SSブログ

雪国の風景(2) [旅行記]

朝もやの中
太陽がまぶしい

翌朝の天気は晴れ。コテージの人達も「朝から晴れたのは30日以来ですよ。」とニコニコしている。雪国に住む人にとって太陽の光は一種格別の幸福だ。
そして陽の光りの中で輝く雪のきれいでまぶしいこと。目を痛めてしまった。
雪の中ではサングラスをかけていないと、「雪目」になってしまう。

きれいな景色というもは不思議な効力を持っている。「こんなにきれいな景色を見れて良かった」と皆思う。
絶望の種は至る所にあり、不安や悲しみが生い茂っているような生活の中、唯一希望をもたらすのが自然界の汚れない美しさだ。一体、きれいな風景を見て心が和む、ということは何故なのだろう。
どんなに嫌な気分のときでも、澄み切った青い空に白い雲、遠くの四季折々に色移る山々、そして夜に降った雪がすべてのものの上にふっくら積もって輝いているような風景を見ると、不思議と心が元気を取り戻す。

何故かはわからないがそういうものであるとすれば、子供の頃にできるだけ美しい自然の中で育つということは大切だということだ。絶望したり、悲観したとき、どうすれば元気になれるかを知っていることはかえがたいこと。あそこに行ってみよう。もう一度故郷を見てみよう。そう思ってはるばる故郷の山々や海や田畑を見に行く。それで元気が出るなら・・。

夕方になると空が夕焼けにうっすら赤く染まり、そこで見る雪の中の千曲川はより寒々としていた。対岸の小さな村の家並みも寂しさをまして見える。
なるほど清少納言の「枕草子」にあるように「冬はつとめて」早朝がいいのだ。
朝のぴりっとした寒さ。太陽が、夜ふりつもったまだ人の足跡もない雪の上に輝き、次第に暖かさをましてくる。晴れ晴れした一日の始まり。
昼過ぎともなればあっという間に陽は傾きはじめ、すこし溶けたかかった雪に足跡がぐちゃぐちゃと乱れている。一日の仕事に疲れ、あるいは、ずっと暖房の中にいたために、だるくなり頭も痛くなってくる。
陽が沈めばまた寒さがぐっと身体にこたえる。秋の夕暮れなら風情もあるが、冬の夕方にはなんともいえないもの哀しさがある。


千曲川


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 4

先日はコメントをありがとうございました!
雪すごいですね。北海道もだんだんと真冬になってきました。
サイードの『晩年のスタイル』、冬の読書にいいですよ!
by (2008-01-13 12:31) 

ゆき

真冬の北海道は行ったことがないのですが、きれいなのでしょうね。
本の紹介ありがとうございます。手元に未読の本が3,4冊あって、それが終わったら読もうと思っています。時間が足りません。
by ゆき (2008-01-13 15:03) 

jmh

コメントいつもありがとうございます。
小生は雪国育ちではありませんが、雪景色には日本のふるさとを感じます。それは数々の知恵で雪と共に生きてきた雪国の人々の「暮らし」を感じるからかもしれません。
農村の高齢化や公共サービスの低下で、雪とともに生きることが難しくなってしまうような国にしたくないですね。
by jmh (2008-01-13 19:36) 

ゆき

雪国は日本の原風景を思わせますね。
雪国の冬は5ヶ月も続くのでそこに住む人は本当に大変です。
公共サービスがしっかりしていなければお年寄りには生活できません。『小さな政府』ではとても・・。
by ゆき (2008-01-14 20:11) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。