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ミステリー小説はトーストの味 [読書]


(ミステリアスな光り;パリのとある場所)
そう言えばシャーロット・マクラウドさんは2005年に亡くなったそうで、もうシャンディ教授には会えないと思うと淋しいです。
考えてみると私はかなりのミステリーファンだったようで、おもしろいミステリーを見つけるとすべてその作家の著書を読み耽り、これまでに愛読した著者は数えきれません。古くはミステリーの古典とも言えるシャーロック・ホームズ物、エラリー・クイーン、ヴァン・ダイン、アガサクリスティ・・から始まって現在活躍中の作家のものまで。まだ私の眼にとまっていないスーパーミステリー作家はいるのかな。最近ちょっと遠ざかっているので。

エラリー・クイーンやアガサ・クリスティの天才ぶり。数年後に読んで途中から読んだことある、と気付いても止められない。そしていよいよ大団円、「もう犯人わかってるぞ。」と思いながら、どこで読者をひっかけたか見つけ出そうと読み進む。そして、犯人がわかる。・・・ん? 思っていた人物ではなかった、と知ったときのショック、無念さ。2度も読んで2度ともだまされるなんて、本物のミステリー作家はすごい。

ミステリーの魅力は一言でいうと『トーストみたいなおいしさ』。気楽に食べられ、意外とおいしく、しかも飽きない。ストーリィだけではなく文章にトーストみたいな味わいがあるのが良い作品で、下品なもの、おどろおどろしいものはダメです。良いミステリーは格調高く味わい深いのです。
そう言えば先日松本清張の「点と線」を見ました。面白かったけどなぜか日本のミステリーは「人情もの」なのですね。エラリー・クイーンはクールです。

大体ミステリー小説は映像にすると全く別のものになってしまいます。シャーロック・ホームズやクリスティの映画はかなりハイレヴェルではありますが、それでも読むと見るではかなり違ってしまいます。
今テレビで楽しめる探偵物は何と言ってもMONK。最近BS2で「名探偵モンク」の再放送がまた始まりました。モンクは推理力は抜群ですが、極度の潔癖症で社会生活がうまくできません。他人が触ったものに触れなかったり、数字がきっかりでないと不安になったり・・。でもアシスタントのナタリーや友人のストットルマイヤー警部がモンクの弱点をカバーして、名探偵ぶりを発揮します。この一見可哀想なちょっと共感を覚えるモンクさんを見ていると、なぜか元気づけられます。


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コメント 9

mai

tamaraさんは、趣味が広いですね☆

私はアガサ・クリスティの大ファンでハヤカワ文庫で3分の2くらい持っています。殺人事件を扱いながら、上品でユーモアも感じられるところが好きです。どれも好きですが、「アクロイド殺人事件」、「火曜クラブ」(ミス・マープル初登場)、「葬儀を終えて」、「オリエント急行殺人事件」(最後のポアロの説明にホロッとします)、「ナイルに死す」などなど、思いつくままに挙げてみました。最近読んだ、推理小説以外の「愛の重さ」や「春にして君を離れ」なども年齢のせいか、とても身につまされました。検察側の証人は劇も観ました(日本人キャスト)。

エラリー・クイーンは、ドルリー・レーン3部作(4部作)でしょうか。Yの悲劇のゾクゾクするような怖さは忘れられません。国名シリーズはまだあまり読んでいません(ロンドン帽子とシャム双生児くらい)。

教育基本法以来、時間と気持ちの余裕がなく推理小説とも、とんとご無沙汰です。名探偵モンクも初めて知りました。また見てみます。トーストみたい・・・その通りですね。良い推理小説は2度目で犯人がわかっていても、つい最後まで読んでしまいます。

ところが・・・ここからちょっと暗い話になります。昔の話だからと時代背景はあまり気にせず楽しめていたのですが、クリスティの舞台になっている大英帝国時代と、アメリカのいいなりの日本(半分、植民地?)という現代が重なってしまって、この1年あまりクリスティの本を読むのが辛くて手に取れなくなってしまいました。現状にも驚かなくなってきたので、そろそろ再開できるかもしれませんが。
by mai (2007-12-10 12:24) 

ゆき

まいさん、こんばんは。
エラリー・クイーンもクリスティも全部読んでしまったので(それも何度か)、ここ何年かは現代作家がほとんどでした。でも、最近は私も推理小説からはずいぶん遠ざかっています。何か気持ちの余裕がないですね。
大英帝国ですか・・。元祖帝国主義ですからね。
趣味の世界も当然、世相の影響を受けますね。私がアメリカ映画を見なくなったのもそのせいです。でもモンクはユーモアがあって楽しいので見ています。火曜日ですよ。
by ゆき (2007-12-10 20:57) 

齊藤

ミステリーはごくたまに読む程度であまり知らないのですが(むしろ、どろどろした江戸川乱歩や横溝正史!)、クリスティの『検察側の証人』が原作の映画『情婦』はとても良いと思います。ビリー・ワイルダーの小気味良いテンポとマレーネ・ディートリッヒやチャールズ・ロートンの貫禄。これも、原作は読んでいないのですが・・・。
by 齊藤 (2007-12-11 07:37) 

ゆき

斉藤さん、他の本を読むのに忙しくてとてもミステリーにまで手がまわらないでしょう。
かくいう私も学生の頃、推理小説を読む人の気が知れない、時間がもったいない、と思っていました。でも読み始めたらダーッとのめり込んで・・。今はごくたまにしか読みません。エラリー・クイーンなどは読者との推理の勝負、という感じで面白かったですよ。映画『情婦』は見たことがないのですが、面白そうですね。
by ゆき (2007-12-11 10:46) 

mai

sachat06さん、齋藤さん、横から失礼します。齋藤さん、初めまして。
「情婦」はテレビ放映で見ました。主役の女性は(マレーネ・ディートリッヒだったのですね)凛々しくて素敵でした。脚本はビリー・ワイルダーだったのですね。私の好きな三谷幸喜さんが尊敬する脚本家です。推理小説を原作とした映画としては、とても良い出来だったと思います☆sachat06さん、私からもお勧めです。チャールズ・ロートンは知らずに見ていたのですが、いま調べたら、あの高齢の弁護士さん役だったのですね。彼もいい味出していました。最初に主人公が訪ねて行ったとき、階段についたエレベーターで上がっていくあたりのシーンが忘れられません。
by mai (2007-12-11 16:28) 

齊藤

maiさん
ディートリッヒは素敵ですね。演技も格があって、文字通り大女優です。あれは騙されます。チャールズ・ロートンは飄々としていいですね。特に裁判所で薬を並べたり、看護婦から逃げるように階段を椅子にすわったまま登って行ったり(ご指摘の箇所)、ワイルダーの手腕が冴え渡っています。ワイルダー、私も好きなのです。また観たくなってきました。
by 齊藤 (2007-12-11 23:43) 

ゆき

う〜ん、お二人がこれだけほめている映画『情婦』、ぜひとも見なければなりますまいね。
by ゆき (2007-12-12 21:30) 

ふくふきママ

「検察側の証人」(戯曲)を読んで、映画も観たいなあと思いつつ、実現していませんでした。是非観てみたいと思います。
ミステリーはあまりたくさん読んだことがないのですが、ひとりで夜寝るときに、怖くならないかなあと、心配だったりするのも一因です。
(実はすごい怖がりのわたくしでした。)
でも、クリスティのアクロイド殺し、ナイル殺人事件、オリエント急行、どれも気持ちよく騙されて爽快でした。いつか全部読破するのを目標にしてみたいと思います♪
by ふくふきママ (2007-12-13 03:13) 

ゆき

気持ちよく騙されて爽快、という気分わかります。
良いミステリー作家を見つけると、読むものがなくなるまで読み続けてしまう私です。読まないときはバッタリ遠ざかるのですが。何事にもムラがありまして・・。
by ゆき (2007-12-14 21:25) 

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