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山内ケンジ「新しい歌」・城山羊の会 [芸術]

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9月10月はコンサートに行くのをぐっとがまんしていましたが、11月後半に入りやっと私にとって芸術の秋を満喫する時がきました。まずは演劇です。

山内ケンジ作「新しい歌」   (神楽坂『IWATO』にて11/20〜11/27)
    作・演出;山内ケンジ
    CAST :山本裕子  岩谷健司  岡部たかし 渡部裕一郎
         三浦俊輔  金谷真由美  石橋けい  安村典久

山内作品の演劇を観るのは三回目ですが、今年の2月の「新しい橋」はまだ印象に残っています。
前回の感想はこちら  
    http://sachat06.blog.so-net.ne.jp/2008-02-09
あのときのチラシに、山内氏は、深浦加奈子さんに『またやりましょうよ。出るわよ。』と背中を押され、なんとかここまでやってきた、と書かれていました。その深浦さんが8月に急逝され、今回のチラシは「(深浦さんがいなくなって)もう演劇をやる意味がなくなってしまった。だけれでもやった・・」「とにかく私は途方に暮れ、今でも暮れているのですが、やれたのは今回集まってくれた俳優のみなさんのおかげです。」と書かれていました。

山内ケンジが、途方に暮れながら「途方に暮れる」話を書いた、と言っているように、演劇を見終わったときの気持ちは、前回もそうでしたが「ああ、人間てもうダメだな」という絶望感みたいなものです。何か寄る辺なく途方に暮れるのです。それと深浦加奈子さんがいないという「不在感」が劇中ずっとありました。まるで深浦さんが出演されているようなものです。挿入歌「新しい歌」は鎮魂歌のようで、見終わった後まで耳に残りました。
前回の深浦さんの、あの不思議な透明感、夢か現かはっきりしない話のヒロインの実に自然な演技は、今考えても独特な存在感でした。

「途方に暮れる」今回のお話、相変わらずすぐ近くで普通に展開されているような日常、役者さんたちのすごく普通らしい(ありそうで)、でも突拍子もないような演技・・・舞台に出ていってつい「そうではないでしょう。そんなこと止めなさいよ。もっと前向きに考えましょう。」と口を出したい気分になりました。それが山内作品のねらいなのかな・・。
劇が終わった後に深浦さんの追悼の映像(美しい映像でした)が流され、感慨深かったです。

演劇が終わって外に出れば、これまた前回同様、寒く冷たい雨が降っていて、暗い雰囲気なのでした。そして一体他の人はどう思ったのだろうと気になるのでした。でも、こわいもの見たさで、また次も観たくなるのです。山内さん、次の作品もがんばって下さい。
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