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宮崎駿の作品のメッセージ・「天空の城ラピュタ」によせて [映画]

「天空の城ラピュタ」を初めて見た。有名な作品だからテーマソングもよく知っ
ているけど、今まで忙しかったから通して映画を見たことはなかった。
宮崎駿は作品を創るとき、「これで世の中を変えてみせる!」という意気込みで
臨むと言っていた。宮崎駿の作品に共通するのは、純粋な心を持った少女や少年
が、大人の(人間の)醜さを現す世界の悪と果敢に戦っていくことだ。
どんな困難にもへこたれない。最大の悲しみに打ちのめされても、立ち上がって
戦う。これが見ている者に勇気を与える。

勇気を与えるもの(それが映画であれ、小説であれ、音楽や絵であれ、)は、ど
んなものもいい。子供が主人公であっても、大人が勇気をもらえる。どんなに年
を取っていても、昔は子供だったのだから共感できる。
「千と千尋」も「風の谷のナウシカ」も少女が必死にがんばる。主人公が子供だ
から、困難と戦う姿が強烈なインパクトを与える。「こんな小さな子供が一人ぼ
っちでがんばっているのだもの。今の自分の悩みなど何ほどの事があろうか」と
いう気持ちになれるのだ。「ハウルの動く城」では、年老いたソフィも力をふり
しぼって困難に立ち向かう。年取ったて、がんばらなくちゃ・・・!
(ついでながら同様に勇気をくれる作品が小説「ハリー・ポッター」だ。)

「天空の城ラピュタ」には海賊ならぬ空賊が出てくるのだけど、これが憎めない
のはなぜだろう、と考えた。軍隊も出てくるがこれは憎たらしい。空賊たちは
今の政府役人よりずっとましに見えるではないか。
多分、今の政府が悪人に見えるのは、自分たちは悪人ではなく善人です、とい
う顔をしているからかも知れない。悪人で〜す、と認めている空賊よりよっぽど
始末に負えない。権力を握り、それを自分の欲のために利用しようとする者達は
いつの時代にもいて、それと戦う人達もいつでもいる、というわけだ。
少年、少女には負けていられません。
本物の幸せと正義を守るために、勇気を持って一人でも戦わなければならない。
宮崎駿先生、こういう気持ちでいいですか?


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コメント 5

solea01

ラピュタは初めてですか?ナウシカ以降の彼の作品はほとんど見てますが、自分のベストは「もののけ姫」ですかね。洞窟の前でのモロの君とアシタカの会話は、パレスチナ人かイラク武装勢力と日本の反戦運動家の会話みたいな感じで、なんだか痛烈に糾弾されているような気分にもなりました。次々に人間を襲うサンとモロの行動は「テロリズム」そのものとも言えるが、生存権を奪われつつある彼らにとっては正当な抵抗権とも見えるわけです。もっとも現実の世界に肉薄し、かつ暗いメッセージを提供したのはこの作品だと思うが、米国でヒットしないはずだ。イラク戦争を起こし、イスラエルを支援するアメリカ人にはこの作品はわかるまい。ラピュタやナウシカはこれに比べるともっと明るくて希望に満ちていましたね。二番目に好きなのは「紅の豚」だが、女の子を賭に使うとは何事だと女性活動家に怒られたこともあるんですけど・・。でもメカが好きなので、この作品も好き。
by solea01 (2007-06-17 14:48) 

ゆき

ラピュタ初めてです。映画を見る時間は今までほとんどなかったので、かなり情報がおそいほうです。映画館など行ったことなかったし、テレビは集中できないことが多かったので。
「もののけ姫」はやはりすごい作品だと思います。宮崎作品はどれもそれぞれの良さが際だっているので選びがたいです。
これからも元気にたくさんの作品を創ってほしい、ですね。
by ゆき (2007-06-17 20:57) 

mai

横から失礼します。solea01さん、もののけ姫は2回くらいテレビで観たのですが、「洞窟の前でのモロの君とアシタカの会話は、パレスチナ人かイラク武装勢力と日本の反戦運動家の会話みたいな感じで、なんだか痛烈に糾弾されているような気分にもなりました」・・当時は政治に目覚めていなかったためでしょう、そういう場面は覚えていません。自分の世界が広がるといろいろな見方ができるものですね。また観てみます。紅の豚・・ダンディですねえ。男のなかの男っていう感じ。素直にかっこいいです。tamaraさん、ラピュタは純粋に楽しめました。宮崎さんの作品の少年少女は本当に勇敢です。見習いたいです。ハウルで90歳のソフィーが頑張っているのには大拍手。勇気づけられました。私がほっと安心して観れるのは魔女の宅急便です。その分、メッセージ性は低いかもしれませんが、理屈抜きに好きなのです♪
by mai (2007-06-20 11:11) 

ゆき

まいさん、わたしも魔女の宅急便、好きですよ。ほっとして観れるって貴重なことですね。
ストーリーと登場人物のユニークな魅力でいうと「千と千尋」はやはり、すごいなあ。主人公をぬきにしても、うち捨てられたテーマパーク、豚に変えられてしまう凡人代表の千尋の両親、内部の空虚さを現した顔なしというキャラクター、川の神様、俗悪の象徴のような湯屋、海の中を走る淋しい電車、カエル、すごいアイディアだと思います。もののけ姫同様、何度も観ました。宮崎作品はとても簡単には語りつくせませんね! すごい人です。
by ゆき (2007-06-20 13:41) 

solea01

maiさんもタマラさんも結構宮崎作品見てますね。しかし、ナチスドイツの戦車隊長オットー・カリウスのタイガー戦車での実戦実話をマンガにした「泥まみれの虎―宮崎駿の妄想ノート」は読んでいないと思います。2004年の逮捕時、獄中で何回も読み返していました。宮崎のまた別の側面を知ることが出来るかも知れませんね。男の子は戦車と戦闘機好き?機会あれば記事にしたい作品です。
by solea01 (2007-06-21 19:47) 

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