4人組とその仲間たち 室内楽コンサート [音楽]
2017年12月8日(金)7:00〜 東京文化会館小ホールにて
<全音現代音楽シリーズ・その24>
四人組とその仲間たち 室内楽コンサート (現代音楽の作曲家)
《調和の原点Ⅱ ー 単色と双色の狭間で ー 》
池辺晋一郎 / 「バイヴァランスⅧ」2本のフルートのために
小泉 浩(fl) 織田なおみ(fl)
金子仁美 / 「歌をうたい・・・(Ⅱ)」 リコーダーのために
鈴木俊哉(rec)
酒井健治 / 「エーテル思想」 ギターソロのための
鈴木大介(gtr)
西村 朗 / 無伴奏ヴィオラソナタ第3番「キメラ」
伊藤美香(va)
新実徳英 / ピアノのためのエチュード ー神々への問いー第3巻
若林 顕(pf)
池辺晋一郎作曲 小泉 浩&織田なおみ のフルートデュオについて
すべて世界初演。
5種類の楽器の世界初演演奏を聴けるというのはそれだけでも楽しい。
フルートのデュオ以外はすべてソロ演奏だったので、集中しやすく、現代曲になじみがない人にとっても、聴きやすいコンサートだと思う。
フルート愛好家の私は池辺さんの曲が一番印象に残った。
(以下、フルート演奏についての感想)
小泉先生と織田なおみさんの音が素晴らしかった。
2本のフルートの音のバランスが良く、最初から最後までひたすら美しかった。
小泉先生のフルートの向き合い方は、何をおいても音色が大事で、音色が気に入らなければどんなにテクニックがある奏者の演奏も評価しない。
それは、ことあるごとに話されているし、自分の音の追求も毎日やられている。
「その音はダメ。あの音色は良くない。」と言われてもどこがどうだめなのか、はっきりわかるまでにはけっこう年月がかかった。
最近ようやく先生の目指す音がわかるようになりかかったかな、というところ。
「明るい音」と「暗い音」という区別をされるが、これもけっこうわかりにくい。小泉先生が言われる「明るい音」というのは倍音がよく聞こえていることらしい。
理屈よりも耳の方で「良い音」がだんだんわかってきた。「良い音」は長時間聴いていても、疲れない、あきない。どんどん気持ちが上向きになっていくような音楽。
最初にいいなあ、と感じても次第に聴くのが疲れてくる演奏がある。
CDなんかだと、良い音の演奏は飽きないため、いつまでも聴き続けることができる。
今回の池辺さんの曲はとても素晴らしかった。後世に残るフルート・デュオ曲ではないか。
本番の前日まで曲について「あんな曲はできない、無理」とぶつぶつ文句をおっしゃっているので、一体どういう曲かと思ったら、あまり素晴らしい曲で驚いた。
「名曲でしたね!」と言うと「演奏者がいいんだ。池辺はあれよりもっと良い曲が書けるんだ。」と。(二人は芸大生の頃からの親友だそうなので)
ステージに上がった池辺さんもとても嬉しそうだった。
ギターの「エーテル幻想」を書いた酒井健治さんと演奏した鈴木大介さんのトーク(聞き手は西村朗さん)も興味深かく、面白かった。
鈴木さんが「もうステージから消えたいです。。」西村さん、「どこかうまくいかないところがあったんですか?」
鈴木さん、「いろいろありましたよ。」
西村さん、「大丈夫ですよ。みんな聴くのは初めてだから誰もわからない。」
なんてお笑いのような場面もあった。
現代曲というのは、まずその演奏にびっくりし、次にその曲を作った作曲家にびっくりする。作曲するときに頭はどう働いているのだろう、というのが素人の素朴な思考。
それから題名がなぜこんなにわかりにくく親しみにくいものが多いのだろう、というのも素朴な疑問。。
2月に、NHKFM「現代の音楽」でオンエアされる予定。
録音するの忘れないようにしないと。
<全音現代音楽シリーズ・その24>
四人組とその仲間たち 室内楽コンサート (現代音楽の作曲家)
《調和の原点Ⅱ ー 単色と双色の狭間で ー 》
池辺晋一郎 / 「バイヴァランスⅧ」2本のフルートのために
小泉 浩(fl) 織田なおみ(fl)
金子仁美 / 「歌をうたい・・・(Ⅱ)」 リコーダーのために
鈴木俊哉(rec)
酒井健治 / 「エーテル思想」 ギターソロのための
鈴木大介(gtr)
西村 朗 / 無伴奏ヴィオラソナタ第3番「キメラ」
伊藤美香(va)
新実徳英 / ピアノのためのエチュード ー神々への問いー第3巻
若林 顕(pf)
池辺晋一郎作曲 小泉 浩&織田なおみ のフルートデュオについて
すべて世界初演。
5種類の楽器の世界初演演奏を聴けるというのはそれだけでも楽しい。
フルートのデュオ以外はすべてソロ演奏だったので、集中しやすく、現代曲になじみがない人にとっても、聴きやすいコンサートだと思う。
フルート愛好家の私は池辺さんの曲が一番印象に残った。
(以下、フルート演奏についての感想)
小泉先生と織田なおみさんの音が素晴らしかった。
2本のフルートの音のバランスが良く、最初から最後までひたすら美しかった。
小泉先生のフルートの向き合い方は、何をおいても音色が大事で、音色が気に入らなければどんなにテクニックがある奏者の演奏も評価しない。
それは、ことあるごとに話されているし、自分の音の追求も毎日やられている。
「その音はダメ。あの音色は良くない。」と言われてもどこがどうだめなのか、はっきりわかるまでにはけっこう年月がかかった。
最近ようやく先生の目指す音がわかるようになりかかったかな、というところ。
「明るい音」と「暗い音」という区別をされるが、これもけっこうわかりにくい。小泉先生が言われる「明るい音」というのは倍音がよく聞こえていることらしい。
理屈よりも耳の方で「良い音」がだんだんわかってきた。「良い音」は長時間聴いていても、疲れない、あきない。どんどん気持ちが上向きになっていくような音楽。
最初にいいなあ、と感じても次第に聴くのが疲れてくる演奏がある。
CDなんかだと、良い音の演奏は飽きないため、いつまでも聴き続けることができる。
今回の池辺さんの曲はとても素晴らしかった。後世に残るフルート・デュオ曲ではないか。
本番の前日まで曲について「あんな曲はできない、無理」とぶつぶつ文句をおっしゃっているので、一体どういう曲かと思ったら、あまり素晴らしい曲で驚いた。
「名曲でしたね!」と言うと「演奏者がいいんだ。池辺はあれよりもっと良い曲が書けるんだ。」と。(二人は芸大生の頃からの親友だそうなので)
ステージに上がった池辺さんもとても嬉しそうだった。
ギターの「エーテル幻想」を書いた酒井健治さんと演奏した鈴木大介さんのトーク(聞き手は西村朗さん)も興味深かく、面白かった。
鈴木さんが「もうステージから消えたいです。。」西村さん、「どこかうまくいかないところがあったんですか?」
鈴木さん、「いろいろありましたよ。」
西村さん、「大丈夫ですよ。みんな聴くのは初めてだから誰もわからない。」
なんてお笑いのような場面もあった。
現代曲というのは、まずその演奏にびっくりし、次にその曲を作った作曲家にびっくりする。作曲するときに頭はどう働いているのだろう、というのが素人の素朴な思考。
それから題名がなぜこんなにわかりにくく親しみにくいものが多いのだろう、というのも素朴な疑問。。
2月に、NHKFM「現代の音楽」でオンエアされる予定。
録音するの忘れないようにしないと。
2017-12-21 23:29
nice!(1)
コメント(2)
初演は魅力ですが5年10年たって同じプログラムでの再演も魅力的です。
by ayu15 (2018-01-09 14:32)
初演された曲が10年経ってどういう評価を受けるか楽しみでもありますね。ある現代音楽の作曲家が、50年先を見据えて曲をつくていると仰っていました。
by sachat06 (2018-01-09 23:11)