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黄金のプラハ(続) [旅行記]

プラハを語るのに欠かせないものに、マリオネット劇場がある。ハプスブルグ家によってドイツ語が強制された時代が長く続き、チェコ語は蔑まれたが、大道芸人による人形劇でチェコの言語・文化は守られ伝えられたという。だからチェコの文化を守った人形劇は、チェコの人にとってとても大切なものだ。
マリオネットの人形は単なるオモチャではなく、表現の手段だという意識があり、プラハには1300以上のマリオネット劇団があるそうだ。
私もカレル橋の近くの「王の道マリオネット劇場」で『ドン・ジョバンニ』を観たが、とても楽しい舞台に引き込まれた。終わって拍手したとき、人形遣いが前に出て、その人間のあまりの巨大さにびっくりした。
人間が巨大だったわけではなく、小さな人形の織りなす世界に感情移入していたため、人形の後ろに人間がいることを忘れて、見事小さな舞台を大きな舞台と、錯覚していたためだった。

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さてプラハ城だが、ここにはカレル4世のとき造られた聖ヴィート教会がある。完成までに600年かかったというこの教会、石造りのゴシック建築とステンドグラスが美しい。

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また聖イジー教会では、いつでもコンサートが開かれていて、私が訪れたときも、教会の中でコンサートを楽しむ事ができた。ヨーロッパの教会はコンサート会場として使われることが多いが、響きのよい教会はコンサート会場として最高である。西洋音楽を中世までさかのぼれば、グレゴリオ聖歌なので、教会と音楽は切り離せない。教会は街でも村でも至る所にあるから、ヨーロッパではコンサート会場に事欠かないのだ。小さな教会では少人数でのコンサート、大きな教会では小さなものから大きなものまで開かれる。
このときは室内楽で、モーツアルト、グリーク、シベリウス、ドボルザーク、チャイコフスキーの小品を聞いた。観光地でコンサートを聴けるなんて無上の幸せだ。

このイジー教会のすぐうらに(城内に)不思議な小さな路地がある。プラハ城で働く召使いが住んでいた場所で、「黄金小路」と呼ばれている。この路地には、プラハが生んだ作家、フランツ・カフカが仕事場に使っていた家があった。(生家は旧市街広場の近くで、今はカフカ博物館になっている。)青春時代にカフカの作品に魅せられた人は多いと思う。カフカの家は今は本屋になっている。記念に昔感動したなつかしい『変身』の英語版を買った。カフカの家は青く塗られ天井が低く、外から見ても本当に小さなかわいらしい家だった。
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モーツァルトが「フィガロの結婚」をプラハで初演して、拍手喝采をあびたことは有名な話だが、チェコを代表する作曲家と言えば、スメタナとドボルザークが思い浮かぶ。チェコ国民楽派(ボヘミア楽派)と呼ばれている。
そのスメタナホールにも行ってみた。地元のオーケストラで、売られた花嫁序曲、新世界(2,4楽章)、スラヴ舞曲、そしてモルダウを聞いた。
東京で聞くのとは全くちがう感慨がある。曲の一部にはバレーリーナが出てきて美しいバレエを音楽に合わせて披露した。ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートにも必ずバレリーナがバレエを踊るのが不思議だったが、コンサートとバレエを同時に演じるのは、ヨーロッパではきっと普通のことなのだろう、と思った。
(私は音楽だけの方が集中できるのだけど・・。)
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コメント 3

ayu15

その教会いってみたいです。
by ayu15 (2008-04-22 21:39) 

sachat06

ayu15さん、こんにちは。
何気なく行ってそこで音楽が聴けるというのは、とても贅沢なことです。プラハはいつでも音楽が聴けるというのは本当でした。
by sachat06 (2008-04-22 23:26) 

ゆうか

とってもきれいな教会でええですね~^^
by ゆうか (2008-07-17 15:50) 

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