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今年もよろしくお願いします [乗馬]

IMGP0044.jpg往年の名馬3頭勢揃い
昨年一番お世話になったお馬さんたちです。
左からスノーフレーク、リバティ、プリン。スノーは今年30歳、リバティが29歳、プリンが25歳(?)になります。飯綱乗馬クラブの最長老たち。

IMGP0041.jpg雪の上でゴロゴロするのはみんな大好き

IMGP0079.jpgスノーとリバティはとても仲良し

IMGP0063.jpg「ぼくの顔なんか変じゃない?」プリン

IMGP0058.jpgリバティと私

昨年も馬にはずいぶん癒されました。「牛馬のごとく働く」という例えがあるように、牛や馬や豚や鶏などの家畜動物は「種」そのものが人に隷属しています。こういう絶対的隷属状態というものを想像することは難しいです。家畜にもうれしい、悲しい、つらい、不安、という感情があり、そういう感情を持った生き物が人に「隷属」するというのは何と不条理なことか。

それでも乗用馬は幸せです。身体をブラッシングしてもらったり、ニンジン、リンゴなどおやつをもらえたりするし、年をとっても大事にされています。上手な人が乗っているとき馬がとても楽しそうに見えます。
馬は、放牧しても、一瞬は走り回るけれどその後はボーッと立ったまま、ということも多いし、人を乗せて頭を働かせて走るというのは馬にとっても楽しいことかもしれないですね。

今年も馬と楽しく過ごせる時間がたくさんあるといいです。



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馬の気持ち〜馬のプライド〜 [乗馬]

IMGP0024.jpg木曽馬ユウキ
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見ているととても愛らしい木曽馬のユウキ。

今日は屋内馬場でユウキに乗った。ブラットン(Kさんが騎乗)という馬と一緒で、ちょっと早めに馬場に出たブラットンは早くも馬場の中を走り回る体勢になっている。
遅れて出たユウキと私はじゃまにならないように常歩を始め、速歩にしたけれど、ブラットンの動きが気になって思うように動けない。
ブラットンは蹄跡を駈歩で、ところどころ巻き乗りをしたり、輪乗りをしたり、手前を変え、と、ガンガン走っている。そうなるとブラットンに近づかないようにと、完全に<よけるモード>になってしまう。早めに避けるために、ブラットンへの指示に耳を傾けてしまう。
私がブラットンを避けようとするのと同じように、ユウキもブラットンを避けようとする。
馬と人間の気持ちが増幅して、私とユウキはただちょこまかと馬場の真ん中あたりをのろのろ走っているだけ。もう何を練習しているのかわからない。
最初の10分で「ああ、今日はダメだな」とわかる。スタートがのびのびできないときは、後からうまくもっていくことは、私にはかなり難しい。
走り回るブラットンをよけるストレスを人も馬も感じている。「重かったらムチ!」と声が飛ぶけれど、私としてはもうすでにかなり蹴飛ばしたりムチを入れたりしている。

<馬とケンカにならないように乗ること>という事が、いつも頭の中にあるのだけれど、もうとっくにケンカになっている・・・と感じている。
だから、今日はもうこれ以上はダメ、早く終わろうとあきらめ、ブラットンをよけながらなんとなしの速歩を続けているしかない。情けない。ユウキもかなりイライラしている。
右へ曲がろうとすると、2回ほど反対にグイと曲げられた。

そのうちブラットンに乗っていたKさんが、もう上がります、と言って常歩になった。ブラットンの動きが静まったので、やっと少しずつユウキが走り始めた。
そ〜してブラットンが場外に出て視界から消え・・

やれやれ、すっきりした〜!と私が思い、ユウキものびのびして速歩もスピードが上がった。
蹄跡を1〜2周して終わるつもりで、偶角の前でスピードを落としたら、ユウキの目がちらっと私を見た。(「ここで駈歩するんでしょ。」と言っている。)
そっか〜、とあわてて、合図を軽く送ったらすっと駈歩になった。一周だけだったけれど・・。
その後は常歩で少しだけ右に行かせる練習。「左じゃないよ、右だよ」と何度かやってレッスンを終えた。

洗い場でブラットンの一つ向こうにユウキを繋いだ。Kさんが「あれ、この子たち仲悪いね?お互いにガンとばしているよ」と。確かに、間にいたカントリーを飛び越して、二頭の間にチカッと火花が・・。
やっぱり馬場で走っているときから馬同士も面白くなかったんだな〜。でもブラットンはじゃまされたわけじゃないんだからユウキを睨むことないんでは?

ユウキには悪いことをした。乗り手が自信がないと、馬のプライドを傷つけてしまうような気がする。
ごめんな、ユウキ・・次はうまい人に乗ってもらって大きな馬を見返してやってね。

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ユウキはこの間テレビ出演もしました。(テレビ信州のゆうがたゲットという番組です)
長野版なので私は見られなくて残念でした。
ユウキに乗っているのは飯綱乗馬クラブのキタムラ指導員です。

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カントリーボーイで落馬 〜油断大敵〜 [乗馬]

IMGP0229.jpgカントリーボーイ

11月15日、カントリーボーイで見事、落馬。
駈歩で輪乗りをしていて急に馬がよれてあっという間に落ちていた。
これは落ちるな〜とわかるときは落ち方にも気をつけるのだけれど、自覚なしに落ちたため少し尾てい骨を打った。地面にころがって下からカントリーボーイの脚と顔を眺め、踏まれないように急いで起き上がった。
あいにく、馬場はややぬかるみで、背中からお尻にかけて泥まみれ。(今日は落馬したくなかった・・)

カントリーボーイは初めて飯綱の乗馬クラブで乗った馬なので愛着がある。
乗馬歴30年というSさんが、「乗馬用の馬はちょっとおバカで素直な子がいい」と言うので、「カントリーボーイはどうですか?」と聞いてみた。
「カントリーはちょっとおバカさん。神経の図太さがあって何事があっても簡単にめげない。私は好きですね。」とのこと。
私もまったく同じように思っていたのでうれしかった。
初心者はみなカントリーで練習するのだから馬だって神経が太くなければやっていられない。

カントリーは馬裝のときに自分の腹を咬もうとしたり、裏堀のとき後肢をうまく静止できず、勢いよく蹴り上げたりすることがある。でも動作の前に「○○するよ」と告げてから作業をすればまったく問題はない。

たまに乗車拒否をすることがある。手綱を馬の首にかけ、踏み台を置いて、いざ乗ろうとすると、カントリーが逃げる。これが何度か続き、左手に馬の手綱、右手に踏み台を持ってウロウロしたことがあった。
そして、私がしょんぼりした頃を見計らって、カントリーは突然静止しおとなしく乗せてくれる。
騎乗されるのを嫌がるのは何となく馬の気持ちになってみればわからないでもないけれど、突然「やっぱ、乗ってもいいよ〜」モードになるのはどういうこと・・??

騎乗しているうちに馬場の真ん中で固まってしまうこともあった。下手な乗り手に手綱を引っ張られ背中をドシドシ尻で打ちつけられたりしていたら、カントリーだってすっかりイヤになるにちがいない。
こうなると、動かそうと必死で横腹を蹴っても、固まった馬は動かない。
そうして、不思議なことに、こういうときもまた、私が<カントリー、今日はもうダメだね〜、あきらめた。>と言った瞬間に、カントリーは動き出すのである。
それまでどこかに身体のどこかに入っていた力が抜けたんじゃない?とSさん。
きっとそうなんでしょう。でも身体の力を抜くだけじゃダメで、やはり「もう終わりにしよう」と思わないとカントリーには通じないような気もする。

あきらめてションボリしたとたん動き出すカントリーボーイ・・優しいね。
それにしてもあんな風に簡単に落馬するようでは困る。変な風に手綱を引っ張ったのかな?

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北村宏司騎手来たる〜飯綱乗馬クラブ [乗馬]

10月18日、飯綱の乗馬クラブに北村宏司騎手が来るというので、午前中騎乗見物に行きました。
8時に行くと「9時過ぎだよ」と言われたので、クラブの愛犬ロンを連れて散歩したり、その辺を掃いたり、馬に話しかけたりして時間つぶし。

洗濯したゼッケン類を干そうと外に出たら、長身のすらりとしたきれいな人が「おはようございます!」と挨拶をしてきたので、<今日はここの会員さん以外にも北村騎手を見物に来る人もいるのかなぁ>と思いながら「おはようございます」と挨拶を返しました。(後で知ったことですがその人が北村騎手の夫人でした。)

厩舎の中から数人が出てきたので「こんにちは〜」と挨拶すると、「こんにちは〜」と元気に答えてくれた人、すれ違ったあとで「あ、今のが北村騎手?」と気付く。
時々テレビで見ている顔なので知っている人かと勘違いした私。とても気さくな感じで回りにとけこんでいるから余計わかりませんでした。

ライブラリ - 10628.jpg北村ご夫妻  

乗馬クラブの会員さんのご子息が競馬の騎手だと知って最近競馬を見るようになったけれど、それまでは競馬はまったく興味がありませんでした。馬は好きだけれど、ドドーッとあっという間に走り抜ける馬を見ても面白くも何ともない。(ある馬、ある騎手を応援してはじめて面白いのだとわかったのも最近のことで・・。)
それに、子供の頃から競馬場というのは世の『悪漢』どもがうじゃうじゃ集まっている所、という先入観を持っていました。(競馬ファンの人ごめんなさい)
機会があって初めて東京競馬場に行ったとき、広々していてきれいで、警備がビシッとしていて、東京の街中より安心できる雰囲気には本当に驚きました。

さて北村騎手は中学生まで飯綱乗馬クラブで馬に乗っていたそうで、引退した競馬馬を何頭か飯綱クラブに引き取っています、今日はその馬たちに騎乗しました。
プロの騎手なんだから上手なのは当たり前なのだけれど、何と言っても飾り気のない人柄に惹かれました。
ネバキングダムという馬に乗り、「ワ〜、久しぶり、2年ぶりかな、これに乗るのは・・」「なんか上手く乗れないなあ」とか言っている。(競馬の乗方ではないので) キングダムはレース中「ぶちっと大きな音がして靱帯が切れた」そうです。飯綱に来たときは脚を腫らしていて、直るまで半年以上かかりました。2年ぶりに会った馬に懐かしそうな笑顔の北村騎手でした。

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ネバキングダムに乗る北村騎手

北村騎手のお父さんが騎手の騎乗を見て「だめだな、ありゃ」と自分が乗りたい素振り。結局お父さんがキングダムに乗って、北村騎手はマチカネミノリに乗り替わり。
マチカネミノリを見てニコニコしながら「こいつ、絶対オレのこと嫌いなんだよな〜」とか言っている。
お父さんがキングダムを走らせているのを見て「うまいな〜」と感心していました。

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ネバキングダムに騎乗する北村騎手のお父さん

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マチカネミノリ

お父さんが「障害やろう」と言い、みなで坂道を降りて下の障害馬場に行きました。
しばらく跳んだ後、「(障害は長い間やっていないので)なんか、ドキドキしちゃった。」と感想を述べる北村騎手でした。

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親子で障害

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ピサノパテック  馬装しているのは妹さん

「この馬(現役時代)オレ、触れなかったよ。」だそうです。セン馬になった今でもけっこううるさい面を見せることのあるピサノパテックです。

オルゲゾグラフィという馬に乗って「これ、すごく「いい馬だなぁ」としきりに言っていました「先生がよそにやりたくないと言っていたのがわかるな〜。」
北村騎手の先生って誰かな、と思っていると「騎手にとって先生というのは調教師さんのことですよ。」と北村夫人が教えてくれました。

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オルゲゾグラフィ

オルゲゾグラフィは呼びにくいので、皆が「サンサイ」と呼んでいるようです。「4歳になったときどうするの?」など誰かが言っている。
「私は短くしてオルフィーと呼んでいますよ。」と言うと、「オルフィ・・オルフィ・・」と響きを確かめるようにつぶやいて「オルフィ、いいんじゃないかな、その名前」と。
一対一で話しているわけでもないのに、大勢の中の一人のつぶやきをさっと聞き取って答えてしまう能力ってすごいと思います。

とにかく印象的だったのは、北村宏司騎手は人ときちんと会話ができる人、ということ。
他人と(しかも行きずりの他人)しっかり会話をする人というのはよく考えて見ると、乗馬をするしないに関係なく、めったにいないものです。

私も、その場その場でいろんな人といろんな会話をするけれど、話しながら(誰でもそうだと思いますが)、答えというものを真面目に期待していない。その場かぎりの会話なんだから話している双方にとって挨拶の延長にすぎないと思っていて、お互いに軽〜く、それぞれ話したいことを話しているのです。

ところが北村騎手は違った。話しかけたことにまともに答えてきたのでびっくりしてしまった。
マチカネミノリの輪乗りをして近くに来た北村騎手に「今朝、その馬に20分くらい話しかけてやりました。」と小さな声で言うと「ありがとうございます!」とはっきりした返答が返ってきて仰天しました。
馬に20分話しかけた、など言ったら、普通は冗談言っていると受け取られるだけで「へぇ〜、何話したの?」とか「フフフ・」とか、気のない反応しか返って来ないものです。

でも間髪を入れずに返ってきた「ありがとうございます!」にはほとほとまいってしまった。と言っても何にまいったか、わかる人もあまりいないでしょう。(『ニッチ・マッケイ』の本が好き、という人はわかるかもしれない。)
ミノリと話した内容はまたの機会に・・。

「北村騎手は本当に素敵な方ですね〜。」と、私は近くにいた奥さんに思わず言っていました。

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会員のTさんの愛馬ラルス(オランダ産、馬場馬術の馬)に乗る北村騎手。
北村夫人が乗っているのは(馬に乗ったのはまだ3回目だそうで)、わが大先生のスノーフレーク。
馬場馬術馬のラルスの乗り心地は?と尋ねると「すごくいいけど、馬の動きが大きくてついていけないよ。」

記念に北村夫妻の写真を撮らせてもらおうとしたら、奥さんが「はじめにツーショットでどうぞ!」と、私と北村騎手を並べてシャッターを押してくれ、つぎに三人一緒の写真を他の人に頼むと、私を真ん中にしようとする・・すご〜い気配りを自然にやってしまうこの二人。なんか他の人とは違うなぁと感心してしまいました。

帰り際「ありがとうございました!」と皆に挨拶をして、ブーツをはきながら「ねぇねぇ、このブーツ見て、すごく安かったんだよ。韓国製、一万円!」と、奥さんのブーツを二人で見せて嬉しそう。中がフワフワのフリースみたいで、しかもサイズはオーダーでぴったりとか。(あれなら乗馬でも街でもいいな、私も欲しいな〜)
まったく自然体のお二人でした。5年ぶりの帰郷だとか。きっと久しぶりにリラックスできたことでしょう。

ライブラリ - 10666.jpgライブラリ - 10668.jpg
クラブ犬ロンと遊ぶ北村騎手
(ロンはこの後、アグッと北村騎手の手を少し咬んでしまったのでした。まったく何てことするの、ロン!!)

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スノーフレークと過ごした夏 [乗馬]

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スノーフレークが本当に名馬であり大先生であることを改めて思った。

1982年アルゼンチン生まれ、スノーフレークは若き頃は大障害を跳び、29歳の今もまだ練習馬として元気に活躍している。
穏やかで落ち着いていて何事にも寛大なスノーには、子供やビギナーがひき馬をしてもらった後、すぐに一人で乗ることができる。(年を取った馬がみな物に動ぜず、寛大になるというわけではない。)

最近、『乗馬教本/ミューゼラー著』(恒星社)を買ったら、あまりに面白くて夏の間ずっと繰り返し読んでいた。ミューゼラーはドイツ人、日本語訳は南大路謙一。原書は1933年刊行され、南大路謙一による日本語訳版が一般の人々向けに出たのは1983年という古い本である。
乗馬は相変わらずの初心者の私が言うのもなんだけれど、『ミューゼラー乗馬教本』は、どの乗馬教本とも違っていた。
大抵の乗馬教本は、ドライヴテクニックを書いた「自動車教本」のようなもので、技術を知る参考にはなるが、本としては面白くも何ともないものが多い。「こうです、ああです」「こうしなさい、ああしなさい」が羅列されているだけ。
「ミューゼラー乗馬教本』は、まったく違っていた。とにかく格調高い。
一つの事を言うに、あらゆる角度から考察されているため、自然に「乗馬をする上で何が大切か」が頭の中に染みわたってくる。
翻訳も素晴らしい。古めかしく、ゴツゴツした言い回しが哲学書のようで面白い。(漢字がむずかし・・)
文学書であり芸術書でもある、と思った。

たとえば、「あたかも二本の棒を以てする如く手綱を以て馬の口を押してやって頸を伸ばさす」という表現がある。この記述には、初心者の私でも、思わず、<う〜ん、そうだったか・・!>と、目が開かれるような気がする。
もちろん、できるわけはないとわかっている。

それでもスノーに乗って試してみた。常歩で手綱を張り、腰、脚を意識して、二本の棒を押しているんだというイメージで、手綱を馬の口に向かって前に出してみる。手綱はゆるんでしまう。
気にせず<これは棒だ>と思うようにしてまた前に出す。

イメージのようなわけにはいかないが、スノーは「アレッ?」という反応。耳を立て私に集中している。私が何かいつもと違うことをやろうとしていることは感じてくれているみたい。
そして、少〜し、馬の首が前に伸びたような気がする・・(?)
こういう反応をしてくれることが、スノーのすごい所だ。
乗り手が雑に手綱を引っ張り回してもスノーは文句は言わないが、デリケートな合図をしても素早く反応する。
<騎乗者の私に気を使ってくれているな〜>と思わず、頭を下げたくなる。常々、スノーフレークは大先生だと聞かされていたが、最近はK指導員いわく「スノーは大先生を通り越してしまったな〜。超越してしまったな〜。」
私もそう思います。

とにかく『ミューゼラー乗馬教本』のおかげで、すごく楽しくスノーに乗れた。自己流でやっているから、あまりしつこくはやらない。スノーが我慢してつき合ってくれているとしたら、申し訳ないし。

一通り運動をした後のスノーの常歩は、前半とは全く変わってしまう。
ポンポン脚が前に出て、頸、背中がはずむように揺れる。「始めの常歩と全然違いますね」とインストラクターのSさんに言うと「それは、馬がほぐれたからでしょう。」

馬がほぐれるのと同時に、私もまたほぐれているのです。
本当は騎乗前に十分に柔軟体操をして万全の体調で乗れればいいのだけれど、朝が苦手なため、身体がまだ眠っている状態でいつも乗っている。
スノーから下りるときに一番いい体調になっているのは何とも矛盾している。あと一時間早起きして軽く運動してから乗ればいいんだけど・・。

スノーフレークのイメージがあまりに強大だったので、乗れない今はスノーの絵を描いています。(東山魁夷の絵みたいになっちゃうな〜。)

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『第一回いいとき乗馬トレッキング大会』〜20km、40kmエンデュランス〜 [乗馬]

20011年9月3日(土)、『第一回いいとき乗馬トレッキング大会』が行われました。
『いいとき』の「いい」は飯綱、「と」は戸隠、「き」は鬼無里の三地区を表し、この三地区を結ぶエンデュランスコースを目下計画中。第一回目の今年は飯綱山の麓を回る20kmと40kmのコースでした。
長野、小諸、山梨、八王子、三重から参加者18名が集まりました。
はるばる遠くから参加するのは、エンデュランスコースが日本には少ないからでしょう。国土が狭い上に人口密度が高いので、馬が走ることができる道そのものがあまりない状況です。
今回のコースを作るにあたっても、主催者、関係者の相当な苦労があったと聞きます。エンデュランスのコースには何カ所か車が通る道路や登山道と交差する場所があります。人や車と出会った場合は、「人優先」「車優先」にするようにと厳重注意がありました。

スタートは大座法師池。馬好きの私は、コースポイントに立つ仕事のお手伝いをさせてもらいました。馬のためなら苦手の早起きも何のその。4時半に起きて5時に馬が集まっている飯綱ライディングパークへ。

IMGP0251.jpg5時,まだ暗い中で準備

IMGP0257.jpg山道は得意、木曽馬ユウキが出て行く

今回の最大の心配は台風でした。前日よりあちこちに台風の被害が出ていて、3日から4日にかけては長野も風雨がかなり強まるという予想での大会決行となりました。
当日5時、どんよりした雲に覆われていたものの雨が強くなる気配はあまりなく、なんともラッキーな事でした。
暑いよりは小雨がぱらつく位の方が馬の負担は軽くなるそうですが、大量の雨だと道路の状態がひどくなりかなり危険です。このまま何とか大会終了までもってほしいと願っていました。

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私のポイントは飯綱山への登山道入り口。
6時に到着したものの、スタートが6時半でまだかなり時間がありそうだったので、一人で少し登山道を上ってみました。天気が悪いせいか、うっそうとした木々がさらに暗さを増し、シンとしている。そしたら携帯で「熊が出る時期なので車のエンジンをかけラジオを付けていた方がいい」との連絡が入り、そうだった、と思いあわてて車にもどって待ちました。
スタートから30分くらいの地点と聞いていましたが、実際に20kmコースの先頭が通ったのは6時48分、18分で通過でした。
写真を撮ろうとしたけれど、林道の曲がり角からパカッ、パカッ、と蹄の音を高らかに響かせて姿を現す選手(馬)は、あっという間に通りすぎてしまうので、ピントを合わせるのはとてもとても・・。

IMGP0259.jpg20kmの先頭が走る
馬にピタリと吸い付いたように乗っている姿はさすが!でした。

私のポイントは、台風のため登山者の姿はなく、気楽に立っていられたのですが、この私が馬を驚かせる対象になってはまずいと思い、道路の端っこぎりぎりまで下がって静かに立ち、人馬が来ると、小さな声で(大声もだめでしょう)「がんばってください」とエールを送り、目立たないようにカメラを向けても、すでに遠ざかる後ろ姿のみ。
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40kmの先頭集団。あと30分ほどでゴールというところですが、人馬とも疲れを見せず、威勢良く駆け抜けていきました。


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40kmを走るセバスチャン号

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40kmを走るサダムブルームーン号。後ろに続くのは信濃飛竜号。

IMGP0283.jpgゴールにて
無事40km走り終えた笑顔です。

P1010529.jpg馬体検査
エンデュランス競技は、走り終わって30分後の馬体検査で馬の健康状態に問題なし、と宣告されて初めて完走したと認められます。検査を見守る皆の表情は真剣。「合格です」と獣医さんに言われてやっと回りから「おめでとうございます」と祝福されていました。

準備に奔走された関係者の方々、選手の皆さん、そして何より慣れない道を一生懸命走ったお馬さんたち、お疲れ様でした! また来年を楽しみにしています!

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また最初から [乗馬]

IMGP0006.jpgスノーフレーク

6月11日にリバティとポニーのプリンが志賀高原に行ってしまった。
私にとっては6月3日がリバティのラストランだったな・・。冬になるとまた戻って来る予定だけど、リバティは高齢なのでそれまで元気でいるのか、戻って来たときに乗ることができるのか、先のことはわからない。

乗馬クラブに行ってもなんとなく寄る辺ない。運動音痴の私はすっかりリバティに頼っていたし、プリンの散歩も一緒に走ったりして楽しかった。プリンは小さいのに気が強く愉快な性格だった。

リバティがいなくなったのでまたスノーフレークやカントリーボーイに乗るようになった。
去年の10月30日まで時々スノウに乗っていたけれど、それから半年ぶりになる。
リバティに比べてスノーフレークは想像以上の速さだった。常歩(歩き始め)からして10倍以上のスピード感があり怖いほど。相変わらず跨がったとたんトントン前進するので腹帯も歩きながら締める。
反動も大きい。なぜこんなに張り切っている(ように見える)のかよくわからない。
人が乗ったら重くて嫌で、のろのろしか歩きたくないのが普通じゃないかと思うけれど・・馬の気持ちはやはりよくわからない。

さて10倍以上のスピード感に慣れるのはなかなか大変そう。
緊張して体が固まってしまうのが自分でもわかる。速歩にするとよけい反動は大きく軽速歩でもなんだか尻がポンポン弾んでしまう。
ひたすら怖い。怖いけど駈歩もやってみる。
確かスノーの駈歩はすごくまっすぐで安定していたはず、と思って合図を出すと、やはり安定した駈歩だ。この感覚久しぶり。
安定していると思いながらも手綱を引っ張ってしまい馬が止まってしまう。
昨日、試合前の調教でクローネに乗っていたK選手が、私の乗り方を見て、「わかった、ゆっくり駈歩させようとしているからうまくいかないんだよ」と。「ゆっくりの駈歩の方が難しいんだよ。もっと走らせなきゃ。」とのことでした。
なるほどな〜。私は、馬に乗りながら「速くなるな。ゆっくり、ゆっくり。」と心の中で思っているものな。スピードが怖くて走りたくないなら、馬に乗らなければいいのだが、一応走ってしかも安全スピードで、と矛盾したことを考えているのだ。
速歩も速いほうが楽なんだそうだ。

今日はK選手の言葉を忘れないようにと思って乗った。馬場は私一人だった。今日のスノーは眠そうで昨日に比べ動きが遅い。2度つまづいた。
速歩を続けだいぶしゃっきりしてきたので輪乗りをして駈歩発進。まったくスムーズに発進するが止まってしまう。まだ推進が足りないようだ。
何度か手前を変えたりコースを変えたり変化をつけてみた。だんだんエンジンがかかってきて駈歩が続くようになった。
なんと、私にとっては初めてのことだが、心の中で「もっと走れ、もっと速く!」と念じ、スノーに合図を送った。速いほうが楽、というのは本当だった。
今まで何やっていたのかなあ。自転車だって遅ければグラグラしてしまうんだよね。
駈歩より速歩の方がバランスがむずかしい感じがするのもそのせいか。

思った通りの練習ができたので25分くらいで終了。
スノーフレークはリバティよりさらに一歳年上なので無理はできない。
天気が良かったので丸洗いし、乾くのを待つ間、馬体のマッサージをした。

スノーは大障害を跳んでいた馬で「飯縄乗馬クラブに来た頃、こいつは本当にすごかった。まるで天馬、ペガサスだと思ったよ。」と往年のスノウを知る方が語っていた。
今だってすごいものなぁ。誇り高い顔をしている。スノウにもリバティにも35歳くらいまで元気でいてほしい。イギリスの最長寿の馬は42歳だというから・・。

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馬と犬と鳥と・・ [乗馬]

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子供の頃の夢は馬や犬や猫や鳥に囲まれて暮らすことだった。
「愛馬フリッカ」や「黒馬物語」にものすご〜く感化されて、そういう世界をいつも夢見ていた。それは叶わぬ夢だったけれど、ふと気付いたら、最近、馬や鳥や犬と一緒にいる・・。
一緒に住んでいるわけじゃないけれど、「あれ、いま、夢の生活に近いことをしているみたい。」と思ったりする。

リバティとロン(犬)
騎乗後に裏山で散歩させてやるようにした。馬だってお仕事ばかりではなく楽しいこともしたいだろう。ひき馬が楽しいことか馬に聞いたことはないけれど、ぐいぐいと前に進むから楽しいのだろう。
春になって草が生えてきたから馬はうれしくて仕方がないのだ。草は何でも食べるがクローバーが好物みたいだ。ふきのとうは食べない。
むしゃむしゃ15分くらい気持ちのいい林の中で過ごすと満足するようで、馬の表情もいきいきしてくる。
ところで、馬と犬はかなり接近しても一向に平気。
でも、鼻先をつき合わせて双方ガブッと咬むように威嚇することもある。だったらそんなにピッタリくっつかなければいいのに。

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ロンは馬の手入れをしているといつもやきもちを焼く。木曽馬ユウキの隣の馬房がロンの家で、ユウキにニンジンをやるとロンもほしがる。「これは食べないでしょ」と言いつつ一応ニンジンを差し出すと、意地でも食べるからすごい。
ユウキが外の洗い場に繋がれているときロンがユウキのトウモロコシを食べていて、それを見つけたユウキが怒った。どっちかって言うといつもロンが悪い。でも馬の方が人にかまわれているため(仕事とはいえ)、ロンが張り合うのも無理はないのだ。
馬と同じようにブラッシングもしてほしがるようになったので、忙しくなった。

ポニーのプリンはもう仕事をせず、連れ出すのは散歩だけ。本人がそのつもりでいるので、ひき馬をするとぐんぐん前に歩く。
坂道まで来るともう走る態勢。じろっと横目で私を見たとき、「あ、こいつ走る気だな」とわかるので、ひき綱をしっかり持ち足を踏まれないように気をつける。
プリンがダダッと小走りになり、私の前に回り込み草を食べる。これを繰り返しながら坂の下まで行く。

あずまやで一休み。
グイグイ頭を押し付けてくるプリン。(遊んでいるつもりなのかなあ。)

ライブラリ - 9846.jpgライブラリ - 9847.jpg
プリンの頭突きはすごい

帰り道は。プリンが駆け上がるから引き綱にしがみつき、ひきずられて登る。小さなソリをひかせたら面白そう。それにしてもすっかり元気になった。半年前は歩くこともつらそうだったのに。

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さて「馬と犬と鳥」の鳥ですが、この辺り野鳥がものすごく多いのです。馬の厩舎には毎年ツバメがどっさり巣を作っていて、可愛らしい声で鳴き、目の前を飛び回っているし、林の中ではウグイスやシジュウカラやヤマガラなどのカラ類が、にぎやかに鳴き交わしています。春爛漫!

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馬に感謝 [乗馬]

地震の後、体調悪く(精神的ショック?)ずっとひきこもっていましたが、この間久しぶりに乗馬クラブに出向きました。こんな大変なときに乗馬なんて、と自粛していましたが、馬も働いているので・・。
今日は一鞍めがカクテルパーティで駆歩レッスン。

2009 - 0875.jpgカクテルパーティ

10頭でサークルを走りました。カクテルパーティに当たることが多いので気楽に乗れるのですが、最近どうも反対駆歩になりがち。
左手前で走るのに右手前が出てしまう。前回と今回と二度続けてこんな調子。乗りづらくて仕方がないのですが、どうやっても右手前駆歩になってしまう。
それまではこんなことはなかったので、もしかして私のバランスが変わったのかな、右にずれているのかな、と自分なりに考えてみるけれど、私のレベルではどうもわかりません。
馬上で「こら、そっちじゃない、こっちの脚! カクちゃん、カクテル、カクノシン!」といろいろ大声出してみるけれど、声でだけでは馬には伝わらない。う〜ん、どうしてこうなっちゃうのかな・・とすっきりしないままレッスン終了。

2009 - 0880.jpgイレーヌドイル

二鞍めは馬場でイレーヌドイル。若い牝馬で美人。
が、けっこうわがままなところがあると言われているイレーヌ。最初のゆったり歩きをしているとき柵の出入り口のところで、意味もなく急に蹄跡をはずれて中にぐにゃっと入ってしまった。あれっと思ったけど、ちょっと鞭で触り蹴飛ばしたらすぐ元に戻り、何事もなかったように歩き始めました。
馬はときどき、こういう風に乗り手を試すようなところがあるみたいで、最近はさすがに馬のそういう気まぐれには驚かなくなりました。

この間、中級障害のレッスンを見ていたら、馬が柵の角に逃げ込んで動こうとしない。乗っている女性が蹴って動かそうとすると馬がいきなり前脚を高くあげて立ち上がりました。すると乗っていた人がバチンと馬の頭をたたき、馬は急におとなしくなって、またレッスン再開でした。ふ〜ん、上手な人はすごいな、あんなふうにするのか、とすごく感心しました。
私は、馬が予期せぬ行動をすると「どうしたんだろう、何か問題でもあったか、私が変なことをしたか」とアワアワする方ですが、最近は少しは慣れてきて、そういうときはあわてずにびしっと(のつもり)合図を送るようになったかな。
イレーヌは反動が大きく、前の馬が止まるとすぐに自分も止まってしまう傾向があるけれど、それも数回乗っているとだいぶなれました。
だいたいどんな馬も2〜3回乗ると、馬の癖もわかってきます。

久しぶりの乗馬は、やっぱり馬はいいわ〜という思いを抱かせてくれました。
人間界は地獄の沙汰も金次第、という風で、毎日のニュースを見ていても暗くなります。そこにいくと動物はまったくシンプルで無欲。
一緒にいるとその単純さに癒されます。

「今日は『地震うつ』を馬に癒された〜」と話すと、顔見知りの会員さんが「どうりでカクテルとイレーヌはどっと疲れた顔をしていたよ」
確かに、馬も私みたいに憂うつな気分をかかえた人間と関わっていると、疲れるかもしれないな、と、冗談ごとではなく感じました。


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乗馬姿勢 [乗馬]

乗馬は一向に上達しそうにありません。
乗馬を登山に例えるなら、まだ登山道の入り口にもたどり着かず、山の裾野をさまよっている感じ。時々仰ぎ見る山の美しさに心奪われながら・・・。

乗っている時間がまだまだ少ないということの他に、もともと運動音痴で非常に不器用。特にスピード感があるものは苦手で、ジェットコースターなどもってのほか。
だから根本的に乗馬には向いていないのです。
それでも足代わりに馬を使って暮らしていた時代の人々のことを考えると、得手、不得手を超えたものであるはず。
運動が苦手でも自転車には誰でも乗れるようになるし(曲乗りはできなくても)、車も一応運転できるようになる。
私はその程度に馬に乗れるようになれば大満足なのだけど。
ところがこの「普通に乗る」ということが私にはむずかしい・・。

私の目下の悩みは、一番大切と言われる『バランス』つまり『姿勢』です。
乗馬を初めて真っ先に言われることは「背筋を伸ばし胸をはる」ということです。
こんなことは誰にでも簡単にできるものだと思うけど、ちょっとの間はいいけれど、この状態を保つことが難しい。馬の背中に乗って馬が走り始めたとたん、せっかくの「背筋伸ばし胸張り姿勢」が崩れてしまう。どうしてもどうしても崩れてしまう。

やはり馬上のきれいな姿勢というのが付け焼き刃だからだめなのかな。
もともと良い姿勢の人は上達も速いようです。

「姿勢」といのはその人の性格を表している気がします。「性格」というより、その人の「生き方」や「考え方」かな。小さな子供というのはみな同じような動きをしています。それが年令と共に、いろんな経験を積み上げていくうちにその人らしさがつくられて姿勢にも表れる。年を取れば取るほどそれは固まっていくので、修正が難しくなる。

ちなみに私は前屈み。猫背というほどではないけれど少し前屈みで、うつむきがち。つまり肩をすぼめ頭がすこし前下方に向いています。
これは私の人生そのものなので、これを変えるのは本当に難しいことです。乗馬クラブに向かうとき、時々車を運転しながら「そうだ、姿勢をよくしなきゃいけないんだな」と思い出し、背筋を伸ばし、胸を張ってみる・・。
すると私の頭の中で不思議なことが起きる。それまでぼんやり考えていたものが別の形を取り始める。何というか、頭の中でカキーンという音がして、しゃんとするというか、攻撃的になるというか・・・つまりだらしない格好をしていたとき比べ、私という人間の輪郭がもっとはっきりし、とんがってくる。(気合いが入った状態というのはこういうのかな・・)

こういう心理状態は馴染みがないのでやはり続けるのは難しい。ぐちゃぐちゃ、くよくよ考えている方が居心地がいいのです。
この辺が私が乗馬に向いていない原因なんだろうな、と思います。
馬も、とぼとぼ歩く馬が私にはしっくり来るのかも知れない。はりきって、ぐいぐい行きたがる馬はどうも苦手。これではいつまでたっても上達は望めないだろうとつくづく思うのです。
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