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インバル = 都響 『マーラー / 交響曲第9番ニ長調』 [音楽]

2014年3月15日(土) 東京芸術劇場  2:00〜

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<新・マーラー・ツィクルス最終公演『マーラー / 交響曲第9番ニ長調』>

何年ぶりかにステージで拝見したインバル先生、全くお元気そうでした。
『マーラー交響曲第9番』は、生のオーケストラで聴くのは二回目。
(前回は、チョン・ミュンフン指揮 =東京フィル 2008年)
座席が2回のボックス席(5000円とはなんと安い!)で、演奏者の顔、インバル先生の指揮がとても良く見えました。マーラーの交響曲は管楽器のソロが多く、演奏者を目で追うだけでも忙しく面白いのですが、絶対にはずしてはいけない音を演奏するソロというのは、聴く方も緊張します。
1時間20分の演奏はあっという間でした。

マーラーの9番は『死』がテーマと言われています。

2007年の朝日カルチュアセンターでインバル氏のマーラーについての講義を聞いたことがあります。
そこでのお話、
<マーラーの曲には、すべての世界、すべての人間の感情が込められ、その交響曲は凝縮された宇宙という印象を強く持っています。
1番や4番は自然へと感情が向かい、喜びと愛とその陰に存在する不安を感じる。6番「悲劇的」や2番「復活」に人の世の厳しさとそれに立ち向かう勇気、希望の光を感じます。
9番は「死」「埋葬」の象徴。9番ほど人生に対する深い愛着と惜別の思いを表した曲を知らない。>


このような曲の解釈を何も知らずに聴いたとしても、曲から受けるメッセージは『死』で、
苦しい人生が終に終わる・・しかし死ぬことも簡単ではなくもう一つの苦しみ・・そうして最後にやっと訪れる安息・・
というイメージに深くとらわれます。
(4楽章の最終小節には「死に絶えるように」と注釈がついています。)
9番には「死の予感」が強く感じられるのですが、マーラーはこの交響曲を自ら初演することなく死を迎えます。


マーラーの交響曲というのは、聴く側の置かれている状況や精神状態によって、様々な感情が呼び起こされます。
前回のチョン・ミョンフン指揮 =東京フィルの『9番』のときは悲しみの感情に激しく揺さぶられましたが、今回の『9番』は、静かに穏やかに聴くことができました。

聴く側の精神状況の違いもありますが、指揮者がそのときに表現しようとするもの、表現方法によって、音楽はかなり違う印象になります。
マーラーの交響曲はどれも1時間以上の長さを持っていますが、聞き慣れると、残念なくらい時間は速く過ぎてしまいます。

(覚え)
エリアフ・インバル マーラを語る
http://sachat06.blog.so-net.ne.jp/2007-12-14
http://sachat06.blog.so-net.ne.jp/2007-12-16

チョン・ミョンフン=東京フィル『マーラー / 交響曲第9番ニ長調』
http://sachat06.blog.so-net.ne.jp/2008-03-11-1

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