5月の飯綱 [信州]
5月5日
今年は寒かったせいで4月になっても最低気温が0度なんて日が多かったが、5月になってようやく水道の栓を閉めたり、水抜きをしたりしないですむようになった。
5月初旬、まだ山の上は芽吹きはこれから、という所。コブシと桜が同時に咲き始めた。それから水芭蕉。この群生は見事で一週間で倍の大きさに成長していた。
5月17日
木々の若葉の薄緑色の中で桜の薄桃色は一番きれいに見える。
そして5月中旬を過ぎて、終に標高1000mの山の桜も咲いた。この桜は花びらが薄緑色(始めは少し赤い)の若葉と一緒に開き始める。ヤマザクラかと思っていたが図鑑を良く調べるとどうもミネザクラという種のような気がする。
この桜は本当に立派で空高く見上げないと花が見えない。つぼみを確認するのに双眼鏡を使った。近くで親しめるソメイヨシノとはまったく違って気高く、はるか頭上を遠く眺めるしかない。樹齢?百年。
しかも花と若葉が同時に開くので桜のうすいピンク色を楽しめるのはせいぜい三日間というところ。今回は運が良かった。
ミネザクラの幹の下の部分と、夕方の桜と三日月
今年は寒かったせいで4月になっても最低気温が0度なんて日が多かったが、5月になってようやく水道の栓を閉めたり、水抜きをしたりしないですむようになった。
5月初旬、まだ山の上は芽吹きはこれから、という所。コブシと桜が同時に咲き始めた。それから水芭蕉。この群生は見事で一週間で倍の大きさに成長していた。
5月17日
木々の若葉の薄緑色の中で桜の薄桃色は一番きれいに見える。
そして5月中旬を過ぎて、終に標高1000mの山の桜も咲いた。この桜は花びらが薄緑色(始めは少し赤い)の若葉と一緒に開き始める。ヤマザクラかと思っていたが図鑑を良く調べるとどうもミネザクラという種のような気がする。
この桜は本当に立派で空高く見上げないと花が見えない。つぼみを確認するのに双眼鏡を使った。近くで親しめるソメイヨシノとはまったく違って気高く、はるか頭上を遠く眺めるしかない。樹齢?百年。
しかも花と若葉が同時に開くので桜のうすいピンク色を楽しめるのはせいぜい三日間というところ。今回は運が良かった。
ミネザクラの幹の下の部分と、夕方の桜と三日月
秋深し・・人間エンデュランス [信州]
(10月19日 飯綱高原にて)
思わず空を見上げて写真を撮ったら樹がこんな風に・・。
歩いているとたくさんキノコや木の実が見つかる。今年は雨が少なかったためいつもの年よりキノコ類はすくないそうだ。ただし、ドングリやトチの実はたっぷり落ちていた。熊もあまり人里に近づかないかもしれない。
熊が人をおそった話を聞くと、山歩きをしているときはやはり心配になる。鈴はつけていたほうが良さそうだ。私も一応鈴はつけていたがスイス土産の小さなカウベルで、ちょっと心もとない感じだった。
手拍子をしながら歩くのがいいと聞いたことがある。
今回は、他所の人のその熊よけの鈴の音に助けられた。散歩のつもりが道に迷ってしまい、どこだかわからない林道を果てしなく歩き続けた。引き返すにはかなり遠くまで来てしまったし、林道なんだからそのうち大きな道に出るだろう、と思っていたがあまかった。道を聞こうにも人気が全くない。さすがに不安になってきたところ、カランコロンと大きな鈴の音が聞こえた。
大急ぎでその鈴の音の方向に走って大声で呼んだ。「スミマセーン!」
鈴の音というのはかなり遠くまで大きく聞こえるものだと知った。鈴を付けていた営林署の人は思ったより遠くにいた。やっと地図で道を説明してもらい、無事にもとの場所までたどり着いたが、かれこれ4時間も歩いていた。営林署の人も一人だったが「気をつけてくださいよ。まだ明るいからいいけど暗くなったら熊が出るかもしれないんだから。」とあきれていた。
どうして道に迷ったかと言うと、以前馬に乗ってこの辺りを歩いたことがあり、その道を歩いて馬を見に行こうと思ったのだ。はっきりとは覚えていない道だけど、すぐ近くのはずだった。それで馬のひづめの跡をたどって行ったのだ。ひづめの跡を辿っていけば乗馬クラブに行けると思ったのがまちがいだった。
この辺りはエンデュランスコースがあって、ひづめの跡はとんでもない場所まであちこちにあったのだ。<このひづめの跡はまだ新しい>、<落ちているボロも新しい>、<ひづめはこの方向を向いている>、など、探偵のように頭を働かせてみたが、要するに人間エンデュランスをしたのだった。食料はミカン一つ、バナナ半分、水、だった。薄暗い林道を抜けてやっと県道に出た。畑がまぶしく光っていてうれしかった。畑仕事をしている人にサツマイモをもらった。
畑の木々
こんなに歩いたのは久しぶり。翌日脚が痛くなったのは言うまでもない。おかげで秋を満喫できたのだけれど。
思わず空を見上げて写真を撮ったら樹がこんな風に・・。
歩いているとたくさんキノコや木の実が見つかる。今年は雨が少なかったためいつもの年よりキノコ類はすくないそうだ。ただし、ドングリやトチの実はたっぷり落ちていた。熊もあまり人里に近づかないかもしれない。
熊が人をおそった話を聞くと、山歩きをしているときはやはり心配になる。鈴はつけていたほうが良さそうだ。私も一応鈴はつけていたがスイス土産の小さなカウベルで、ちょっと心もとない感じだった。
手拍子をしながら歩くのがいいと聞いたことがある。
今回は、他所の人のその熊よけの鈴の音に助けられた。散歩のつもりが道に迷ってしまい、どこだかわからない林道を果てしなく歩き続けた。引き返すにはかなり遠くまで来てしまったし、林道なんだからそのうち大きな道に出るだろう、と思っていたがあまかった。道を聞こうにも人気が全くない。さすがに不安になってきたところ、カランコロンと大きな鈴の音が聞こえた。
大急ぎでその鈴の音の方向に走って大声で呼んだ。「スミマセーン!」
鈴の音というのはかなり遠くまで大きく聞こえるものだと知った。鈴を付けていた営林署の人は思ったより遠くにいた。やっと地図で道を説明してもらい、無事にもとの場所までたどり着いたが、かれこれ4時間も歩いていた。営林署の人も一人だったが「気をつけてくださいよ。まだ明るいからいいけど暗くなったら熊が出るかもしれないんだから。」とあきれていた。
どうして道に迷ったかと言うと、以前馬に乗ってこの辺りを歩いたことがあり、その道を歩いて馬を見に行こうと思ったのだ。はっきりとは覚えていない道だけど、すぐ近くのはずだった。それで馬のひづめの跡をたどって行ったのだ。ひづめの跡を辿っていけば乗馬クラブに行けると思ったのがまちがいだった。
この辺りはエンデュランスコースがあって、ひづめの跡はとんでもない場所まであちこちにあったのだ。<このひづめの跡はまだ新しい>、<落ちているボロも新しい>、<ひづめはこの方向を向いている>、など、探偵のように頭を働かせてみたが、要するに人間エンデュランスをしたのだった。食料はミカン一つ、バナナ半分、水、だった。薄暗い林道を抜けてやっと県道に出た。畑がまぶしく光っていてうれしかった。畑仕事をしている人にサツマイモをもらった。
畑の木々
こんなに歩いたのは久しぶり。翌日脚が痛くなったのは言うまでもない。おかげで秋を満喫できたのだけれど。
夏を楽しむ(2) [信州]
夏は夜・・。
暑い日差しが和らいでいく夕方からが、やはりいい。明け方もいいけれどこれからぐんぐん陽が昇っていくと思うと、夕方に比べて安心感がない。
子供の頃は、朝というのは1日の始まりとしてわくわく感があった。
今はとても・・。
さて高原の夜はとても忙しい。
夕方、刻々と濃くなっていく藍色の空を眺めているうちにやがて暗くなる。するとホタルの活動時間になって気になってくる。普通ならホタルが飛び交う時期は過ぎていると思うが、今年は長引いた梅雨のせいか長期間ホタルを見ることができた。ホタルを見ていると小一時間はあっという間に経ってしまう。
川のイワナも夕方は動きが活発になって見つけやすくなる。夜が更けてくるとさらに見やすくなる。寝ているイワナはいつもの敏捷性はなくなってまったく無防備。ライトを照らすとすぐ見つかる。光を嫌ってヒュ〜ッと身をくねらせて動くのが見える。イワナの身のこなしは波の形と同じなので、水量が多いと、波の影なのかイワナの影なのかはっきりしない。何匹も何匹もイワナが泳いでいるような錯覚を持つけど、だんだん目が慣れてくると、波ではない、本物のイワナの灰色の体を見つけられる。
イワナというのはかなりの急流でも流されない。
雨が降った後など、かなり流れが速くなるのに、川底に静かに身を横たえている。川底が少しV形になっていてそこは流れが緩やかなのだろう。岸辺の草の影の下も居心地がいいようだ。
あまり長くライトで照らしているとイワナも嫌になってどこかに行ってしまうので、ちょっと見たらやめる。そしてまた一時間後に見に行く。こうやって何度も見に行くのであっという間に夜は過ぎていく。本を読む暇もない・・。
田舎で見る花火は気持ちがいい。人混みもそれほどではないので静かに見ることができる。
花火は一瞬のきらめき。シャッターを押したときにはもう残り火になっている。「花火」をつかまえるのって本当にむずかしい。
高山村の山田牧場。ちょっとスイスのリギ山を思わせる風景。立派な牛が草を食べていた。食べながらズンズン移動していく。これがかなりのスピードだ。ふっと気がつくとあんなにたくさんいた牛の群れが、視界から一頭残らず消えている。近くで見る牛は迫力があり、つやつやして美しかった。柵はないのでいくらでも側に寄れるけど、やはりあの大きさとあの角は怖い。子供の頃ここで牛に追いかけられた恐怖の体験があるので、用心して一定の距離を置いた。でも何かの拍子に牛が怒って向かってきたらこんな距離など何にもならないな。
夏を楽しむ(1) [信州]
オオヤマザクラ
今年の5月から、月の3分の1くらいを信州の飯綱高原で過ごすようになった。
一目惚れの場所だった。
この地には真ん中に小川が流れ、川岸には立派なオオヤマザクラ(推定150歳?)が枝を広げている。回りにはミズキ、白樺などが生育している。
去年の夏、川辺の野草の中で立派なオニヤンマを見た。それから川にはイワナがいた。
ここに住みたい、と思った。
今年になって来てみると、やはり川にはイワナがいた。イワナの稚魚も見つけた。川辺にはオニヤンマがいて、ちょうど脱皮しているところを見た。
もしかしてと思って、暗くなってから家の横手の木々の間に目を凝らすと、ホタルの光がフワ〜っと動くのが見えた。光を追っていると、一匹だけではなくいくつもいくつも飛んでいる。久しぶりに見たホタルの乱舞。
(写真を撮らせてもらいました。左はゲンジボタル、右はヒメボタルの幼虫。幼虫でもちゃんと発光していました。)
この辺は湧き水が多い。飯綱山一帯に降った雨が火山灰の層をくぐりぬけ、地下水となって湧き出しているのだそうだ。それが小さな流れをいくつもつくっている。きれいな水と森は、蛍にとってとてもいい生息地なのだ。
どんな植物が生えているかまだわからないので、草も伸びるがままにしている。
(周辺の植物)
オオバギボウシ ツリフネソウ
マツムシソウ ヤマハハコ
キンミズヒキ シモツケ?
キキョウ オカトラノオ
ホタルブクロ カラマツソウ
ここはエアコンが要らない。もちろん冬の寒さは大変なのだろうが、温暖化の地球上で、こんなに涼しい場所にいられるということは、暑さに弱い私には何よりも得難いことだ。
今年の5月から、月の3分の1くらいを信州の飯綱高原で過ごすようになった。
一目惚れの場所だった。
この地には真ん中に小川が流れ、川岸には立派なオオヤマザクラ(推定150歳?)が枝を広げている。回りにはミズキ、白樺などが生育している。
去年の夏、川辺の野草の中で立派なオニヤンマを見た。それから川にはイワナがいた。
ここに住みたい、と思った。
今年になって来てみると、やはり川にはイワナがいた。イワナの稚魚も見つけた。川辺にはオニヤンマがいて、ちょうど脱皮しているところを見た。
もしかしてと思って、暗くなってから家の横手の木々の間に目を凝らすと、ホタルの光がフワ〜っと動くのが見えた。光を追っていると、一匹だけではなくいくつもいくつも飛んでいる。久しぶりに見たホタルの乱舞。
(写真を撮らせてもらいました。左はゲンジボタル、右はヒメボタルの幼虫。幼虫でもちゃんと発光していました。)
この辺は湧き水が多い。飯綱山一帯に降った雨が火山灰の層をくぐりぬけ、地下水となって湧き出しているのだそうだ。それが小さな流れをいくつもつくっている。きれいな水と森は、蛍にとってとてもいい生息地なのだ。
どんな植物が生えているかまだわからないので、草も伸びるがままにしている。
(周辺の植物)
オオバギボウシ ツリフネソウ
マツムシソウ ヤマハハコ
キンミズヒキ シモツケ?
キキョウ オカトラノオ
ホタルブクロ カラマツソウ
ここはエアコンが要らない。もちろん冬の寒さは大変なのだろうが、温暖化の地球上で、こんなに涼しい場所にいられるということは、暑さに弱い私には何よりも得難いことだ。