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スペイン一人旅(2)〜美術の宝庫マドリッド〜 [旅行記]

IMGP4471.jpgスペイン広場前
このツアーには日本人ガイドによるマドリッド半日観光がついていた。安全を考えて集合場所のスペイン広場前までタクシーで行った。こういう観光ではゆっくり見て回れないけど、初めての場所の様子を知っておくのには便利。大体の様子をつかんで、良さそうな場所にはまた行けばいい。

それにしても、現地の日本語ツアーというのはせっかく外国に来ているのに日本人が集まるので、楽しいとは言いがたい。せっかく外国にきて日本人ガイドツアーというのはなるべくやめたい。
でも、朝も午後も夜も危険だから一人で行動しないように、と念をおされ、一体ここで何をすればいいのだろう??
安全なのは午前9時から午後1時位までしかないってこと?
解散後に一人で昼食、豆のスープにマス料理、プディング・・観光客向けなのか大ざっぱでおいしくないランチだった。疲れすぎてほとんど食欲もなかった。

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さて何をしようか迷う必要など全くなかった。マドリッドにはプラド美術館、ソフィア美術館、ティッセン美術館という三大美術館が隣接している。市内観光で場所がわかったし、プラド美術館は中で1時間ほど過ごせたので様子もわかっている。
まずティッセン美術館、その後プラド美術館をもう一度訪れることにした。

ティッセン美術館は本当にすごい。もともと個人(ティッセン男爵)の収集品(世界大2位の規模)だったものをスペイン政府が買い取ったというが、中世美術から現代絵画、キュービズムからポップアートまで800点もある。世界美術史に出てくる画家の絵はすべてずらりと揃っている。これはまあ、財宝の山だ。

プラド美術館。こちらはスペインの目玉。世界三大美術館の一つ。もともと王室コレクションだったのが国営になった。作品数9000点・・・気が遠くなる。この中には盗品、略奪品が一切ないのが自慢なのだそうだ。スペインの巨匠、エル・グレコ、ゴヤ、ベラスケスの誰でも知っている作品が目の前にずらりと並ぶ。
美術館は一人にかぎる。誰に気兼ねもせず、好きなだけ眺めていられる。
ゴヤの「着衣のマヤ」と「裸のマヤ」、それにボッシュの「悦楽園」の前はけっこうな人だかりだった。何気なくラファエロなんかが飾ってあるので、とてもすっとは通りすぎることができない。2,3度は館内を回ったような気がする。

帰りもタクシーでホテルまで。(後で日本人はすぐにタクシーを使うと言われたのだが、「危険」を連発されたため、他の交通手段は思いつかなかった。)
美術三昧の一日・・夜は朝の残りのパンをかじって寝た。

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スペイン一人旅(1) 〜不安な出発〜 [旅行記]

IMGP4466.jpg スペインを訪れたのは2004年3月で、9.11テロの半年後だった。旅行会社に申し込んだ頃にスペインのアトーチャ駅で爆破テロがあり、千人以上の死傷者が出た。スペインがイラク戦争に加担したためと言われた。旅行は無理かな、と思ったが友人らは「どこだって危ないよ。一度あった所に二度はないでしょう。」など、無責任な事を言っていて、どうしようか迷った。 行く決心がついたのは、スペインがこの自爆テロで、イラクから軍隊を引き上げたというニュースのためだ。スペインはいい国じゃないか、と思ったのだ。 さて、旅行準備を進めていくうちに「海外安全情報」を見たら、スペインの治安はひどく悪く、特に日本人旅行者は強盗、殺人の被害にあうので要注意、とあって、また考えてしまった。 バッグはたすきがけにしてはならない、なぜかというと、強盗にあったとき命までなくさないように、ブラブラ手にぶらさげている方が良いのだそうだ。これで一気に不安は増大した。 最後まで止めれば良かった、とくよくよしながらの出発。持ち物はすべてなくなっても惜しくない物に固めて・・。 スペインは直行便というのはなく、ロンドンのヒースロー空港乗り換えで現地には夜の10時ぐらい着の予定だった。もちろん、ホテルまでの送迎を予約した。 こういう不安なときに限って、ヒースローからスペインまでの飛行機は2時間もおくれ、ヒースローでひたすら掲示板とにらめっこだった。 やっと到着して出迎えた送迎車(私一人)に乗り込み、ホテルに着いたのは12時。疲れてフラフラしている私に、旅行会社の現地スタッフの人が何やら説明を始めた。 スペインは非常に治安が悪い、ホテルの近辺が一番危ない(観光客がねらわれるため)、夜は絶対に外を歩かないこと、早朝も危険なので散歩したりしないこと、午後はもっとも危険(みんな昼休みで歩いているのは、観光客と泥棒ぐらいのものだ)、とまあ、こんな話を聞かされた。朝がだめで、午後がだめ、夜がだめってことは、午前9時から昼までの間だけってことだ。話をききながら、どんどん気が滅入って、部屋に入るときはつい書類をロビーに置き忘れそうになり、また、だから言わんこっちゃない、とばかりに旅行会社の人にくどくど注意されたのだった。 「部屋に入ったら鍵をかけて下さい。5分後に電話をして無事を確かめますから、」と言われ、最後のとどめをさされた気分だった。ホテル内でも危ないの?と思った。スペインにようこそ、という雰囲気は微塵もなくほんとうに不愉快だった。 不安で暗い気分でのスペイン第一夜、考えたら、日本の我が家を出てから24時間も経っていた。

雪国の風景(2) [旅行記]

朝もやの中
太陽がまぶしい

翌朝の天気は晴れ。コテージの人達も「朝から晴れたのは30日以来ですよ。」とニコニコしている。雪国に住む人にとって太陽の光は一種格別の幸福だ。
そして陽の光りの中で輝く雪のきれいでまぶしいこと。目を痛めてしまった。
雪の中ではサングラスをかけていないと、「雪目」になってしまう。

きれいな景色というもは不思議な効力を持っている。「こんなにきれいな景色を見れて良かった」と皆思う。
絶望の種は至る所にあり、不安や悲しみが生い茂っているような生活の中、唯一希望をもたらすのが自然界の汚れない美しさだ。一体、きれいな風景を見て心が和む、ということは何故なのだろう。
どんなに嫌な気分のときでも、澄み切った青い空に白い雲、遠くの四季折々に色移る山々、そして夜に降った雪がすべてのものの上にふっくら積もって輝いているような風景を見ると、不思議と心が元気を取り戻す。

何故かはわからないがそういうものであるとすれば、子供の頃にできるだけ美しい自然の中で育つということは大切だということだ。絶望したり、悲観したとき、どうすれば元気になれるかを知っていることはかえがたいこと。あそこに行ってみよう。もう一度故郷を見てみよう。そう思ってはるばる故郷の山々や海や田畑を見に行く。それで元気が出るなら・・。

夕方になると空が夕焼けにうっすら赤く染まり、そこで見る雪の中の千曲川はより寒々としていた。対岸の小さな村の家並みも寂しさをまして見える。
なるほど清少納言の「枕草子」にあるように「冬はつとめて」早朝がいいのだ。
朝のぴりっとした寒さ。太陽が、夜ふりつもったまだ人の足跡もない雪の上に輝き、次第に暖かさをましてくる。晴れ晴れした一日の始まり。
昼過ぎともなればあっという間に陽は傾きはじめ、すこし溶けたかかった雪に足跡がぐちゃぐちゃと乱れている。一日の仕事に疲れ、あるいは、ずっと暖房の中にいたために、だるくなり頭も痛くなってくる。
陽が沈めばまた寒さがぐっと身体にこたえる。秋の夕暮れなら風情もあるが、冬の夕方にはなんともいえないもの哀しさがある。


千曲川


雪国の風景(1) [旅行記]

森の家
「一里一尺」というそうだ。一里のちがいで雪の多さが極端にちがってしまうこと。毎年、雪の多いこの地を訪れる。ブナ林の残っている里山だ。ここのコテージ「森の家」は、今年もたっぷりの雪で出迎えてくれた。着いた時はちょうど雪が降っていて灰色の空に雪の真っ白が幻想的だ。子供の頃、夕方に雪が降っているほど淋しい景色はないと思っていた。こういうときは早く家に帰って暖まろうと急いだ、その気持ちの記憶が残っている。
今は雪のない所からポンとやってきたから、ただ雪が嬉しいだけ・・。

それにしてもそれほどの大雪でもないのに道路に雪がたくさんあった。コテージの人に聞いたら、除雪も民営化したら全くダメになってしまったそうだ。
そらね、ここでも民営化のせいでダメになったものがある。そのうち日本もアメリカ並みに台風や大雪の災害があっても、政府は何もしてくれなくなるだろう。だって公務員がいないのだから・・。

いろいろな物音を雪が吸い取ってしまうようで、雪の中に埋まった家は本当に静かだ。暖炉の火がこのうえなくきれいだ。ハウルの城のカルシファーみたいに生きているように見える。暖炉がある家には住めないけど、ここでだけ暖炉の火を楽しめます。

夜になっても雪は降っている。外に出ると動物の足跡がたくさんある。真っ直ぐなこの足跡は狐でしょう。くるっと一回転していたりしていておもしろい。

ライトの中で見る雪。月明かりでないのが残念。月明かりだともっと明るくきれいなのですが。


冬景色/列車の旅・北信濃 [旅行記]

車窓からの浅間山
1月3日、世間の人々より一足おくれて田舎に帰省しました。新幹線もすいていてとてもいい気分でした。写真は列車から見えた浅間山です。新幹線から写真を撮るのはかなりむずかしいです。この辺に何があると知っていなければあっという間に通り過ぎてしまい、写真は撮れません。おまけに信越線はトンネルも多いのです。
前の座席のカップル(スェーデン人とイギリス人)もしきりに写真を撮っていました。二週間の休暇でまず東京、そして長野に向かうところと言っていました。東京は大きくて混雑していたでしょう、と言うと「その通り」と大きくうなずいていましたが、日本はベリーベリーナイスだとほめていました。どこが、とは聞かなかったけど、そうかな、そうかなあ〜・・と、よその国の人から見て良い点があるのかと少しうれしかったりします。どこが良いと思ったのか考えてみると、日本の冬の天気のことじゃないか、と思うのです。冬型の太平洋側の天気は、空気は冷たくとも太陽が燦々と澄みきった青空に輝き、毎日見てもきれいです。
夜の長い北欧の国や、太陽がめったに顔を見せないイングランドの冬はかなり陰鬱なものにちがいありません。夏目漱石が鬱々としたロンドン滞在を送ったことは有名ですが、半分は太陽が出ないロンドンの天気のせいではないかと、私は思っています。

長野駅前

長野駅、さすがに空気の冷たさがビリッとして違う。高村光太郎の詩「冬が来た」を思い出します。「冬よ、ぼくに来い。」というあれです。
長野電鉄線に乗り換えて信州中野まで。この路線の景色も良いところがたくさんあります。遠くの山々を電車からはうまく撮れないのですが、雰囲気は伝わるでしょうか。


遠くに五岳が見える


晩秋の北信濃 [旅行記]

葉を落としたブナ林
北信濃、この秋最後の写真です。
急に寒くなって昨日、今日と、日本海側では大雪が降っている。
月一度故郷の北信州に帰るのだけど、10日前の景色が秋の最後だったかな・・。
一ヶ月はとても早く巡ってきて、なんだか忙しい。長野まで行くのがおっくうなことも多いが、行けば行ったで山の風景の移り変わりをその時々に楽しめる。
今は雪に埋もれているだろう。
山と海のどちらに住みたいかと問われれば、やはり山だろう、と思う。
山に住んでたまに海に行ければいいか。今いるここには居たくないな、と思いながら生活している。

さて信州は今年は暑さが9月いっぱい続いたせいか、虫が多く、葉っぱがみんな虫食いになっていたし、いつもより紅葉も鮮やかではなかったそうだ。
山の上の方にあるブナ林は他の木々より早めに葉を落としてしまう。遠くから見ると灰色の幹の色が景色の基調だ。ブナの黄葉も見事だけど葉を落とした灰色のぼーっとした感じの色合いもまたいい。
11月上旬、灰色の山肌にまだ葉をつけているもみじや楓がアクセントになっていた。針葉樹の深緑もアクセントだ。この針葉樹はふだんあまり良いとも思わないけど、雪が降って青黒い葉の上に白色がフンワリ置かれるととても映える。

日本の豪雪地帯である飯山市と中野市の境目に高社山がある。高社山があるため雪の量がぐんと違う。千曲川がその横を流れている。子供の頃は、高社山に3回雪が降れば市街地にも雪が降ると言われ、首を長くして雪の降るのを待っていたものだ。今は、冬は暖かいほうがいい。でも、田畑や山林がきれいな場所というのは、雪も多いものなのです。12月から4月末まで、5ヶ月も雪に覆われる所というのは一種、清浄さがあるものです。
今年は雪はあまり降らなかった。なにしろ、その前の年に80年ぶりという大雪だったので、降り尽くしたか、という感じがありました。でも年内11月末にこんなに降ってこれからどうでしょうか。大雪だと雪かきも大変な作業です。


すすきの原っぱというのはとてもきれいだ。朝日も昼の光りも、夕日も、すすきに当たるときらきらと楽しい世界をつくり出す。この色はたいしたものです。

池に映る山
まだ残っていたもみじ
千曲川

秋の空の下、冷たい輝きを持って流れる千曲川。これが冬ともなれば辺りは一面の雪景色となる。

これぞ秋の色


沖縄への旅(その2) [旅行記]


珊瑚礁のエメラルドグリーンの海と、その外側の紺碧の海は完璧な自然美・・。沖縄の海は世界でももっとも美しい海の一つ。
見ているだけで心安らぐなんて贅沢なものです。
いつも音楽を聴いたり、本を読んだり、なんとか自分の居心地の良い世界を持とうとしている私ですが、この自然美を前にすると何をする必要もない気分です。

きれいな海をみると、よほど寒くないかぎりは中に入らずにはおれない質です。泳ぐというよりただ中に入って魚を見たいだけ。(第一泳ぐのは不得手で、海水に浸かるだけでいいのです。) 日程の間に何とか泳ぐ隙を見つけました。
沖縄は10月末というのに気温は27、8度あり、水温もまあまあで、念願叶って海水に浸ることができました。海に入っていたのは私一人でしたけど・・。
ただのビーチなので魚は見えないだろうと思っていたら、それでも岩の近くに魚を発見、魚と同じ空間(この場合海中ですが)にいられるということが、とても不思議でうれしいのです。

魚の真似をしてゆらゆら静かに浮いていると、魚の方もだんだん慣れてくるようで、近くに来たりします。じっとしていると何種類もの魚を見られるので飽きません。小さな群れを見たのはビックリ。海水浴場なのにねえ・・。
30分も海水にただ浸っていると原初の人間に戻れたような気分になり大満足。これでちょっとパワーアップできたかも。
(この間、友人はビーチの岩の上を花の種やら何やらを探し回っていたみたいで、2人ともそれぞれ満足でした。)


カニやヤドカリもかわいいものです。小さいのに元気があって大きな人間にも負けじと攻撃してくるところが本当にかわいい。
この白いのは丸くて小さくてたくさんいましたが天然記念物と聞きました。天然記念物でなくても、こんなにかわいいものはちょっと見たら海に帰してやりたくなります。



こちらは水族館の魚ですが珊瑚礁にはこういう魚がうじゃうじゃしていて竜宮城みたいです。
海の上からは見ることはできないけど、こういうかわいい魚や、イルカやジュゴン、ウミガメやマンタ、クジラが住んでいるのが海・・。
地球って陸上に住む人間だけのものではないなあ、と実感できるのが海や山に行ったときです。

南国の木

また料理のおいしいことも楽しみの一つ。そこでしか味わえないものがあるというのは大きい。でも一番料理をひきたてているのは自然の素晴らしさでしょう。


ホテルの居酒屋でもおいしくて安い料理が。冷たいビールもおいしい。


招き猫がいる店。本当にしっかり仕事をしている猫でした。その店に入るつもりなかったのに、すり寄られてきて誘惑に負けました。

南国でのリフレッシュ効果、いつまで続くことやら。


沖縄への旅(その1) [旅行記]


旅に出るといつも急に元気になるのは、現実から逃避、というか遊離できるためなのでしょう。現実が変わるわけでは決してないのに、気分が変わってしまうというのは不思議なものです。
別の地点に立つと別の視点を持てるみたいです。時々視点を変えてみるのはすごく有効。でも、飛行機に乗るぐらいの遠さでないと現実からは逃げられないのです。

さて10月29日から友人と2人で沖縄に行きました。(今回はただの物見遊山ではなく、沖縄辺野古岬の基地建設を止めようとがんばっている人達に声援を送るという、大事な目的がありました。この報告は「ブナの森とふくろう」に載せています。)
のっけから話に夢中になって浜松町を乗り過ごし、モノレールに乗って浜松町から20分で羽田空港とは、便利なものだなあ、と思っていたら、第一、第二ターミナルがあると知って、あわてて隣の人に沖縄行きはどっちか教えてもらったり・・。
国内だと思って油断し、旅行社から送られてきた書類を見もしないかったのがまちがい。やはり言われた通りにやるものです。書類には「ご確認下さい。」とちゃんと書いてあるのだから。

飛行機に乗ってやれやれ、と思っていると後ろの座席から若い女性らしいキャピキャピした声が・・。やだなあと思ったけど(私は今風の若者の話し方はとても苦手)、実際はわれわれのほうがずっとうるさかったのです。
友人は大きな声で「後期高齢者医療制度」など、社会問題をまくしたてるものだから。回りの座席は静まりかえっているのに気付き、さすがの私も本を取り出して会話ストップ・・。(回りの人うるさくしてスミマセン。)

到着してレンタカーで沖縄北部に向かいました。運転手は友人。いくら運転しても平気と、私とは正反対の人なので助かってます。沖縄は本土より日は長いけどそれでもさすが6時には暗くなり、回りの景色は見ないまま目的地のホテルへ。
ナビが付いている車って初めてだったので使い方がわからずオタオタしたけど、無事2時間近くのドライヴが終了して「このナビえらいね。」と私。「ナビえらいね。最初信用しなかったけど信用して良かったね〜。」と友人。

波音が静かに聞こえるホテルで眠るのはとても久しぶりで嬉しくなりました。
波音に勝る音楽はありません。


途中で食べた夕食はおなじみソーキソバ。


ロンドン・アイルランド旅行/おまけの話 [旅行記]

ロンドン街並木
この旅もそろそろ終わりです。
ロンドンはポンド高で大変でしたがそれでも安い店があるのです。まず昔からマークス&スペンサーという庶民的な店があります。アムステルダムにはH&Mという安くていい店がありましたが、今回行ったらロンドンにもちゃんとH&Mが進出していました。(5,6年前に行ったら日本の無印もありました。)H&Mはマークス&スペンサーより安いだろう思ったのですが、さらにその上をいく安い店がありました。店の名はPRIMART。(インド系かな?)寒くて買ったセーター、なんと3ポンド。品質もまあまあ。店内全体がバーゲン会場みたいな混雑ぶりで、キャッシャーの前は空港のようにロープで、長い列をぐるぐると誘導していました。アイルランドでは羊に敬意を表してアラン諸島産のフィッシャーマンセーターも買いました。

帰りの飛行機がヒースロー空港を出て40分ぐらいしたとき、「エンジンの不具合によりヒースロー空港に戻ります。」というアナウンスが・・。続いて「なお、当飛行機には成田までの燃料を積んでいるため、このまま着陸すると危険です。燃料をなくすためしばらく旋回を続けます。」とのアナウンス。
ああ、またか、と思い、こういうときはジタバタしても仕方ないので読書して時間を過ごしました。4時間後にやっとヒースロー空港に無事着陸。その間、燃料を空中散布していたのですね。(確かヨーロッパから成田までの燃料はドラム缶800本?)空港には消防車が10台ぐらい待機していました。乗客が何事もなく全員降りたので、消防車は帰っていきました。
今年の夏も飛行機事故が多かったです。着陸してから爆発というのが・・。

飛行機の事故の確率はどの位なのでしょう。かなり低いと聞かされていましたが、私自身の経験ではかなりの確率でトラブルにあっています。3回に1回は何か軽いトラブルにあいます。一番ひどかったのはフランスのシャルル・ドゴール空港に着いたときのこと。アナウンスがあって「みなさま、右手をごらん下さい。ちょうどコンコルドが離陸するところです。」
私は窓際だったのでとても良く見えました。コンコルドが鳥のように離陸したとき、後方から火を吹きました。「コンコルドってロケットみたいに火を吐くのか。」と非科学的なことを思っていると、コンコルドは私の乗っていた飛行機の真上をすれすれに飛んで行き、黒煙がかぶさりました。乗務員の人達は呆然自失という風で客が降りるのをだまって見送っていました。その後でコンコルドはすぐ近くに墜落したことを知りました。
ヒースロー空港の滑走路は30秒〜40秒に一機という密度で飛行機が飛んでいました。スーパーマーケットの駐車上より出入りが激しいです。これほどの過密ぶりでは安全チェックも抜けが出てくるのは当然かも知れません。
何をするにしても事故と隣り合わせなのです。(捻挫もしました・・。)
エンジンに亀裂が入っていた
それでも、せわしなくぎすぎすした日本とは別のゆったりした時間が流れている場所を探して、こりずに旅をする私です。アイルランドのホテルにはパディさんという80才ぐらいで、足が不自由で杖をついている男の人がいました。マレーシアから毎年ここに来て夏の間滞在しているのだそうです。ほんの1,2段の段差さえ登るのがおぼつかない風で、記憶もあいまい、いつも同じ話を繰り返しフロントの人を悩ませていましたが、一人旅でした。
他にも年を取って、杖をつきながら旅をしている人をたくさん見かけました。ちょっとのことですぐめげる自分は何だろう、と思えるのも旅の良さです。


アイルランド紀行/ウィックロー・ツアー [旅行記]

Wild Wicklow Tourで、キリニイ海岸からウィックロー山脈のラフ・タイ、グレンダロッホの教会遺跡を見に行きました。今日も天気は上々。まず、市の中心から15分ほどで海岸沿いの景色を楽しみました。このあたり大きな屋敷が点在する静かな住宅地。海というのはどこの海も何故かなつかしい。日本の海と同じ風景です。

海から内地(ウィックロー)へとバスが進んでいくと、見たことのない荒々しい風景。Lough Tay です。バスから降りるとビュービューと湿った冷たい風が吹いていました。このあたり一帯は、ビールで有名なギネス一家の所有地だったとか。一面に岩肌にへばりつくように咲いているピンクのヒースの花が、遠くから見ると地面に紅いじゅうたんを敷いたようです。そばで見るとピンクなのだけど、ちょっと離れると紅く見えるのです。


ガイドさんがアイルランドのクリーミィなウィスキーをふるまってくれまた。
このバスに乗り合わせたのは、イタリア、スペイン、オーストラリア、アメリカ、イギリス、デンマーク、そして日本(わたし)とまさにインターナショナル・ツアーでした。みんなで乾杯。
アイルランドのガイドさんのプロ意識はすごいです。アイルランドの歴史、地質学などユーモアをおりまぜて、とても熱心に話してくれました。話はマニュアルではなく、明らかに国籍、年齢のちがいに合わせて、全員を惹きつける話しぶり。見事なものです。(市内観光の運転手さんですらずっとしゃべりっぱなしでした。)自分の仕事に誇りを持っていて一生懸命なのが、好感持てました。

グレンダロッホのハイキング。
ここは1400年前の古い教会の遺跡が残っています。
山間のひっそりした美しい場所に時代を経て残ってきた教会や塔は見応えありました。




アイルランドはあまり人が足を踏み入れていない所が多く、自然が昔のまま残されています。荒涼とした景色の中には、羊や牛の姿だけでほとんど人の姿を見ません。羊は一心不乱にみな頭を下げ草を食べ続けています。黙々と草を食べている羊の気持ちになって考えたら、やっぱり帰りにセーター買って行こうかな、と思いました。
アイルランドは2005年の英エコノミスト誌の調査で「最も住みやすい国」に選ばれています。


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