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音楽の未来〜ベネズエラ(1) [音楽]

ちょっと前の話になるが、NHKの番組ですごい映像を見た。ベネズエラの子供たちや若者たちがオーケストラをつくって、あのサイモン・ラトルやクラウディオ・アバドが指揮をして、マーラーを演奏していた。

ベネズエラは内政不安定が続き、貧困と犯罪の多発という問題を持っている国と聞く。チャべス大統領は「反米」「貧困層への支援」をかかげ、1991年に大統領になったが、その政策に富裕層、中産階級が反発し、クーデターまで起きたけど、結局チャべス大統領は国民の支持を受け、今は経済も少しずつ上向き内情も安定してきているという。
そういう国でクラシック音楽、いわゆる西洋音楽を子供たちがやっている。
30年前にスタートしたこのクラシック音楽の全国システムは、今では136の音楽教室と200の青少年のオーケストラをもち、29万人がクラシックの演奏をしているという。
サッカーボールをけるぐらいの気楽さで、路地を歩きながら、あるいは海辺で、バイオリンやトランペットやチェロを呼吸するような自然さで、演奏する子供たち。これが本当にうまいのです。完全に歌っていて。脱帽です・・・。


貧困や犯罪に取り組む国づくり、としてこの活動は始まったそうですが、人々のクラシック音楽に対する情熱は非常に強い。数年前「東京シンフォニエッタ」が演奏旅行に行っていますが、そのときのベネズエラの話をフルート奏者のS氏がブログに書いています。

せっかく行ったのに治安が悪いから、と車でホテルと演奏会場を往復するだけだった、(しかも窓はカーテンを閉めること、と言われたそうです。)演奏会場はくの字に曲がっていて、右と左のパートが完全に視界を遮られている、クーラーがガンガンに効いていて管の音が下がってしまい、いくら温度を上げるようにいっても主催者側は「わかった、わかった」と生返事するだけでとても困った。それでも演奏後は熱狂的な拍手だった・・。
演奏の休みの日も出かけるのをあきらめてホテルに閉じこもり、そのホテルもトラブルだらけ、食事もなんだか合わない、といった演奏旅行で、帰路アメリカの空港についたときは、ハンバーガー・スタンドに直行し、ハンバーガーってこんなにもおいしいかと思い、片言ながら英語が通じるのがとてもうれしかった・・・などなど。(S氏の話)

ベネズエラがどんな国かの説明で長くなってしまいました。この国のユース・オーケストラの演奏は今まで聴いたこともないほど、いきいきとして強烈な印象です。あんなマーラーは聴いたことがありません。ウエストサイド・ストーリィなんて、演奏しながら楽団員の半分ぐらいが踊り出して舞台の上を回転していました。「音楽の未来がここにある」と言ったのはサイモン・ラトルです。  (続く)


指揮者グスターボ・ドゥダメル  彼がオーケストラを率いる。


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