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ステージの裏方仕事 [音楽]


世の中にはいろいろな仕事があるけど、やってみたい仕事が一つある。コンサートのときに、楽団員の椅子や譜面を並べるステージ・マネージャーの仕事だ。
(どうもスタッフ全員をステージマネージャーと呼ぶらしい。)
コンサートでは曲の合間のステージ・マネージャーの仕事ぶりを見るのもおもしろい。この間の木村かをりさんのコンサートは特に面白かった。今回は1曲ごとに楽器の入れ替えがはげしく、かなり多人数で忙しく立ち働いていた。(少ないときは2人位のスタッフでやるときもある。)
ステージ・マネージャーのチーフらしき人が、ものすごいスピードで並べられた椅子に一々腰かけ、譜面台の高さを一つ一つ確認していく。楽団員の身長までわかっているのだろうか?そうして整然と並べられた座席。ステージ・マネージャーが袖に入ると楽団員が出てくる。見事なものです。

もう一つステージ上ですごいと思った仕事はテレビカメラマンだ。数年前の12月31日、岩城宏之によるベートーヴェン全曲コンサートでのこと。
このときのカメラは会場に左右二台、ステージ上に二台入っていた。
ステージの上のカメラは一台は比較的オーケストラ全体を撮っているのかゆったり動き回っている。もう一台は高さを上下にひっきりなしに動かし、音を立てないようにかなりのスピードで動き回っている。ときどき2台が交叉する。指揮者とパートごとの奏者の表情を撮っているのだ。すべてのカメラの前には大きな譜面代が置かれ、曲の流れを見ながらどこを映せばいいのかを確認しながらやっている。
フルートソロのときに他のパートが映っていたらどうにもならない。
曲を良く知っていなければ、譜面だけ見ていてもできるものではない。
なにしろベートーヴェン全曲なのだ。休憩はあるものの10時間の長丁場なのだ。すごいなあ、プロだなあ、と目を離せなかった。もう一つ驚愕だったこと。カメラマンの助手だった。ステージの上にしゃがみこみ、コードが抜けたりからまったりしないように、ひたすらカメラの動きに沿って這いずり回っていた。あの姿勢で10時間!1度も膝を伸ばさかった。本当に、感心してしまった。

指揮者の岩城さんは全曲コンサートを終えたあと、「ああ、まだ生きていた!」と思ったそうですが、楽団員もきっとよれよれになったでしょう。
聴く方の私もかなり消耗したのですから。でもステージ上で10時間這いつくばって動いていた、あのカメラマン助手をしていた人は、翌日、腰も足も背中もどれほど痛んだことでしょう。

*写真は東京文化会館小ホール。このぐらいだと2,3人でセットですね。


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