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ブリューゲルの「雪中の狩人」 [diary]


雪が降る季節になると、16世紀のオランダの画家ブリューゲルの「雪中の狩人」という絵を思い出します。ブリューゲル家は画家一族で、長男は地獄の絵、次男は花の絵が有名なんだそうです。
ピーテル・ブリューゲル(父)は「怠け者の天国」「バベルの塔」など、とてもシニカルなユーモラスな絵を描いていますが、息子の花のヤン・ピーテルの作品もシニカルで現実的な作風で『青い花瓶の中の花束』には、花束だけでなく蝶や小さな虫まで描き込まれていて、見ていると飽きません。
私の好きなピーテル・ブリューゲル(父)の「雪中の狩人」という作品は、遠景に小さく遊ぶ子らの姿が描かれ、雪の中のいろいろな色合い、人々の生活が、すべてこの絵の中にあるようで、寒さまで伝わってきます。ウィーン美術史美術館でこれを見たときはとても感動しました。
この寒々しい灰色の景色は、500年たった今も同じだなあと思います。

さて関東にもとうとう雪が降りました。
北国の寒さとはちがうので、びしょびしょと道路がシャーッベット状の雪でおおわれ、けっこう歩くのが大変でした。そこで長靴の出番です。5年も前に田舎で買った長靴ですが、1年に1回か2回しか出番がありません。

普通のゴム長靴ではなく表面と内側がバックスキン風になっていて、暖かくちょっとしゃれているのです。ブーツだと地面の雪が浸みる心配もあるけどこれはゴム長なので、完璧です。都会では滑ってころんでケガをする人が多いようですが、靴が雪で滑らないように、ということを前提に作られていないので、雪には弱いのでしょう。
以前、ブーツを買ったら雪の日にものすごく滑り、使いものになりませんでした。裏を見たらつるつる。それ以来、こっちで靴を買うときは必ず靴底を確認しています。
今日はずっと雪が降り続いていたので、はじめのうちは喜んで雪遊びをしていた子供らも、みんな途中から家にこもったようです。
一日中寒々とした灰色の世界でした。

遊ぶ子供ら
(ブリューゲルの「雪中の狩人」と色合いがよく似ています。)


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コメント 6

solea01

ブリューゲルなら「死の勝利」だろう、と思いましたが、むしろ農民画家として有名なんですね。ウィキで調べたら二人の息子も画家で、「花のブリューゲル」は二男のヤンを指すみたいです。「死の勝利」は反戦マンガ「光る風」の中で見たのが最初で、すごい衝撃を受けました(まだ少年時代でした)。その後、遙か後にプラド美術館で実物にお目にかかりました。マドリーでは「ゲルニカ」も見たな・・。

あ、雪も良いけど、平日になると出勤が大変なだけ。同僚は途中から自転車を押したり、苦労しながら職場に到着していました。
by solea01 (2008-02-04 18:51) 

ゆき

ホント、父と息子間違えていました。父はピーテル、長男もピーテルで、次男がヤン、ヤンの息子もヤンという画家一族でややこしいですね。記事直さなきゃ。
ピーテルの「怠け者の天国」「バベルの塔」なんか、とっても面白いですね。ヤンの「青い花瓶の花束」のポスターが部屋に貼ってあるのですが飽きません。

都心部はこれっぽちの雪で、かなり交通に影響が出るんですね。まあ、日曜日で降り終わって良かった・・。
by ゆき (2008-02-04 22:29) 

齊藤

これは大好きな作品です。世界を封じ込めたのはもとより、現実にはありえないミニチュア的なものへの異常な執念も感じられるようで。
by 齊藤 (2008-02-06 01:05) 

ゆき

不思議な世界ですよね。色彩も美しい。
現実にはあり得ないミニチュア的な世界、確かにそうですね。人間界を見下ろしている眼で描かれています。この絵には想像力をかきたる所がありますね。
by ゆき (2008-02-06 20:24) 

ふくふきママ

こんにちは!不思議な絵ですよね。。。この絵、(たぶん)初めて見ました・・・。

東京で、たまにあった雪の日は、東京で買った靴はぜんぜんダメだったのを思い出しました。はるか昔、カナダで買った防水運動靴をずいぶんながい間愛用していました!
by ふくふきママ (2008-02-06 23:00) 

ゆき

この作品、画集で見ても独特の雰囲気があるのです。
本物はもっとインパクトがありますが。

雨や雪の日にブーツに水が浸み込んでくるのって、本当にみじめなものですよね。カナダ製ならばっちりでしょう。
by ゆき (2008-02-06 23:41) 

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