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久しぶりのJAZZ [音楽]

「ジャズ」マチス

クラシックにかまけていてしばらくジャズから離れてしまっていました。19日はものすごく久しぶりのジャズコンサートでした。ハービー・ハンコック率いるカルテット。メンバーはハンコック(p)、ウェイン・ショーター(s)、ロン・カーター(b)、ジャック・デジョネット(ds)・・その名を知らぬ者はいないという大物ばかり。

さて会場は国際フォーラム、このホールは巨大すぎて良い印象がありません。ステージと客席の距離感が大きく・・ま、これだけ大きなホールだと仕方ないのでしょうが構造にも問題ありです。拍手も演奏者に届くとは思えず、これで聞くのか、淋しいなあ、という感じでした。音は大変良かったのですが、顔が見えないというのはガッカリです。せっかくコンサートに行ったのに、しかもS席だったのに・・です。野球観戦やサッカー観戦じゃあるまいし・・。(観戦したことはないけれど、あれは観客の中にいることに多分意味があるのでしょう)こういうことにストレスを感じてしまうのでかなり損をする。

肝心の音楽の話。1曲目、マイルス・デイヴィスのSo what・・。
いきなり一番好きな曲で始まった。マイルスのトランペットのパラパラいう響きがなつかしいし聴きたい・・。けど他のトランペッターに吹かれても困るので、この1曲目、うまいなあ、淋しいなあ、と聴き入りました。このメンバーは全員がマイルスとプレイしたことがある人たちだけど、Kind of Blue のとき一緒にいた人は一人もいません。それでもプログラムにはSo what の他にAll blues も入って嬉しかったです。
ハービー・ハンコックの力強いピアノもすごいし、ウェイン・ショーターのサックスはものすごい名人芸で芸術的、ロン・カーターもジャック・デジョネットも存在感あふれる演奏・・この人たち70才前後ですが、年取らないのかな、と不思議でした。ウェイン・ショーターは新宿ピットインで聴いた頃と全く変わらずむしろ磨きがかかっていました。

ステージと客席はずっと遠いままで、ふと気がつけばロン・カーターがソロを弾き始めている・・長身でベースを身体の一部であるように静かに抱え弾いている・・回りの人も物も真っ黒な影となり、ロン・カーターに黄色い光りが当たっている。ステージが一枚の写真のように見える。現実ではない別世界がそこにあるようだ、写真みたいだけど少しだけ動いている・・夢の中のシーンのようだとボーッと聴いていると明かりがついて全員の音楽となる・・All blues でした。

音とイメージが一体となった芸術というのでしょうか。不思議なコンサートでした。淡々と終わったところがまたいい。それにしてもどこにこんなにジャズファンがいたのか、まるで地中からはい出してきたみたいにたくさんの人でした。
どこか遠い世界で演奏しているように見えたのは、彼らは凡人をはるか超えてしまった存在で、その音楽も簡単には近づけない高潔さがあったためではないかと思うのですが。


(国際フォーラムに通じる暗く淋しい通路空間)


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コメント 2

齊藤

ショーターのサックスは、聴く者の足場を無くすというか、ムードをまとうのが途轍もなく巧いですね。トランペットを入れないのは正解かもしれませんね。それにしても、報告を読んでいると、行けばよかったなと少し後悔します。ハンコックとデジョネットという組み合わせもあまりないし・・・。
by 齊藤 (2007-10-23 07:17) 

ゆき

ショーターはすごいですね。
今まで、まあいいか、とチャンスを逃すことが多かったので、今回は行きました。これが最後かもしれない、と思って聴いてきました。行って良かったです。
by ゆき (2007-10-23 10:25) 

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