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秋の味覚 [自然]

栗で有名な信州の小布施町。小布施でなくても近隣の市や村では、庭に栗の木がある家が多い。親戚の庭先に栗がたくさん落ちていて(ぱっくりイガ皮が開いて中身がこぼれている)まだ小さいよ、と言われたけどもったいないので拾ってゆでて食べた。信州はリンゴ、葡萄、栗、きのこ・・おいしいものがどっさり。

拾わないなんてもったいない大きさ。

何十年ぶりかでイナゴの佃煮を食べた。
「このイナゴどうしたの?」と聞くと「近所のおばさんが畑でイナゴ採って煮たんだよ。」それはそうだった・・。イナゴの佃煮の作り方なんか、昔と変わるわけなかった。何でもない食べ物なんだから。
イナゴは栄養あるおやつだと思いけっこう食べたけど、そのうち何となく気持ち悪くなってしまった。形があまり生々しいものだから・・・。

これはたくさんは食べられない。


本物の葉書です。「たらよう」という葉っぱ。裏に字を書いたと言う。


ざくろとりんご。りんごは紅玉(赤いほうが紅玉、黄色いのは新種か・・?)に限る。甘酸っぱさが強烈だけどこれがりんごの味というものでしょう。皮ごと食べるほうがおいしい。紅玉は時期が限られているので貴重品です。関東ではあまり見かけません。


きのこ汁ときのこの炒め物、それに保存してあったフキ。こうして並べるとなかなか豪華な食卓に見えるではありませんか。
自給自足も大いに可能性が見えます。


これは信州ではなく家の窓の前の木。だいぶ色づきました。(10月24日)



実りの秋〜信濃路 [自然]




もう手前の田は刈り取られている。早く写真撮らないと・・。

嬉しい季節になった。木の葉は色づき始め、いろいろな木の実がこぼれ落ち、何よりも黄金色の稲穂が美しい。空気は澄み、山々の陰影がくっきりとして、おまけに満天の星まで見ることができた北信濃の旅だった。
すすきとコスモスは秋の華。すすきの銀色のやはらかな光り、コスモスのちょっとした風に小刻みに揺れるさま、いとをかし・・・。


林の中に分け入ればキノコが「採って」と言わんばかりに目をひく。茶色のはキクラゲ、白色のは後で調べたらドクツルタケだって・・。食べるとコレラに似た症状になり死に至ることもある。あだ名も「死の天使」というから恐ろしい。これは通り道によくあるので要、要注意。
マイタケなどはなかなか見つからないけど毒キノコだけはたくさんある。

まだ山は紅葉をし始まったところ。空はすっかり秋の深い青色だが。

ガマズミの実

真夜中ふと外に出て見ると満天の星・・・。あんまり星だらけで笑っちゃう。
オリオン座なんか天が広すぎて、小さな三つ星にしか見えない。
よ〜く目を近づけると星がいっぱいなのがわかりますよ。大きくてひときわ輝いている星だけをパッと数えたら100個以上あった。次にこんな風な星空を見れるのはいつのことやら。
この時も、40分間くらい後には、輝いていた星空うっすらと霧がかかってきてしまいました。時刻は夜中の1時をすぎていました。

真ん中、アンドロメダ星雲
こちらはスバル


日本の山の話(日光) [自然]

異常な日本の暑さに倒れんばかりで、何か少しでも涼しい話題はと思い、今日は日光の話を。1000mはあるのだから、涼しいはず・・です。(スイスの氷河の話をこの時期に取り上げるべきでしたね。)

涼しげな湯の湖
湿原から臨む男体山

日光の湿原はだいぶ環境の変化を受けているようで、湿原ではなく草原のようになりつつあるみたいです。湖沼から湿原そして草原、森林へと移り変わるにはが悠久的な時が流れるわけで、そう簡単には草原になるはずがない。だから湿原に与えている人的原因はかなり深刻なものと考えられます。湿原の真ん中を国道が縦断し、湯川からの水を農地の農業用水として取水しているため、という原因に加えて、温暖化が重なり加速度的に湿原が失われ始めているようです。数十年を1年に縮めたスピードでしょうか。

湿原を回復させるための工夫をいろいろやっているようですが。
戦場ヶ原の湿原から見る日光の山々は爽やかであります。
そして緑みどりした川に沿って、白樺の林や草花の間を木道が続いています。川というのはすがすがしい空気の源。川が近くにあるだけで風景はぐっと魅力を増すのです。


   白樺       ホザキシモツケ      アザミ
この川はけっこう幅広でゆったりして水草が底にたくさん生え、川の流れになびいています。魚はいないかと思ったらいました。小さい魚の群れを見つけました。小さいのばっかりかと思ったら、ニジマスかヤマメのような魚を見つけました。川をのぞき込んでいると、何かいるのか、と通りかかりの人が聞く。「ほら魚、あそこに。」と指さしても、人に言われて見ても簡単に見つかるものではありません。いったん見つけるとよ〜く見えるんだけど。
そのおじさんもじれったそうに、「指さされたってわからない。中に入って教えてくれないと。」などと乱暴なことを言う。「私の真ん前ですよ。まっすぐ前!」と私もじれったくなる。「あっ、ほんとだ!見えた。」とようやく魚をみつけたおじさん「あんた目がいいねえ。」と感心していたけど、私は目はとても悪くていつも悔しい思いをする方です。

川の流れ

次に見つけたのが鹿の姿。日光に猿はたくさん見かけるけど、鹿を見たのは始めてです。川向こうなので鹿は、人の話し声にも、カメラにも全くおびえる様子はなく、川の中に首をつっこんでしきりに水草を食べていました。ときどき顔を上げてこちらをじっと見ながら、ゆったりくつろいでいました。屋久島の風景を思い出しました。

人間界と一線を隔てている動物たちを見ると、この世に嫌気がさしている私はほんとに、ほんとにうれしくなるのです。静かに森の中に暮らしている鹿や熊や鳥たち・・・。鹿が増えすぎて問題になったりしていますが、目の前に現れた鹿は、超然として神秘そのものです。
猛禽類の鳴き声も聞き、充実した山の中のひとときでした。


川の向こう岸に現れた鹿

   水草を食べています。カメラは普通のデジカメ。


日本の山の話(筑波山) [自然]

筑波山から見た関東平野の風景
関東平野にある山、筑波山(茨城県)に行ってみた。田畑が広がる風景の中、車で30分ほど上ると突如道路が終わり、駐車場に出る。私はその駐車場の周辺の全く醜悪な光景にまず驚いた。山の中に何やらけばけばしい黄色と茶色のペンキの色が目につく。茶色のものは巨大なガマガエルだった。それからくすんで色あせた子供の様々な乗り物の一群だ。どうして自然の美を壊すようなものを作ったのだろう。(きっと、それが建設当時の流行りだったのだ。文化だったのだ・・・)みっともないからと取り壊すような事はお金がもったいないからやらないのが日本の社会だから、これはまだ、ずっと残されるのだろう。

せっかく「山」と名のつく場所に来てこの風景にガックリしたけど、ロープウェイに乗って見ることにした。(このまま帰ったら何のために来たことか。)このロープウェイがまた私の価値基準からみるとはるかに高く、往復1070円だった。私はロープウェイというものは500円以下のもの、と思う。片道30分以上もあるなら別かもしれないけど、片道たった6分。

出発時間になりロープウェイの駅に出たとき、すぐ前にいた若者(男2人)が、駅の真下に広がる風景を見て、「わっ、すげくねぇ? これ!」と声を上げた。嬉しそうにケイタイで写真を撮り始め、ゆーうつだった私も、ちょっとフッと笑ってしまう。だって、この風景ほんのちょっと高い所から見た、ただの田んぼ。この高さから下を見たことがない人っているのかなあ・・。
それからロープウェイが動き出すとその若者達はすっかり興奮して声を上げるので、私も嬉しくなった。終点で降りて、ほんのちょっと登ると女体山の頂上。

ここから、若者澾の会話。
「やべっ!」「すげっ!」を連発。「あ、オレあそこでタバコ吸いてぇ。」切り立った岩の上に腰をおろしタバコを吸う2人。1人が2本目に火をつける。もう1人、「オイ、あんまりここの空気汚すなよ。」切り立った岩をピョンピョン歩き回る2人。「オイ、こっちに来てみろ、すげぇぞ。ライオンキングになれるぞ。」「おまえ、こわくねぇのかよ。」「ぜんぜん、落ちたら落ちたでいいし・・。」
と、まあこんな風におおきな声でうれしさを表すので、私まですっかりうれしかった。「年いくつですか?」と聞こうと思ったけど聞きそびれた。18,9才だろうか・・・。今までに山には登ったことが無いのだろうか。地を這うような生活をしているのだろうか。どうも、気になって仕方がなかった。

「やべっ」というのはヤバイ(感動しすぎて困るほど)を縮めた言葉なのでしょうか。何かこの言葉そのときは妙に説得力があるような気がした・・。

わずか800mのこの山頂、それでも雲が流れ、オニヤンマやアゲハ蝶がたくさん飛んでいた。
下り道、あの若者達は景色を見る前とはうって変わった明るい雰囲気で、ピョンピョン飛ぶように駆け下りていった。すれちがう人に大声で「こんにちはぁ!」「こんにちはぁ!」と挨拶しながら。
おかげで私も明るい気持ちになりました。


           駐車場の風景と巨大なカエル


オオオニバスの秘密 [自然]


子供の頃、セミは7年間土の中に生き7日間だけ地上に出て鳴くのだと、
聞かされ、なんてかわいそうな理不尽な生き物なんだろうと思った。
きっとセミにとっては土の中の7年間が充実した楽しい生活なんだと思
おうとしたけど、自分がセミだったらと想像するとやはり土の中は楽し
そうには思えなかった。

これはアマゾンの川に生息するオオオニバスという花の話。大きな2m
もの葉は浮力が強く子供が沈まないで乗れてしまう。
1日目、堅い表皮におおわれたオオオニバスのつぼみが朝ゆっくりと開く。
真っ白な豪華な花、甘いにおい。 そこにコガネムシが集まる。
花の中に何匹も入って花肉を食べる。
夕方オオオニバスはコガネムシを中にいれたままゆっくり花弁を閉じる。
2日目朝、ふたたび花が開き、閉じこめられていたコガネムシが花粉をい
っぱい付けて外に出てくる。このときのオオオニバスは濃いピンク色の花
と変わってもう甘いにおいはしない。コガネムシが新しく開いた甘いにお
いのする白いオオオニバスを見つけて飛んでいく。
3日目、ピンク色のオオオニバスは再び花弁を閉じ、やがて水の中に沈む。
これがオオオニバスの3日間の出来事。

そして水の中に一ヶ月。水の中で実がつき、その実がはじけ浮かんでくる。
その実が再び、大きな葉をつけ、花を咲かせる。
この生命の営みの見事さには何も言う言葉はない。


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