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アンサンブル・ノマド定期演奏会第34回「オランダ紀行2」 [音楽]

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(アンサンブル・ノマドのメンバー、全員ではありませんが)

今回のアンサンブル・ノマドの定期演奏会「オランダ紀行2」は、前回とはまったく異なる雰囲気だった。場所も六本木スーパーデラックスという所で、開演直前に会場にかけつけるとギッシリの人。なんとか座席を見つけて座ったけれど立ち見の人もたくさんいて熱気がむんむんしていた。
ープログラムー
(第1部)
ヤーコブTV ; リップスティック(1998)
fl. 木の脇道元  音響;有馬純寿
木の脇道元:パバロッティー・ナルコレプシー(2009年改訂)
  fl.木の脇道元 、竹山愛  vo. 中川統雄
ヤーコブTV;ビリー(2003)アルト・サックス+サウンドトラック
as;大石将紀  音響;有馬純寿
中川統雄;Perfect impefectworld (2009)
 fl.木の脇道元、竹山愛 vn. 甲斐史子 b. 佐藤洋嗣 pec. 相川瞳
 pf. 稲垣 聡、中川賢一
(第2部)
レンダート・ファン・ヴァウデンベルグ;オペラ「きっとあした」
  原作レナード・ドレスタイン(2009)より 世界初演
  出演者:全員(?)
(第3部)
ルイ・アンドリーセン;ホケトゥス(1976) 

第一部はサンプリングを使った曲で、調子の良いリズム、陽気で明るく楽しい雰囲気でまとまっていた。こういう音楽は私の生活の中には全くないのでもの珍しく聴いた。やはり道元さんのフルートはすごい。
第二部は大作だった。10年間手紙の配達をしなかったドイツの郵便配達員の実際にあった話をもとにオランダの作家、レナード・ドレスタインが今回のオペラのための台本を作成したものだそうだ。吉川真澄さんの歌声を中心にした構成で、いつもながら人間の声というのは楽器が束になってもかなわないと感じた。吉川さんの美しい声で空気が変わってしまう。

第三部は2つのグループによるリズムのかけ合い。ホケトゥスというのは13世紀頃のパリの教会での合唱の形式ー1つの旋律を数人の歌手が音を受け渡しながら歌うーだと書かれていた。繰り返される音のリズムが身体に浸みわたっていく。脈を打って身体の中を流れていく。

全体的に今回の演奏会は、「若者」の雰囲気(ここは六本木だなあと思わせた)を感じた。この音楽の世界で私は「他者」。
コンサートで音楽に暖かく包まれたり、癒されたり、希望を見たり、ということは必ずあるが、今回は「若く陽気な笑い」のメッセージだった。「若く陽気な笑い」は私の人生ではもう終わっているので、楽しんだものの本当には近づけなかった・・ような。
前回のプログラムは、演奏される曲がすべて暖かな贈り物のように感じられ、まるで演奏会が『クリスマスツリー』のよう(12月24日だったので)と思ったが、今回は何と言いあらわそうか。キンユウキキのなかのロッポンギ、とでも言ったらいいか・・。

とにかく六本木は埼玉からメトロで果てしなく遠かった。外国のように遠かった。そして3月2日はことのほか寒かった。コンサート終了後ラーメン屋さんを見つけてラーメンを食べた。
一番安いラーメンは六本木というのに290円。世界まるごとグローバル化に呑み込まれていることをひしひし感じた。グローバル化の問題はものすごく大きいがこうやって知らないうちにグローバル化の恩恵を受けてもいるわけだ。
この矛盾、足元が不安定な感じ、これが本日のコンサートの感想とも言える。
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