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天文・「137億光年のヒトミ」(鳴沢真也著)より(つづき) [読書]

本の表紙の写真天体望遠鏡「なゆた」
2m天体望遠鏡は名前を公募して「なゆた」と名付けられた。
1の後ろに0が60桁つく位を「なゆた」というのだそうだ。

今年の2月、土星とオリオン大星雲を直径7.5cmの望遠鏡で観測した。
場所は茨城県郊外。 北緯36度 東経140度、晴れ、19時〜21時。
土星はまるで絵に描いたように球のまわりに帯びがぐるっと取り囲んでいて、
球と帯のすき間まではっきり見えていた。「本当にこういう形をしているん
だ!」と、本の写真にのっていたそのままの形に感動したけど、オリオン大
星雲を見つけるのは、近眼の私にはかなりむずかしかった。
「オリオン座小三つ星のあの真中の星の周りが光って見える所が大星雲。」
と言われても、コンタクトを付けた私の目には星がにじんでいるように見え
るだけ・・「にじんでいるように見えるのが星雲だ」と言われても、よくわ
からない。雑誌の写真で確認して、やっとわかった。 今度ははっきり。
物を見るときは目だけではなく、頭も使わないとだめなのだと思った。

2m天体望遠鏡「なゆた」だったら何もかも鮮明に見えてしまうだろう。
鳴沢さんの本には、星を見て感動した人の言葉がたくさん出てくる。
「だめですよ、だめですよ。(木星が)あんなに見えちゃっていいんです
か・・。」これ可笑しいけど共感する。今までただ「星」と思ってなが
めていた物が、大きく、衛星写真で見る地球のように見えてしまったら、
人生観変わってしまいそう。
何と言っても、ほんの一瞬見るだけで、人をこんなに感動させてしまうの
だから天体観測はたいしたものだ!

天文台の仕事は天文台を動かすための仕事と、一般の人に観測体験をしても
らい天文学を教える仕事と、そのうえに自分の研究があって、昼も夜も大変
そう。でも星のためならがんばれそうな気がする。(ただし「天文学」をや
るためには数学ができないとダメなのだ・・・。)
もう一つ天文台には大事な任務があるそうだ。
SETIと言って地球外知的生命探査のこと。もし他の天体から何らかの発信ら
しきものを受けた場合は、一般の人に知らせてはいけない、と国際会議で決
まっているのだって。そして世界中のSETI研究者にすぐに連絡するように、
取り決められているのだそうだ。何という大きなロマン・・・。

それにしても関東平野の空は明るすぎる。建物や人家がない場所でもはるか
遠くの町あかりが空に白く反射している。光害のひどさを感じる。
(私の田舎では子供の頃、星は降るように見えていた。)
宇宙を覗いたときは物の見方や考え方も変わって心が大きく柔らかになる。
そしてそのうちに、生活の垢にまみれ、宇宙のことも忘れる・・・。
そうしたらまた天体観測に行こう。 この本もまた読もう。


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herosia

毎日金星しか見えない日が続いていますけれど、いま日本間側は夏の星座パレードなのですね。信州の高原などもチャンスが多くなるはずです。一晩で惑星を全部みるラリーなども今できますね。あると思ってみると見つかるという点で、星と鳥はよく似ています。見えぬものでもあるんだよ 見えないけれどあるんだよ
by herosia (2007-06-16 22:43) 

ゆき

この本読んで天文台で働いている人がうらやましくなりました。きたないものを見ないですむような気がして。
たしかに星と鳥は似ていますね。鳥の鳴き声を知っているから、耳に入る。あの辺にいそうだと思って見るから、木の枝にとまっている鳥の姿も目に入るわけです。音楽も聞き込むうちにどんどん好きになっていくのです。時間が足りません。もう良いものばかり見て聞いて暮らしたいものです。
by ゆき (2007-06-17 00:10) 

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