アンサンブル・ノマド《今夜はアラカルト》 [音楽]
アンサンブル・ノマドによる名曲、名演奏のコンサートでした。場所は渋谷「公園通りクラシックス」、とても小さな会場ですが、本物の音楽を楽しめました。アンサンブル・ノマドはギタリスト佐藤紀雄氏が率いるアンサンブル。
《今夜はアラカルト》はタイトルのように、シェーンベルクから日本の現代作曲家の曲までいろいろ組み合わせたプログラムで、純粋音楽の世界にたっぷり浸ることができました。（3月27日）
＜プログラム＞
１．シェーンベルク ６つのピアノ曲Op.19 ピアノ稲垣聡
稲垣さんのピアノは久しぶりです。ろうそくの明かりの中、シェーンベルク
の一遍の詩のような作品。息をひそめて聴くような緊張感あるピアノの音色
でした。
２．ウェーベルン 3つの歌曲Op.18
ソプラノ吉川真澄 クラリネット菊池秀夫 ギター佐藤紀雄
ウェーベルンは好きな作曲家で聞き慣れています。クラリネットとギターの
響きにソプラノがとても美しく響いていました。演奏後に佐藤さんが曲の
解説をしてくれ、一つめの曲をまずギターの演奏で、次にクラリネットの演
奏、さらに両方併せた演奏、最後に歌をかぶせて演奏してくれたので曲のつ
くりが大変良くわかりました。
ウェーベルンの歌曲は俳句のようで、響きは日本の「能」に似ているようも
思えます。
３．レブエルタス バイオリンとピアノのための3つの小品より
バイオリン甲斐史子 ピアノ大須賀かおり
甲斐さんのバイオリンも久しぶりですが、相変わらず立ち姿からして、ほれ
ぼれします。音色は当然すばらしい。大須賀さんというピアニストの演奏は
初めてでしたが、バイオリンとマッチし素敵な演奏でした。
４．ロバート・ディック Flames Must Not EnciclebSides
フルート木の脇道元
これは、フルートの特殊奏法〜循環呼吸と重音を使った独奏曲、というこ
とで道元氏の華麗なフルートテクニックにため息が出ました。
フルートって表現の幅があるじゃないか、と考えが変わりました。
５．ウェーベルン 3つの歌曲Op.18 (プログラム２に同じ）
プログラムに同じ曲が2度入っているというのはなかなかいいものです。
ウェーベルンの曲は漢詩のよう（佐藤さんの言葉）に短いので、ぼーっ
としていると聞き逃してしまいます。2，3度続けてかみしめるように
聴けたのはラッキーでした。おまけにまたもや佐藤さんの解説つき。
６．米倉香織 東京即興曲 バイオリン甲斐史子 ギター佐藤紀雄
会場に見えていた米倉さんによると、この曲はもともとハーモニカと
17弦琴のための曲だそうです。ギターはセリフつきで、甲斐さんと
佐藤さんが絶妙なコンビぶりを発揮。美しく印象的な曲でした。
７．福士則夫 パラタクシス クラリネット菊池秀夫
コントラバス佐藤洋嗣
福士さんもいろいろ説明して下さいました。クラリネットとコントラ
バスという組み合わせはめったにないのですが、クラリネットとコン
トラバスがこれほど調和するとは思いませんでした。菊池さんの演奏
はいつ聞いてもすばらしく、コントラバスは低音から高音までスケー
ルの大きさをフルに使っていました。コントラバスの佐藤さんは、
佐藤紀雄さんの息子さんだそうで・・天才揃いです・・。
８. 徳永 崇 潮招蟹（シオマネキガニ）の呪文
ソプラノ吉川真澄 フルート木の脇道元 ギター佐藤紀雄
徳永さんは以前沖縄に住んでいたそうで、この曲も沖縄情緒があり、
不思議な明るさがある曲でした。
重税に苦しむ農民の哀しい生活を、明るく描いたものだそうですが、
フルートとギターに吉川さんのきれいなソプラノが呪文のように重な
り感動的な演奏でした。吉川さんの美声にはうっとりです。
人の声と楽器が完全に溶け合っていました。
(アンコール）シェーンベルク （プログラム１と同じ）
佐藤さんが、「アンコールは稲垣さんのシェーンベルクをもう一度。
静かに終わりましょう。」と言い、客席でリラックスして演奏を聴い
ていた稲垣さん、「え〜っ！聞いてないよ〜」。再びライトが消され
ろうそくの灯の中でのシェーンベルクで静謐に終わったのでした。
ずっとこの世界にいたいものだと感じるため息の出るようなひとときでした。
次回アンサンブル・ノマドの定期公演は9月9日オペラシティです。
《今夜はアラカルト》はタイトルのように、シェーンベルクから日本の現代作曲家の曲までいろいろ組み合わせたプログラムで、純粋音楽の世界にたっぷり浸ることができました。（3月27日）
＜プログラム＞
１．シェーンベルク ６つのピアノ曲Op.19 ピアノ稲垣聡
稲垣さんのピアノは久しぶりです。ろうそくの明かりの中、シェーンベルク
の一遍の詩のような作品。息をひそめて聴くような緊張感あるピアノの音色
でした。
２．ウェーベルン 3つの歌曲Op.18
ソプラノ吉川真澄 クラリネット菊池秀夫 ギター佐藤紀雄
ウェーベルンは好きな作曲家で聞き慣れています。クラリネットとギターの
響きにソプラノがとても美しく響いていました。演奏後に佐藤さんが曲の
解説をしてくれ、一つめの曲をまずギターの演奏で、次にクラリネットの演
奏、さらに両方併せた演奏、最後に歌をかぶせて演奏してくれたので曲のつ
くりが大変良くわかりました。
ウェーベルンの歌曲は俳句のようで、響きは日本の「能」に似ているようも
思えます。
３．レブエルタス バイオリンとピアノのための3つの小品より
バイオリン甲斐史子 ピアノ大須賀かおり
甲斐さんのバイオリンも久しぶりですが、相変わらず立ち姿からして、ほれ
ぼれします。音色は当然すばらしい。大須賀さんというピアニストの演奏は
初めてでしたが、バイオリンとマッチし素敵な演奏でした。
４．ロバート・ディック Flames Must Not EnciclebSides
フルート木の脇道元
これは、フルートの特殊奏法〜循環呼吸と重音を使った独奏曲、というこ
とで道元氏の華麗なフルートテクニックにため息が出ました。
フルートって表現の幅があるじゃないか、と考えが変わりました。
５．ウェーベルン 3つの歌曲Op.18 (プログラム２に同じ）
プログラムに同じ曲が2度入っているというのはなかなかいいものです。
ウェーベルンの曲は漢詩のよう（佐藤さんの言葉）に短いので、ぼーっ
としていると聞き逃してしまいます。2，3度続けてかみしめるように
聴けたのはラッキーでした。おまけにまたもや佐藤さんの解説つき。
６．米倉香織 東京即興曲 バイオリン甲斐史子 ギター佐藤紀雄
会場に見えていた米倉さんによると、この曲はもともとハーモニカと
17弦琴のための曲だそうです。ギターはセリフつきで、甲斐さんと
佐藤さんが絶妙なコンビぶりを発揮。美しく印象的な曲でした。
７．福士則夫 パラタクシス クラリネット菊池秀夫
コントラバス佐藤洋嗣
福士さんもいろいろ説明して下さいました。クラリネットとコントラ
バスという組み合わせはめったにないのですが、クラリネットとコン
トラバスがこれほど調和するとは思いませんでした。菊池さんの演奏
はいつ聞いてもすばらしく、コントラバスは低音から高音までスケー
ルの大きさをフルに使っていました。コントラバスの佐藤さんは、
佐藤紀雄さんの息子さんだそうで・・天才揃いです・・。
８. 徳永 崇 潮招蟹（シオマネキガニ）の呪文
ソプラノ吉川真澄 フルート木の脇道元 ギター佐藤紀雄
徳永さんは以前沖縄に住んでいたそうで、この曲も沖縄情緒があり、
不思議な明るさがある曲でした。
重税に苦しむ農民の哀しい生活を、明るく描いたものだそうですが、
フルートとギターに吉川さんのきれいなソプラノが呪文のように重な
り感動的な演奏でした。吉川さんの美声にはうっとりです。
人の声と楽器が完全に溶け合っていました。
(アンコール）シェーンベルク （プログラム１と同じ）
佐藤さんが、「アンコールは稲垣さんのシェーンベルクをもう一度。
静かに終わりましょう。」と言い、客席でリラックスして演奏を聴い
ていた稲垣さん、「え〜っ！聞いてないよ〜」。再びライトが消され
ろうそくの灯の中でのシェーンベルクで静謐に終わったのでした。
ずっとこの世界にいたいものだと感じるため息の出るようなひとときでした。
次回アンサンブル・ノマドの定期公演は9月9日オペラシティです。
2008-03-30 14:40
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コメント(2)
こんにちは。maiさんのところからです。クラシックが好きなんですね。
なんかこのプログラムはおもしろそうですね。
by ayu15 (2008-04-15 20:35)
ayu15さん、こんにちは。
ブログを２つに分けてしまったので、便利なような不便なような・・です。クラシックは大好きで、コンサートも破産するほど通っている私です。
このコンサートはすごい演奏者、作曲家揃いなのに、こじんまりと、秘密コンサートみたいでした。得しました♪
by sachat06 (2008-04-16 20:45)