよ。こんな風ふつうです。」と言っていた。岬の頂上の風はまったく人が立っていられないほどで怖かった。アザラシの姿を探したが見つからなかった。あの風の中ではじっくり観察などしていられない。ここで食べたラーメンは海藻が入っていて、寒さのせいもあってとてもおいしかった。

IMGP5693.jpgたくさん見た牧場風景

滞在中毎日こんなにたくさんの動物に会うことができ、今回の旅は本当に幸運に恵まれていた。
おまけに、8月の夜空としては珍しく(8月中のこの日だけだったように思うが)満天の星と天の川まで見れてしまったのだ。


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イタリアへの旅(終)〜花の都フィレンツェ〜 [旅行記]

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トスカーナの田園風景を後にしてイタリアの大都市「花の都」フィレンツェへ。
バスで2時間ほどでフィレンツェの中心に出た。人が多くマーケットが賑わい日本語で客引きをしているのを見て、田舎から大都市に来たという実感が湧いた。

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(マーケットの風景。店頭にどっさり並んだいろいろなキノコ)

フィレンツェ滞在は三日間。何といってもここは美術の宝庫だ。ミケランジェロ、ボッティチェリ、ラファエロ、アンジェリコ・・。
三日間でどこから何を見てよいやら頭がくらくらする。欲張りは禁物。美術館は一日で見られるわけではなく一度にたくさん見たら飽和状態を超えてしまう。
こうなったら有名な絵画だけをピックアップして他はあまり見ないようにするしかない。

というわけで見学場所は、ウフィツィ美術館、サン・マルコ美術館、パラティーナ美術館にしぼり、後はメディチ家、ドゥオーモなど建物を見学することにした。

フィレンツェのチェントロにはウフィツィ美術館、ヴェッキオ宮、シニョリーア広場、ドゥオーモ、ショットの鐘楼はすぐ近くに固まっていて、歩いて見学するにはとても便利だ。
まずはシニョリーナ広場のミケランジェロのダビデ像。これはコピーで本物はアカデミア美術館にあるのだけど、あまりにも有名な像の大きさに圧倒され、コピーで十分という気になってしまう。
DSCN0726.jpgすぐ横で傘をさしているのが私。小さいです。

ウフィツィ美術館はゆっくり見て回ったら一週間はかかりそうだ。美術の教科書に載っているような絵画がずらりと揃っていて、なかなか足が前に進まない。メディチ家所有の作品を集めたのがこの美術館の始まりだという。宗教画はあまり興味はないが、それでもラファエロの「びわの聖母」シモーネ・マルティーニの「受胎告知」やジョットの「王座の聖母」などの作品には心を奪われずにいられない。フランチェスカの「ウルビーノ公夫妻の肖像」なども15世紀の特異な雰囲気が強烈だ。

そして第10室〜14室にあるのがボッティチェリ。ここに「ヴィーナスの誕生」「春」があった。これを実際に目にしたときの感動はちょっと言い表しがたい。いつまでも立ち去ることができなかった。28室のティッツィアーノの「フローラ」「ウルビーノのヴィーナス」の美しさも衝撃だった
これらの作品を見るためにだけでもフィレンツェを訪れる価値があると思う。

サン・マルコ美術館(修道院)は簡素な建物だが、ここにはフラ・アンジェリコの「受胎告知」があた。階段を登ったところに何気なくこの荘厳な「受胎告知」が飾ってあって、その無造作さにかえって厳かな気持ちがした。
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(サン・マルコ修道院の聖アントニーノの回廊)

DSCN0739.jpg(どこでも見かける馬車)

さてイタリアでは一番有名なローマ、ナポリ、ヴェネチアにまだ行っていない。フィレンツェ、シエナだけでこうなのだから、イタリアの文化遺産のすごさは計り知れない。
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イタリアへの旅(5)〜世界遺産サン・ジミニャーノ〜 [旅行記]

DSCN0661.jpgホテルのベランダから
シエナの郊外にサン・ジミニャーノという美しい街があると聞いて行ってみた。
サン・ジミニャーノはトスカーナ地方の田園風景の中にある、中世に栄えたという古い小さな街。
塔が多く「塔の町」とも呼ばれている。13世紀には小さな町に72も塔があったという。(現在は14)ちょうど雨が降っていたが、ホテルから眺める田園風景はわざわざ足を伸ばして良かったと思う素晴らしだった。
DSCN0691.jpg塔の街
DSCN0686.jpg雨の中の街の広場

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どうやってこの美しい田園にこんなにきれいな古い街が保たれるのだろう、とため息が出る。こういう場所がヨーロッパには多い。きたないものがまったく見えない場所・・。この田園風景と石造りの建物に、これまたピッタリ合う猫の姿。絵はがきのような美しさだ。

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ホテルの回りをちょっと散歩するとこんな幻想的な風景が目の前に・・
どうしてこんな風景が生活の場として何気なくあるのか不思議になる。こういう場所に住む人の気持ちは、電線と看板とコンクリートに囲まれている私にはちょっと想像しがたい。
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イタリアへの旅(4)〜誇り高きコントラーダ〜 [旅行記]

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シエナの街の中心カンポ広場で毎年7月8月に開かれるパリオは、シエナの人々にとって熱狂的な行事で、コントラーダ(地区の単位)同士が激しく競い合う。現在は17のコントラーダがあり(この数は歴史とともに変遷)、このうち10のコントラーダの代表が裸馬に乗ってカンポ広場を三周する。
13世紀始めにはもうパリオはあったらしい。中世都市には不和の種子が満ちていて貴族、平民、下層民、隣組同士、大ギルド小ギルドと、など対立やいがみあいがたえず、パリオによって敵愾心を昇華したものだという。(『シエナ』ー池上俊一著から)
池上氏は「彼ら(コントラーダ住民)にとっては、シエナ市民、イタリア人、ましてやヨーロッパ人などというのは、二の次,三の次」と書いている。
今年のパリオが終わった翌日から次年度のパリオに向けての競争が始まると言われるほど、コントラーダにとって重要なお祭りなのだ。

私が行ったのはパリオが終わって数日経っていたが、まだお祭りは続いていた。
コントラーダ(地区の単位)の鼓笛隊がそれぞれ自分たちの色の衣装をまとい街中を太鼓を鳴らし、旗を振り上げながら行進していた。まだ幼い子供から立派な青年まで、真剣におごそかに行進をしている姿に目を奪われた。自分のコントラーダを誇りに思っている様子が伝わってきて、こういう「誇り」とは無縁の日本の私には不思議な光景だった。

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夜になると、ある通りの真ん中にずらりと長テーブルが並べられ、さながらパーティ会場のよう。これは今年の優勝の地区で、長テーブルにはご馳走が並べられていた。通り一本がそうなるのだからたいしたものだ。家々はコントラーダの旗をかかげ、人々はコントラーダのスカーフを首にまき、テーブルの回りに座り、祝杯を上げていた。

もちろんパリオ当日は大変な騒ぎになるため、うんざりという人もいるようで、泊まったホテルのフロントの女性も「パリオは嫌い。どうしようもない騒ぎになるから。」と言っていた。
パリオ当日はほんの1分数十秒の馬の競走を見るために、朝早くから広場に市民、観光客が詰めかけ、運良く広場に入れたとしても身動きできないそうだから、人混みの苦手な私には見物はできなそうにない。
毎年パリオの時期になると他の市で「パリオは動物虐待だ」と反対のプラカードも上がるそうだ。

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(ここから先は聖なる祝宴、ちょっと入れない雰囲気でした。)

さてカンポ広場は赤みを帯びた独特の色をした煉瓦が敷き詰められていて、これは「シエナの土色」と呼ばれるそうだ。広場だけでなく、回りの建物にもこの「シエナの土色」が使われている。カンポ広場の前の市庁舎もこの色だった。
DSCN0563.jpgシエナの土色

ほんの少し離れたところにあるゴシック建築の豪華な大聖堂ドゥオーモは、見事な白と黒の大理石の横縞模様で、シエナ色の街の中でとても目を惹く。
DSCN0578.jpg大聖堂ドゥオーモ
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イタリアへの旅(3)〜キジアーナ音楽院〜 [旅行記]

DSCN0503.jpgキジアーナ音楽院の教室

シエナは、美術史上ではシエナ派と呼ばれる絵画が生まれ、イタリアのゴシック建築の典型である美しいドゥーモがあり、また伝統的な行事パリオ(カンポ広場の競馬)で有名だが、その上、キジアーナ音楽院(1932年創立)という国際的な音楽院があって毎年サマーセミナーが開かれている。
マウリツィオ・ポリーニ、サルヴァトーレ・アッカルド、ズービン・メータ、ダニエル・バレンボイム、リッカルド・シャイーらもこのサマーセミナーで学んだことがあるという。
ポリーニやマルタ・アルゲリッチがこのサマーセミナーで教授をしたことがあり、私が見学に行ったときはフルート部門の教授はエマニュエル・パユだったのだから、本当にすごいサマーセミナーだ

サマーセミナーでは、各楽器、声楽、指揮、作曲などの授業が行われ、各部門の生徒による発表会も毎夜のようにあった。

夏期講習を受けるには試験に合格しなければならず、この日は試験を受けたらしき楽器を持った日本人の音楽生を街中でけっこう見かけた。このときのセミナーのメンバーには日本人はあまりいなかったようだ。

私はフルートの聴講をしたのだが、他にピアノ科、弦楽四重奏なども自由に見学でき、マエストロ達とお話までできてしまったのだから感激だった。

DSCN0558.jpg弦楽科ファイナルレッスン
DSCN0555.jpgピアノ科の教室のレッスン風景

レッスンの聴講というのはいつも面白いのだけど、何しろこのときは先生がパユなので身体中耳にして(目にもなって)一心に聞いた。
まずレッスンを受ける人が曲を演奏する。それぞれどこかの音大生だったり、中にはプロになり始めの人もいて、みんなレヴェルがすごく高い。「うまいな〜」と感心してうっとりしていると、ストップがかかり、「そこはこうです。いろいろな解釈はあると思いますが、私はこんな風に演奏します。」とパユが実演する。そのときのあまりの違いにはただただ唖然とするばかりだった。
車に例えると3000cc以上の高級車と、軽自動車のちがいかな〜などと考えてしまった。さしずめ私は自転車まで行かず、三輪車ぐらいかな。

演奏に問題があるとき、「あなたのは、こうなっていますよ。」と問題点をくっきり強調して吹いてみせるのだから、恐れ入ってしまう。その問題の箇所の演奏があまりに見事に再演されてしまうので、つい笑ってしまうのだが、ステージ上であんな風に指導される方はすごくきついだろうと思う。
芸術の道は厳しく、容赦なく、ごまかしや甘えは通用しないのです。

レッスンの伴奏はアンジェリカという人で、彼女はどんな曲でもすばらしい伴奏をし、パユのレッスンにぴたりと息を合わせられ、本当に素晴らしい伴奏者だった。

パユは生徒に合わせてフランス語を使ったり、ドイツ語を使ったり、聴講生のために英語で説明したり、パッパと言語を切り変えるのにも驚きだった。

中に、目立ってうまいな、と思う人がいた。パユに「こういう風に」と言われて、言われた通りに演奏できてしまうのだからかなり才能がある人と、思った。ビルギット・ラムズルさんという人で彼女はその半年後グスタフマーラーユーゲントのメンバーとして来日した。(曲はマーラー6番、ピエール・ブーレーズ指揮。鮮烈なオーケストラだった。)
DSCN0577.jpgフルートレッスン

指揮科のファイナルコンサートはSt.Agostinoでソフィア祝祭管弦楽団の演奏で行われた。スペインの女性指揮者がとても素敵だった。またこのときの指揮者の中に日本の小栗次郎さんという方もいらっしゃった。
DSCN0529.jpg 指揮科リハーサル風景

午前中みっちりとレッスンを聴講し、午後は街をブラブラ、夕方はコンサートという数日間で、まああんなに贅沢な日々はめったにないでしょう。
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信州飯綱高原(2) [旅行記]

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飯綱でわたしが見た一番感動した風景がこれ。
馬が走る姿がこんなに美しいとは思いませんでした。鞍だの頭絡だのつけていない、人も乗せていない馬というのは、まったく本当にのびやかで幸せそうに走るものです。
急にダッシュしたり突然止まってぱっと向きを変えたり、後ろ両足を高く上げてジャンプしたり、走ることがうれしくてうれしくてたまらない、という感じです。
こういう動物に乗ろうと最初に考えた人間は苦労したにちがいありません。

IMG_0265.jpgIMG_0266.jpg呼び声に応えて走り出す

飯綱高原にある乗馬クラブは山の斜面を利用して段々畑のように馬場と放牧地が作られています。ちょうど放牧しているところを見ましたが、3,4頭づつ、馬場の囲いに連れて来られそこで自由にされます。馬はあわてず、しばらくのんびりその辺の草を食べたりしていますが、突然「おや、自由だぞ」と気が付きでもしたかのように、いきなり走り始めたりします。
オーナー(?)が来て馬を追い立てると、馬たちは囲い場の反対側の出入り口から急いで坂道を上って上の放牧場に行きます。

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陽差しを避けて屋内馬場で一人レッスンをしていた私は「今から馬がすごい勢いで帰って来ますよ。」というインストラクターの言葉で馬を降り、帰ってきた馬たちとこれから出かける馬たちを見ることができました。
どういうわけか、馬は放牧地に行くときと帰るときにダッシュして走る、のだそうです。

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ボルゾイ犬を連れてきている人がいましたが、このボルゾイはとても乗馬風景にとけこんでいました。飼い主さんが乗馬しているところにのっそり入ってきて、しばらく見物してまた元の場所に戻っていました。
動物がいる風景はいいものです。同じ景色でも私には10倍も変わって見えます。

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飯綱高原の林はカラ松、白樺、ダケ樺。秋には美しい黄色に模様替えをします。
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信州飯綱高原(1) [旅行記]

IMGP5185.jpg飯綱山1917m
長野の北部(北信)、長野市、須坂市、小布施町、中野市の西方面に北信五岳が広がっている。五岳は中野市から見ると、北から斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯綱山と並びたち、山の名前を「ま、み、く、と、い」と覚える。
この辺はどこにでもゆったりした風景が広がっていて気持ちがいい。

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飯綱は長野駅から車で40分ほどの場所で、古くからの観光地だけど荒れ果てた感じはなかった。古い観光地には観光のコンセプトが俗悪だったりしてそれが手入れもされずただ古び、何となくすさんだ雰囲気になった所がけっこうある。
バブルの頃に建てられた安っぽく巨大な建物はもうどうしようもない。建物を壊すにも費用がかさむためかそのままに放置されて、目をそむけたくなる醜悪な景観となっている場所が多い。
飯綱山の付近は国立公園であるため、開発がある程度おさえられたのだろうか。

夕方7時頃、明かりを見つけて行ったペンション。
IMGP5175.jpgペンション・ブロッケン
準備の関係で急な客の夕食は当然なしでいいと思って入ったのだけど、信州ソバをおいしそうに食べている人達をうらやましげに見ている私たちを気の毒に思ってか、ペンションのご主人が「わかりました。ソバを打ちましょう。あとニジマスの燻製焼きもできると思います。漬け物はまだ残っていたかなあ・・。」と、
わざわざソバを打ってくれた。

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ソバは本当においしくニジマスも美味で思わぬ幸運だった。関東ではなかなかこういうソバは食べられないと言うと、「どうしてでしょうね。簡単なんですけどね〜。」と不思議そうだった。

ここではまだ涼しさが残っていて、誰もエアコンをつけないという所が気に入った。窓を開けておくと寒くなってしまう。夜の10時だというのに近くのホテル(?)からソプラノの歌声がかすかに聞こえてきて神秘的だった。

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ペンションの庭にあった野草たち
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